校正技能検定

校正技能検定は、日本エディタースクールが1966年から実施している、校正者として必要な基礎技能と基礎知識を評価する検定です。初級・中級・上級の3段階があり、中級と上級は実技試験と学科試験による統一試験、初級は指定科目の修得によって認定されます。

校正の仕事では、原稿と校正刷りを1字ずつ照合する「引き合わせ」、原稿なしで文章を読みながら誤字や表記上の問題を見つける「通読」、組版や印刷に関する知識、漢字・仮名遣い・送り仮名など幅広い力が必要です。校正技能検定は、こうした実務に近い力を、実際の紙面を使った課題で確認するのが特徴です。

校正技能検定を30秒で確認

  • 主催:日本エディタースクール
  • 開始:1966年
  • 級:初級・中級・上級
  • 初級:指定科目の修得で認定
  • 中級:年2回、実技+学科
  • 上級:年1回、実技+学科
  • 上級受験資格:中級合格者
  • 次回中級:第177回・2026年12月13日
  • 第177回中級受験料:8,800円
  • 第177回申込締切:2026年12月3日
  • 2026年上級実績:39人受験・11人合格
資格名 校正技能検定
主催 日本エディタースクール
資格区分 民間検定
級 初級・中級・上級
中級 実技試験+学科試験
上級 実技試験+学科試験
主な対象 校正・校閲、編集、出版、Web制作などの実務に関わる人
開催頻度 中級:年2回/上級:年1回

校正技能検定とは

校正技能検定は、文章や印刷物を正しく不備のない状態に仕上げるための「校正」技能を客観的に評価する検定です。日本エディタースクールが1966年から主催・実施しています。

出版業界では、原稿どおりに組まれているか、文字・記号・数字・ルビ・見出し・柱・ノンブルなどに誤りがないかを確認する校正作業が不可欠です。また、現在では紙の書籍や雑誌だけでなく、Web記事、企業広報、広告、マニュアルなどでも校正・校閲の需要があります。

実務に近い「作業能力」を見る検定

中級・上級では、校正記号や用語を知っているだけでは足りません。実際の原稿と校正刷りを照合し、限られた時間内に誤りを発見して正しく赤字を入れる実技力が求められます。

初級・中級・上級の違い

級 認定・試験方法 位置づけ
初級 日本エディタースクールで指定科目を修得した人を認定 校正の基礎技能・基礎知識を身につけた段階
上級 統一試験(実技+学科) 中級合格者がさらに高度な校正技能を証明する

2026年度の試験日程

2026年10月4日時点で、第175回上級と第176回中級は終了しています。次回は第177回中級です。

回 級 試験日 状況
第175回 上級 2026年3月29日 終了
第176回 中級 2026年7月19日 終了
第178回 上級 2027年3月下旬予定 予定
第179回 中級 2027年7月予定 予定

第177回中級の概要

試験日 2026年12月13日(日)
試験時間 10:30~17:05(ガイダンス・休憩含む)
申込締切 2026年12月3日(木)
東京会場 専修大学 神田キャンパス5号館
関西会場 新大阪丸ビル新館
受験料 8,800円(税込)
合否通知 試験終了後約1か月半

会場は定員に達すると締切前でも受付終了

第177回中級は東京・関西とも定員が設定されています。受験資格を満たしている人は、締切ぎりぎりではなく早めに申し込む方が安全です。

中級の受験資格

中級は、誰でも無条件に受験できる検定ではありません。2026年度第177回の公式案内では、次のいずれかに該当する人が対象です。

区分 受験資格
A 日本エディタースクールの所定の校正講座(常設コース)を修了した人
B 各種教育機関で一定の校正実技訓練を受けた人、または校正実務経験者
C 技能検定委員会が上記に準ずると認定した人

上級の受験資格

上級は、校正技能検定中級に合格した人のみ受験できます。2026年第175回上級の受験料は9,900円(税込)でした。

上級を目指すなら、まず中級合格が必要

他の校正資格や実務経験があっても、校正技能検定上級を直接受けることはできません。中級合格が必須条件です。

中級の試験内容

中級では、指示された方針に従い、比較的単純な組版について初校原稿引き合わせと通読作業を行う能力が問われます。

試験 内容 目安時間
実技Ⅰ 縦組原稿引き合わせ 90分
実技Ⅱ 横組原稿引き合わせ 60分
実技Ⅲ 縦組データ入稿の赤字引き合わせ・通読 60分
学科 校正作業・編集製作・用字用語・一般知識 50分

実技Ⅰ:縦組原稿引き合わせ

手書き原稿や原稿指定と、組版された初校校正刷りを照合します。本文だけでなく、見出し、柱、ノンブル、ルビ、注、引用文、表組、写真、図版、キャプションなども確認対象です。

実技Ⅱ:横組原稿引き合わせ

横組の原稿と初校を照合します。数字、欧字、欧文、単位記号など、縦組とは異なる組版上の注意点も含まれます。

実技Ⅲ:データ入稿の赤字引き合わせ・通読

データ原稿に対して行われた原稿編集・原稿指定の赤字が、初校に正しく反映されているか確認し、さらに文章全体を通読して不備を探します。

学科試験

学科では、編集・製作の基本知識、印刷文字・記号、組版、校正作業、漢字、同音異義語、送り仮名、現代仮名遣いなどが出題されます。○×式だけでなく筆答式も含まれます。

実技試験で苦戦しやすいポイント

ポイント 難しい理由 対策
原稿引き合わせ 1字ずつ正確に比較しながら速度も必要 一定の視線移動・指差し方法を固定する
見出し・柱・ノンブル 本文だけ見ていると周辺要素を見落とす 本文・欄外・体裁を工程別に確認する
縦組・横組 数字・欧文・約物の扱いが変わる 組版ルールを具体例で覚える
データ入稿校正 赤字反映確認と通読を同時に行う必要がある 引き合わせと素読みの工程を分けて練習する
学科 実務だけでは用語・表記ルールが曖昧な場合がある 『標準 校正必携』などで体系的に整理する

試験当日に使える資料

第177回中級の公式案内では、実技試験で『標準 校正必携』を持ち込めます。一方、実技・学科とも辞書類は使用できません。

持ち込み可だから検索時間が十分あるわけではない

実技は時間制限が厳しく、毎回資料を調べていると作業が終わりません。『標準 校正必携』は、必要な箇所をすぐ引けるよう事前に使い慣れておくことが重要です。

難易度・合格率

日本エディタースクールは、校正技能検定の受験者数・合格者数を公式に公開しています。合格率は回によって変動するため、固定値ではなく直近の実績を見る方が実態を把握しやすくなります。

直近で確認できる中級の公式実績

回 実施日 受験者数 合格者数 合格率
第173回 2025年7月21日 174人 68人 39.1%
第174回 2025年12月21日 164人 67人 40.9%

2026年第176回中級は7月19日に実施され、9月中旬に合否通知が発送されていますが、2026年10月4日時点で公式「実施状況」ページ上の級別集計表には第176回の数値がまだ反映されていないため、当サイトでは推測しません。

2026年上級の公式実績

回 受験者数 合格者数 合格率

準中級とは

公式案内では、第174回・第176回試験で「準中級」と認定された人向けに、第177回で準中級受験制度が用意されています。該当者の受験料は3,300円です。

勉強時間の目安

日本エディタースクールは、校正技能検定合格に必要な一律の標準学習時間を公表していません。以下は当サイトの目安です。

受験者タイプ 学習時間の目安 重点
校正学習を始めたばかり 150~300時間 校正記号、組版、用字用語、引き合わせ
校正実務経験者 50~100時間 試験独自の組版・学科・時間配分
中級合格後に上級を目指す 100~200時間以上 高度な実技、判断力、精度向上

校正技能検定の勉強方法

  1. 校正記号を完全に使えるようにする
    修正内容を迷わず赤字で示せる状態を作ります。
  2. 縦組・横組の組版ルールを学ぶ
    数字、欧文、約物、ルビ、柱、ノンブルなどを体系的に確認します。
  3. 引き合わせを毎日練習する
    文字だけでなく、体裁・改行・記号・図表まで一定の順序で確認します。
  4. 通読・素読みを分けて練習する
    原稿照合とは違い、文章自体の不自然さを自分で見つける力を養います。
  5. 学科問題を並行する
    実技だけに偏らず、用字用語・印刷・編集・組版の基礎を整理します。
  6. 本番時間で過去問題を解く
    90分・60分・60分・50分という長丁場に慣れます。

3か月の学習スケジュール例(中級)

期間 学習内容 到達目標
1~2週目 校正記号、組版基礎 基本的な赤字を迷わず入れられる
3~4週目 縦組・横組引き合わせ チェック順序を固定
5~6週目 学科、用字用語、印刷知識 基礎知識の穴を埋める
7~8週目 データ入稿校正、通読 赤字確認と素読みを分けて行える
9~10週目 過去問題・模試 本番時間内に処理
11~12週目 誤答・見落とし分析 同じ種類のミスを繰り返さない

不合格になりやすい原因

失敗 原因 改善
本文だけを見る 柱・ノンブル・見出し・ルビなどを見落とす 確認対象を工程別に分ける
校正記号を覚えるだけ 実際の紙面では使えない 毎日実物に赤字を入れる
速度優先で雑になる 誤字や体裁ミスを取りこぼす 精度が安定してから速度を上げる
実技だけ勉強する 学科で失点する 組版・用字用語・印刷知識も並行する
本番形式を練習しない 長時間試験で集中力と時間配分が崩れる 過去問を時間通りに通して解く

取得するメリット

メリット 内容
校正技能を客観的に示せる 実技+学科で一定水準を満たしたことを証明できる
出版業界への足がかり 実務未経験者が校正技能を示す材料になる
実務力の整理 自己流で行ってきた校正を標準的なルールで見直せる
編集・Web制作にも応用 文章、組版、表記、数字確認の力を幅広く使える

活かせる仕事

職種 活かせる業務
校正者 書籍、雑誌、広告、Web記事の校正
校閲者 固有名詞、事実関係、表現の確認
編集者 原稿整理、初校・再校確認、制作進行
Web編集 記事公開前の表記・誤字・数字・レイアウト確認
広報 プレスリリース、社内報、パンフレットの品質管理
ライター 納品前のセルフチェック

校正技能検定と校正士の違い

項目 校正技能検定 校正士
実施団体 日本エディタースクール 一般財団法人 実務教育研究所
制度 初級・中級・上級 校正実務講座修了後に認定試験
中・上級試験 会場で実技+学科 在宅校正形式
現在の新規取得 中級試験を継続実施 講座の新規受講募集は2026年9月30日で停止

これから校正資格を目指すなら

2026年10月時点では、校正技能検定は中級・上級とも現行制度が続いています。一方、校正士は前提となる校正実務講座の新規募集が停止しました。そのため、新規で資格取得を始めたい人は校正技能検定の方が制度を利用しやすい状況です。

2026~2027年度の制度・実施状況

2026年10月4日時点で、校正技能検定の廃止・名称変更・CBT化などの大規模な制度変更は公表されていません。中級は夏・冬の年2回、上級は春の年1回という基本スケジュールが継続しています。

年度・回 内容
2026年第175回 上級を3月29日に実施
2026年第176回 中級を7月19日に実施
2027年第178回 上級を3月下旬予定
2027年第179回 中級を7月予定

よくある質問

校正技能検定は現在も実施されていますか?

はい。2026年10月4日時点でも実施中です。次回の第177回中級は2026年12月13日に予定されています。

誰でも中級を受験できますか?

無条件ではありません。日本エディタースクールの所定講座修了、他教育機関での実技訓練、校正実務経験などの受験資格があります。

上級を直接受験できますか?

できません。上級は校正技能検定中級合格者のみ受験できます。

中級の受験料はいくらですか?

第177回は8,800円(税込)です。

中級の合格率は?

公式実績では、第173回39.1%、第174回40.9%でした。2026年第176回の数値は、2026年10月4日時点で公式実施状況ページの集計表にまだ反映されていないため、推測していません。

上級の合格率は?

2026年第175回は39人受験、11人合格で、合格率は約28.2%です。

実技試験に辞書を持ち込めますか?

辞書類は使用できません。第177回では実技試験に『標準 校正必携』を持ち込めます。

独学だけで中級を受験できますか?

受験資格審査があるため、完全独学だけで自動的に受験資格が得られるわけではありません。校正実務経験などがある場合は対象になる可能性があります。

資格がなくても校正者になれますか?

はい。校正者になるために法律上必須の資格ではありません。ただし、検定は技能水準を客観的に示す材料になります。

資格に有効期限や更新制度はありますか?

2026年10月4日時点で、合格後に定期更新を求める制度は案内されていません。

校正技能検定のまとめ

校正技能検定は、日本エディタースクールが1966年から実施する、校正の実技力と基礎知識を評価する検定です。初級・中級・上級の3段階があり、中級と上級は実技+学科で審査されます。次回第177回中級は2026年12月13日、受験料8,800円で、東京・大阪で実施予定です。近年の中級合格率は約4割、2026年上級は約28%でした。合格には、校正記号の暗記だけでなく、縦組・横組・データ入稿の原稿引き合わせ、通読、組版・用字用語の知識を本番時間内で使える実践力が重要です。

情報確認:2026年10月4日
主な確認先:日本エディタースクール「校正技能検定試験」「第177回〈中級〉受験手続き」「実施状況」「試験対策講座・問題集」「第175回〈上級〉受験手続き」。

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