パターンメーキング技術検定試験

一般財団法人 日本ファッション教育振興協会(JAFET)が実施する資格試験です。

衣服のパターン(型紙)を作成する技術を測定し、アパレル業界で活躍するための実務能力を証明する資格として認定されます。

この資格は、アパレルメーカーやファッション業界でのパタンナー、デザイナー、縫製技術者などの職種に必要とされるスキルを評価するものです。

資格の目的

  • パターンメーキングの技術を標準化し、実務能力を証明する。
  • アパレル業界で活躍するための基礎から応用までの技術を習得する。
  • デザイナーと縫製現場をつなぐ専門職としてのスキル向上を支援する。

主催
(財)日本ファッション教育振興協会

受験資格と難易度

受験資格

受験資格
3級 特になし(誰でも受験可能)
2級 3級合格者、または服飾系の専門学校・大学で学んだ者
1級 2級合格者、またはパタンナー・デザイナーとしての実務経験者

3級は誰でも受験可能ですが、2級・1級は一定の知識や経験が必要です。
特に1級は高度な技術力が求められるため、実務経験があると有利になります。

試験の難易度と合格率

難易度 合格率(目安) 試験の特徴
3級 ★★☆☆☆(基礎レベル) 70〜80% 基礎知識とパターン作成の基本を問う。
2級 ★★★★☆(実務レベル) 50〜60% デザイン画からのパターン作成、仕様書作成が必要。
1級 ★★★★★(プロフェッショナルレベル) 30〜40% 高度なパターン設計、工業生産向けの技術、スピードが要求される。

試験内容

1級・2級・3級の3つのレベルに分かれています。各級で求められるスキルが異なり、筆記試験実技試験の両方が実施されます。上級(1級)では、口頭試問が行われることもあります。

3級(基礎レベル)

筆記試験(基礎知識)

  • パターンメーキングの基本的な知識
  • 原型の種類と特徴(婦人原型・子供原型・紳士原型など)
  • 製図記号とパターン上のルール
  • 縫製の基礎知識(縫い代・芯地・ミシン縫製の基本)
  • Tシャツ、スカート、パンツなどの基本的な型紙構成
  • 服の各部名称(袖・襟・ダーツ・ヨークなど)

実技試験(基本パターン作成)

  • 基本の原型を使ってパターンを作成する
  • シルエットの変更(ダーツ移動、Aライン・タイトなど)
  • 簡単なデザイン変更(フレアスカート、シャツの袖形状変更など)
  • シワが出にくいパターン作成と補正
  • 基本的なパターンの展開・補正技術

難易度:★★☆☆☆(基礎レベル)
合格率:70〜80%(基礎知識があれば合格しやすい)

2級(実務レベル)

筆記試験(応用知識)

  • 3級の内容に加えて、より高度な技術が問われる
  • デザイン画からのパターン作成の手順
  • 工業用パターンとアパレル量産の基礎知識
  • グレーディング(サイズ展開)の理論
  • 素材の特性とパターン設計(ストレッチ素材・ウール・シルクなど)
  • パターンの補正技術(着用時の動きやすさの調整)

実技試験(工業パターン作成)

  • デザイン画を元にパターンを作成する
  • 縫製仕様書の作成(縫い代・芯地・縫製工程の指示)
  • 工業用パターンとしての精度が求められる
  • 量産化を考慮した縫製のしやすいパターン設計
  • ジャケット・ワンピース・パンツなど、より複雑なアイテムの設計

難易度:★★★★☆(実務レベル)
合格率:50〜60%(パターン作成技術と理論を理解することが重要)

1級(プロフェッショナルレベル)

筆記試験(専門知識)

  • 2級の内容に加えて、より高度な知識が求められる
  • 量産向けのパターン設計と生産工程の管理
  • 立体裁断の理論と応用
  • 3Dパターンメーキング(CAD・デジタルパターン技術)
  • 服の着心地を向上させるパターン設計技術
  • パターンのトワルチェック(仮縫い調整)のポイント

実技試験(高度なパターン作成)

  • フォーマルウェア・コート・ドレスなど、複雑なデザインのパターン作成
  • デザインの意図を考慮し、パターンの構造を設計する
  • 高度な補正技術(バストダーツ・肩線調整・ゆとり量の計算など)
  • 量産向けの縫製を意識した仕様書作成
  • 短時間で正確なパターンを作成するスピードが求められる

口頭試問(1級のみ)

  • 試験官の質問に口頭で回答する
  • 実務経験を活かした論理的な説明が必要

難易度:★★★★★(プロフェッショナルレベル)
合格率:30〜40%(パタンナーやデザイナーとしての実務経験が重要)

試験時間

試験項目 3級(基礎) 2級(実務) 1級(プロ)
筆記試験 60分 90分 120分
実技試験 120分 180分 240分
口頭試問 なし なし あり(試験官との質疑応答)

試験対策

筆記試験対策

1. 公式テキストを活用する

  • 日本ファッション教育振興協会の公式テキストを中心に学習する。
  • 試験範囲が網羅されているため、まずは基本をしっかり押さえる。

2. 過去問題や模擬問題を解く

  • 試験の出題傾向を把握し、頻出問題を重点的に学習する。
  • 間違えた問題はノートにまとめ、復習を繰り返す。

3. 出題範囲ごとの学習ポイント

3級(基礎レベル)
  • パターンメーキングの基本(原型の種類・製図記号の理解)
  • 基本的なパターン展開と補正(Aライン・タイト・フレアなど)
  • 服の各部名称と役割(襟・袖・ダーツ・ヨークなど)
  • 縫製の基礎知識(縫い代の取り方・ミシン縫製の基本)
2級(実務レベル)
  • デザイン画からのパターン作成(デザイン意図の理解)
  • 工業パターンとアパレル量産の知識(縫製しやすいパターン設計)
  • グレーディング(サイズ展開)の理論
  • 素材の特性とパターン設計(ストレッチ素材・ウール・シルクなど)
  • 補正技術の応用(着用時の動きやすさの調整)
1級(プロフェッショナルレベル)
  • 高度なパターン設計と工業生産の管理
  • 立体裁断の理論と応用
  • 3Dパターンメーキング(CAD・デジタルパターン技術)
  • パターンのトワルチェック(仮縫い調整)の方法
  • 服の着心地を向上させるための技術

実技試験対策

1. パターン作成の基本を確実にする

  • 原型の展開・補正を何度も練習し、正確な製図ができるようにする。
  • ダーツの移動やシルエット変更のバリエーションを増やす。
  • 鏡を使わずにスムーズに作業できるように練習する。

2. 制限時間を意識して練習する

  • 実技試験では、決められた時間内にパターンを完成させるスピードが重要
  • 初めは時間を気にせず正確に作ることを優先し、慣れたらスピードを上げる。
  • 模擬試験形式で本番と同じ条件で練習することが効果的。

3. 他の人に見てもらう(2級・1級)

  • パターンの正確性をチェックしてもらうことで、ミスを発見しやすくなる。
  • プロのパタンナーや講師からアドバイスをもらうのも有効。

4. 仕様書の作成練習をする(2級・1級)

  • 縫製仕様書に適切な指示を書けるようにする。
  • 量産向けの仕様を考慮し、縫いやすいパターンを作成する。

5. トワル(仮縫い)で補正技術を向上させる(1級)

  • 実際に布で組み立て、フィッティングの調整を行う。
  • 立体的に見て、どの部分を補正すべきか判断できるようにする。

口頭試問対策(1級のみ)

1級では、試験官からの質問に口頭で答える「口頭試問」が実施されることがあります。

1. 試験で聞かれやすい質問を想定しておく

2. 簡潔に答える練習をする

  • 長くなりすぎず、わかりやすく説明できるようにする。

取得後に出来ること

1. パタンナーとして活躍する

アパレルメーカーのパタンナー(2級・1級)

  • アパレルブランドやメーカーで、デザイン画を基にパターンを作成する仕事ができる。
  • 工業用パターンを作成し、量産化に適した設計が可能。
  • デザイナーと相談しながら、パターンの調整や修正を行う。

フリーランスパタンナー(1級)

  • 自身でクライアントからの依頼を受け、パターン制作を請け負うことができる。
  • オーダーメイド服のパターン作成や、ブランドの下請けパタンナーとして活動。
  • 企業向けにパターン作成の指導やコンサルティングを行うことも可能。

2. ファッションデザイナーとしてのスキルアップ(2級・1級)

  • デザイナーとして、デザイン画をパターンに落とし込む技術を習得。
  • パターンの知識を持つことで、より実現可能なデザインを考案できるようになる。
  • 縫製や生地の特性を理解し、着心地や動きやすさを考慮した服作りが可能になる。

3. 縫製・生産管理のスキルを活かす

縫製工場・アパレル生産部門での仕事(2級・1級)

  • 量産向けのパターン作成や修正を担当できる。
  • 縫製仕様書の作成ができるため、工場とのコミュニケーションがスムーズになる
  • 縫製ラインの改善や、生産効率を考えたパターン設計が可能になる。

生産管理・品質管理の仕事(1級)

  • 工場での縫製トラブルの原因をパターンの視点から分析・改善できる。
  • 仕様書の不備や縫製の難しさを考慮し、適切な修正ができるようになる。

4. ファッション教育・講師としての活動(1級)

  • 服飾専門学校やカルチャースクールでパターンメーキングの講師として働ける。
  • 自身でオンライン講座を開講し、パターン作成技術を指導できる。
  • YouTubeやSNSでパターンメーキングのノウハウを発信し、ファッション業界での認知度を高めることが可能。

5. ブランド立ち上げ・独立(1級)

自身のアパレルブランドを立ち上げる

  • パターンを自分で作成できるため、コストを抑えてブランドを運営できる。
  • 外注せずにデザインからパターン作成・縫製まで一貫して手がけられる
  • 小ロット生産でオリジナルブランドを展開し、ネットショップやポップアップストアで販売が可能。

6. 服飾業界のキャリアアップに活用(3級・2級・1級)

資格レベル 活動内容 活躍の場
3級(基礎レベル) パターン作成の基礎スキルを習得 アパレルメーカー、縫製工場
2級(実務レベル) 工業用パターン作成、仕様書作成 ブランド・メーカーのパタンナー
1級(プロレベル) 高度なパターン設計、独立・教育 ハイブランド・講師・フリーランス

取得後の仕事・年収イメージ

職種 平均年収(目安) 必要資格レベル
アパレルメーカーのパタンナー 300万~500万円 2級以上
フリーランスパタンナー 400万~800万円 1級
ファッションデザイナー(パターンができる) 350万~600万円 2級以上
縫製工場・生産管理 300万~500万円 2級以上
服飾専門学校の講師 350万~600万円 1級
アパレルブランドの起業家 収入は自由(成功すれば高収入) 1級

※ 年収は企業規模や経験、地域によって変動します。

取得後のキャリアパス例

パタンナーとしてのキャリアパス

  1. 3級取得 → アパレルメーカーでパターンアシスタントとして経験を積む
  2. 2級取得 → 工業パターンを担当し、グレーディングや仕様書作成に携わる
  3. 1級取得 → 高度なパターン技術を活かし、チーフパタンナーやフリーランスとして独立

デザイナーとしてのキャリアパス

  1. 3級取得 → デザイン画のパターンを引けるように学習
  2. 2級取得 → 自分のデザインを正確なパターンに落とし込めるようになる
  3. 1級取得 → オリジナルブランドを立ち上げ、自分でパターン・縫製・販売を管理

美容・ファッション系資格一覧

和裁技能士
美容師
理容師
きものコンサルタント一般認定試験
きものプロスペシャリスト
和裁検定試験
洋裁技術検定
パターンメーキング技術検定試験
毛糸編物技能検定
ファッションビジネス能力検定
ネイリスト技能検定試験
メイクアップ検定試験
IBF国際メイクアップアーティスト認定試験
調香技術士
ネイルスぺシャリスト技能検定試験
パーソナルカラー検定
色彩技能パーソナルカラー検定
グランビューティセラビスト
エステティシャン(AEA)
トータルビューティーセラピスト資格
エステティシャン(日本エステティック協会)
IBC検定
ABC協会認定ブライダルプランナー検定
美肌セラピスト
認定ウエディングスペシャリスト(CWS)
カットフラワーアドバイザー
ヨーロピアンフラワーデザイン
色彩心理額療法士
マインド・ボディ・セラピスト
箱庭心理セラピスト
整体療法士
カイロプラクター
療術師
整体セラピスト検定
日本予防医学療術協会認定 整体療術師
日本MTC療術師協会認定資格 整体師
整体セラピスト
JREC認定リフレクソロジスト認定試験
IFR認定リフレクソロジスト資格
JHRS認定リフレクソロジスト資格
JHRS認定フットセラピスト
IAI認定インテグレーターライセンス資格
台湾式リフレクソロジスト
フーレセラピスト
アロマビューティーセラピスト
漢方養生指導士
環境セラピージュニアセラピスト認定資格
ベビーセラピスト
ベビーマッサージインストラクター
ハーブ検定
ハーブコーディネーター
ロミロミセラピスト
アロマテラピー検定
アロマコーディネーター認定試験

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