米国公認管理会計士(CMA:Certified Management Accountant)は、IMA(Institute of Management Accountants)が認定する、管理会計・財務管理分野の国際資格です。原価管理、予算、業績管理、財務分析、企業財務、投資意思決定、内部統制、リスク管理、戦略、職業倫理など、企業内部の意思決定を支える知識を体系的に学びます。
USCPAが監査・財務会計・税務などを広く扱うのに対し、CMAは企業内部の経営管理・意思決定・FP&A・管理会計に重点があります。経理・財務から経営企画やFP&A、コントローラー、CFO候補などへ専門性を広げたい人と相性のよい資格です。
2026年現在、CMA試験はPart 1とPart 2の2科目制です。各Partは4時間で、日本では2026年9・10月試験まで多肢選択問題+記述式問題が案内され、2027年1月からはケースベース問題(CBQ)へ移行する予定です。
米国公認管理会計士(CMA)を30秒で確認
- 認定:IMA / ICMA
- 試験:Part 1+Part 2の2科目
- Part 1:Financial Planning, Performance, and Analytics
- Part 2:Strategic Financial Management
- 試験時間:各4時間
- 試験会場:Prometricテストセンター
- 日本受験:可能
- 教育要件:認定大学等の学士号または所定の専門資格
- 実務経験:管理会計または財務管理分野で連続2年以上
- 試験合格期限:CMAプログラム登録から3年以内に2科目合格
- 2026年受験料(Professional):Entrance Fee 300米ドル+各Part 545米ドル
- 公式平均合格率:Part 1・Part 2とも地域差はあるが平均約50%
- 当サイトの学習時間目安:2科目合計500~800時間程度
| 資格名 | Certified Management Accountant(CMA) |
|---|---|
| 日本での呼称 | 米国公認管理会計士、US-CMA |
| 認定団体 | IMA(Institute of Management Accountants) |
| 試験科目 | Part 1・Part 2 |
| 試験時間 | 各4時間 |
| 受験方式 | Prometricによるコンピュータ試験 |
| 受験時期 | 原則1・2月、5・6月、9・10月 |
| 主な対象 | 経理、財務、FP&A、管理会計、経営企画、コントローラー、CFO候補など |
米国公認管理会計士(CMA)とは
CMAは、企業内部の財務・会計専門家に必要な管理会計・経営管理能力を証明する国際資格です。財務諸表を作るだけでなく、「その数字を使って経営判断をどう支援するか」に重点があります。
予算編成、予実分析、原価管理、KPI、投資判断、資本コスト、リスク管理、内部統制、データ分析などを扱うため、経理・財務からより経営に近い仕事へ進みたい人に向いています。
CMAの中心は「企業内部の意思決定支援」です。
監査資格ではなく、経営者・事業部門へ数字を使って助言する管理会計・財務管理の専門資格として考えると理解しやすいでしょう。
CMA取得に必要な要件
CMA資格を取得するには、試験に合格するだけでなく、IMA会員資格、教育要件、実務経験要件などを満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| IMA会員 | 有効なIMA会員資格を維持する |
| CMAプログラム登録 | CMA Entrance Feeを支払う |
| 教育要件 | 認定大学等の学士号、または所定の専門資格 |
| 試験 | Part 1・Part 2に合格 |
| 実務経験 | 管理会計または財務管理分野で連続2年以上 |
| 倫理 | IMA Statement of Ethical Professional Practiceを遵守 |
実務経験は試験合格前でも後でも構いませんが、試験合格後7年以内に満たす必要があります。対象となる業務には、財務諸表作成、FP&A、予算、決算、監査、原価管理、財務管理、データ分析、リスク評価、戦略企画など幅広い業務が含まれます。
一般事務や単純な経理補助だけでは実務要件として認められない場合があります。
IMAは、管理会計・財務管理の原則を使って判断を行う専門的業務であることを求めています。
CMA試験の構成
Part 1:Financial Planning, Performance, and Analytics
| 分野 | 出題比率 |
|---|---|
| External Financial Reporting Decisions | 15% |
| Planning, Budgeting, and Forecasting | 20% |
| Performance Management | 20% |
| Cost Management | 15% |
| Internal Controls | 15% |
| Technology and Analytics | 15% |
Part 1では、予算、業績評価、原価管理、内部統制、データ分析など、企業内部の管理プロセスを中心に学びます。管理会計・FP&A業務との関連が特に強い科目です。
Part 2:Strategic Financial Management
| 分野 | 出題比率 |
|---|---|
| Financial Statement Analysis | 20% |
| Corporate Finance | 20% |
| Business Decision Analysis | 25% |
| Enterprise Risk Management | 10% |
| Capital Investment Decisions | 10% |
| Professional Ethics | 15% |
Part 2では、企業価値、資本コスト、投資判断、財務分析、意思決定、リスク管理、職業倫理など、より戦略的な財務管理を扱います。
2026年の試験形式
従来のCMA試験は、各Partで100問の多肢選択問題(MCQ)と2つの記述式シナリオ問題で構成されています。試験時間は合計4時間です。
| セクション | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| MCQ | 100問 | 最大3時間 |
| 記述式 | 2シナリオ、複数の記述・計算設問 | 合計1時間 |
| 合計 | Part 1・Part 2とも同様 | 4時間 |
記述式へ進むには、MCQで少なくとも50%を正答する必要があります。
2026~2027年の試験形式変更
IMAは、CMA試験の記述式問題をケースベース問題(CBQ)へ移行しています。世界の多くの地域では2026年9・10月からCBQが標準となりますが、日本には移行時期に例外があります。
日本で受験する場合
| 試験期間 | 日本での主な形式 |
|---|---|
| 2026年9月・10月 | MCQ+記述式 |
| 2027年1月 | MCQ+ケースベース問題(CBQ) |
| 2027年5月 | MCQ+ケースベース問題(CBQ) |
2026年に古い「記述式」情報を見ても、2027年受験者はそのまま当てはまりません。
日本では2027年1月からCBQ方式への移行予定が案内されています。受験時期に合った問題形式で練習してください。
日本語でCMAを受験できる?
IMAは日本向けに日本語CMA試験を案内しており、東京・大阪のテストセンターで受験可能です。日本語試験の日程は英語版の一般的なウィンドウとは一部異なるため、専用ページで確認する必要があります。
2026年9月の日本語試験は9月19日・20日・26日・27日に設定され、2027年1月・5月の日程も公表されています。
2026年の受験料
| 区分 | Professional | Student / Academic |
|---|---|---|
| CMA Entrance Fee | 300米ドル | 225米ドル |
| Exam Fee | 545米ドル/Part | 407米ドル/Part |
| IMA Membership | 295米ドル | 49米ドル/160米ドル |
| CMA Annual Maintenance Fee | 30米ドル | 30米ドル |
Professional会員が新規に2科目を受験する場合、Entrance Feeと試験料だけで1,390米ドルです。これにIMA会費や教材費などが加わります。
試験はいつ受けられる?
英語CMA試験は通常、次の3つのTesting Windowで実施されます。
- 1月・2月
- 5月・6月
- 9月・10月
2026年9・10月ウィンドウは9月1日~10月31日で、申込締切は10月15日です。
CMAの合格率
IMAは、CMA試験の合格率について地域差があるとしたうえで、Part 1・Part 2とも平均約50%と案内しています。
約50%という数字だけで「簡単」と判断しないようにしましょう。
受験者には会計・財務実務者が多く、英語または専門用語への理解も必要です。また、資格取得には試験だけでなく教育・実務経験要件があります。
CMAの難易度
CMAは、日本の公認会計士試験のように多数科目を一括して競う試験ではありません。一方で、2科目の中に管理会計・企業財務・経営分析・内部統制・戦略・倫理が高密度で含まれています。
| 難しいポイント | 理由 | 対策 |
|---|---|---|
| 管理会計 | 予算・差異分析・原価管理など計算が多い | 公式暗記より計算プロセスを理解する |
| 企業財務 | 資本コスト・企業価値・投資判断が抽象的 | キャッシュフローを図にして考える |
| 英文・専門用語 | 会計・財務用語を瞬時に理解する必要がある | 頻出用語を英語のまま理解する |
| ケース問題 | 知識を実務シナリオへ適用する必要がある | 計算結果だけでなく判断理由を説明する |
| 倫理 | 状況判断が必要 | IMA倫理規範を事例と結びつける |
CMAの勉強時間
IMAは合格に必要な標準学習時間を公式には示していません。以下は当サイトの目安です。
| 受験者タイプ | 2科目合計の目安 |
|---|---|
| 会計初学者 | 650~800時間 |
| 簿記2級程度の知識あり | 550~700時間 |
| 経理・FP&A経験者 | 450~600時間 |
| 管理会計・財務実務+英語経験あり | 350~500時間 |
CMAの勉強方法
1. Part 1から管理会計の土台を作る
予算、原価、業績管理、内部統制はCMAの中心です。会計初学者はPart 1から始めると体系を理解しやすくなります。
2. MCQを大量に解く
100問のMCQに対応するため、知識を覚えるだけでなく、問題文から必要な数字・条件を素早く抜き出す訓練が必要です。
3. 財務計算は手順を固定する
NPV、WACC、差異分析、CVPなどは、公式を見ずに計算手順を再現できるようにします。
4. 記述・CBQ対策を後回しにしない
日本では2027年からCBQへ移行予定です。単なる択一知識ではなく、企業事例へ知識を適用する練習を早めに始めます。
5. 英語受験なら専門用語を英語で覚える
逐語訳していると時間を失うため、variance、working capital、internal control、capital budgetingなど頻出用語は英語のまま理解します。
1年間で2科目を目指すスケジュール例
| 期間 | 内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 1~3か月 | Part 1インプット | 全範囲を一巡 |
| 4~5か月 | Part 1問題演習 | MCQと応用問題を仕上げる |
| 6か月目 | Part 1受験 | 1科目合格 |
| 7~9か月 | Part 2インプット | 企業財務・意思決定を理解 |
| 10~11か月 | Part 2問題演習 | 実務型問題へ対応 |
| 12か月目 | Part 2受験 | 2科目合格 |
不合格になりやすい原因
| 失敗 | 原因 | 改善 |
|---|---|---|
| 講義を見るだけ | 計算スピードが上がらない | MCQ演習時間を増やす |
| 公式を丸暗記する | 応用問題で崩れる | 経済的意味を理解する |
| 記述・CBQを直前まで放置 | 事例問題に慣れない | 早めにサンプル問題へ触れる |
| 3年期限を管理しない | 合格済みPartが失効する可能性 | プログラム登録日から逆算する |
| 実務要件を確認しない | 試験合格後に認定が遅れる | 自分の職務内容を早めに確認する |
CMAを取得するメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 管理会計を体系化 | 予算・原価・業績管理・意思決定を総合的に学べる |
| FP&Aと相性がよい | 予測・分析・経営支援の知識を活かせる |
| 財務戦略に強くなる | 企業価値・投資判断・資本コストを学べる |
| 国際資格 | 海外・外資系企業で資格を説明しやすい |
| 経営層を目指す基礎 | Controller、Finance Director、CFO等につながる知識を学べる |
CMA取得だけでCFOや高年収が保証されるわけではありません。
実務経験、英語力、業界知識、マネジメント経験、データ分析力などと組み合わせることで価値が高まります。
CMAを活かせる仕事
| 仕事 | 活かせる内容 |
|---|---|
| FP&A | 予算、予測、業績分析、経営支援 |
| 管理会計 | 原価、採算、KPI、予実管理 |
| 経営企画 | 投資判断、事業計画、戦略分析 |
| 財務 | 資本コスト、資金調達、投資意思決定 |
| コントローラー | 決算・管理会計・内部統制の統括 |
| 内部監査 | 内部統制、リスク、ガバナンス |
CMAとUSCPAの違い
| 項目 | CMA | USCPA |
|---|---|---|
| 中心分野 | 管理会計・財務管理 | 財務会計・監査・税務等 |
| 試験科目 | 2 Parts | 4科目 |
| 向く仕事 | FP&A、経営企画、管理会計 | 監査、会計、外資経理、アドバイザリー |
| 実務経験 | 管理会計・財務管理で連続2年以上 | ライセンス要件は州ごとに異なる |
| 資格付与 | IMA | 米国各州等 |
企業内部の経営管理ならCMA、監査・会計専門職ならUSCPAがより直接的です。
両方を保有する人もいますが、まずは目指す職種と必要な専門性から選ぶ方が効率的です。
2026~2027年の重要変更
ケースベース問題への移行
IMAは2026年からケースベース問題への移行を進めています。日本では2026年9月試験は記述式、2027年1月以降はCBQ方式が案内されています。
日本語試験を実施
日本向けに日本語CMA試験が案内されており、東京・大阪で受験できます。日本語試験の日程は専用ページで確認してください。
資格維持には継続手続きが必要
CMA取得後はIMA会員資格の更新とCMA Annual Maintenance Feeが必要です。また、CPEなど継続教育要件にも対応する必要があります。
CMAに関するFAQ
日本で受験できますか?
はい。Prometric会場で受験でき、日本語試験については東京・大阪の会場が案内されています。
試験は何科目ですか?
Part 1とPart 2の2科目です。
大学卒業は必要ですか?
CMA認定には原則として認定大学等の学士号、またはIMAが認める専門資格が必要です。
実務経験は必要ですか?
はい。管理会計または財務管理分野で連続2年以上の実務経験が必要です。試験合格後7年以内に満たすことができます。
試験合格だけでCMAを名乗れますか?
いいえ。教育要件・実務経験・IMA会員資格など、すべての認定要件を満たす必要があります。
合格率は何%ですか?
IMAは地域差があるとしつつ、Part 1・Part 2とも平均約50%と案内しています。
何年以内に合格する必要がありますか?
CMAプログラム登録から3年以内に両Partへ合格する必要があります。
日本語で受験できますか?
はい。日本向けに日本語試験が実施されています。ただし試験日程・会場は英語版と異なる場合があります。
2027年から試験形式は変わりますか?
日本では2027年1月からMCQ+ケースベース問題(CBQ)の形式が案内されています。
CMAとUSCPAはどちらがおすすめですか?
FP&A・管理会計・経営企画ならCMA、監査・財務会計・米国会計資格を軸にするならUSCPAが候補です。
米国公認管理会計士(CMA)のまとめ
CMAは、管理会計・財務管理・経営意思決定を専門とする国際資格です。Part 1とPart 2の2科目で、予算、業績管理、原価、内部統制、財務分析、企業財務、投資判断、リスク、倫理などを学びます。資格認定には試験合格だけでなく、学士号等の教育要件と連続2年以上の実務経験が必要です。2026年からケースベース問題への移行が進み、日本では2027年1月からCBQ方式が予定されています。FP&A、管理会計、経営企画、コントローラーなど、経営に近い財務キャリアを目指す人に相性のよい資格です。
情報確認:2026年10月
主な確認先:IMA「CMA Certification」「CMA Handbook」「CMA FAQs」「Enroll in the CMA」「CMA Japan」「The CMA Exam Format is Evolving」。
公式情報:IMA CMA Certification
