GRE

GREは、米国を中心とした大学院、ビジネススクール、法科大学院などへの出願で利用される標準化試験です。正式にはGraduate Record Examinationsといい、ETS(Educational Testing Service)が実施しています。

一般に「GRE」と呼ぶ場合、多くはGRE General Testを指します。General Testでは、Verbal Reasoning、Quantitative Reasoning、Analytical Writingを通じて、大学院レベルの学習に必要な言語的推論、数学的推論、批判的思考、分析的文章力を測定します。

2026年時点で特に注意したいのは、GRE General Testがすでに約1時間58分の短縮版へ変更されていることです。旧記事にある「Verbal 20問×2」「Quantitative 20問×2」「Issue+ArgumentのWriting 2題」という形式は2023年9月22日以前の旧制度です。

GREを30秒で確認

  • 正式名称:Graduate Record Examinations
  • 実施:ETS
  • 主な用途:大学院、ビジネススクール、法科大学院などへの出願
  • General Test:Verbal、Quantitative、Analytical Writing
  • 総試験時間:約1時間58分
  • Analytical Writing:1題・30分
  • Verbal:27問・41分
  • Quantitative:27問・47分
  • Verbalスコア:130~170
  • Quantitativeスコア:130~170
  • Writingスコア:0~6
  • 2026年10月のGeneral Test受験料:US$249
  • 結果:約8~10日後
  • 有効期間:5年
  • 再受験:21日に1回、連続365日で最大5回
  • 受験方式:テストセンター/Home Edition

GREとは

GREは、特定分野の専門知識だけを測る試験ではありません。大学院で必要となる、文章を分析する力、複雑な情報から結論を導く力、数量情報を解釈する力、自分の主張を論理的に文章化する力を評価します。

そのため、TOEFLやIELTSのような「英語力試験」とは役割が異なります。英語を母語とする受験者もGREを受験します。

GREはTOEFL・IELTSの代わりではありません。

海外大学院出願では、GREで大学院進学適性、TOEFL・IELTSで英語運用力をそれぞれ提出する場合があります。必要な試験は大学・プログラムごとに確認してください。

2023年9月22日からGRE General Testは短縮

現行GRE General Testは、旧形式の約3時間45分から大幅に短縮され、約1時間58分になりました。

項目 旧形式 現行形式
Analytical Writing Issue+Argumentの2題・計60分 Analyze an Issue 1題・30分
Verbal 20問×2セクション 12問+15問
Quantitative 20問×2セクション 12問+15問
Unscored / Research 入る場合あり 廃止
総試験時間 約3時間45分 約1時間58分
休憩 途中休憩あり 原則なし

旧GRE教材を使う場合は「問題内容」と「本番形式」を分けて考えましょう。

語彙・数学・読解の基礎問題には使えても、模試や時間配分は現行の短縮版GREに合わせる必要があります。

GRE General Testの試験構成

セクション 問題数 時間 スコア
Analytical Writing Analyze an Issue 1題 30分 0~6、0.5刻み
Verbal Reasoning Section 1 12問 18分 130~170、1点刻み
Verbal Reasoning Section 2 15問 23分
Quantitative Reasoning Section 1 12問 21分 130~170、1点刻み
Quantitative Reasoning Section 2 15問 26分

Analytical Writingは必ず最初に出題されます。その後、VerbalとQuantitativeの各セクションが続きます。

Verbal Reasoning|27問・41分

Verbal Reasoningは、単純な英単語力だけでなく、文章を分析し、筆者の意図・前提・論理関係を理解する力を測ります。

問題タイプ 内容
Reading Comprehension 文章を読み、主旨・推論・論理・根拠を判断
Text Completion 1~複数の空欄に最適な語句を選択
Sentence Equivalence 文全体の意味が同等になる2つの語を選択

GRE Verbalが難しい最大の理由の一つは、語彙レベルの高さです。ただし、難単語を大量に暗記するだけでは十分ではありません。文章中の論理、対比、因果、筆者の立場を理解して選択肢を絞る必要があります。

Verbalはセクションレベル・アダプティブ

GRE General TestのVerbalは、最初のセクションの出来に応じて2つ目のセクションの難易度が変わるsection-level adaptive方式です。

一問ごとに難易度が変わる方式ではありません。同じセクション内では問題を飛ばしたり、戻って答えを変更したりできます。

Quantitative Reasoning|27問・47分

Quantitative Reasoningでは、算術、代数、幾何、データ分析などの基本的な数学を使って問題解決力を測ります。

高度な大学数学を問う試験ではありませんが、英語で書かれた条件を素早く読み、適切な数式・モデルへ変換する必要があります。

分野 主な内容
Arithmetic 整数、分数、比率、割合、指数など
Algebra 式、方程式、不等式、関数
Geometry 線、角、三角形、四角形、円、座標など
Data Analysis 平均、中央値、確率、表・グラフ、統計

Quantitativeにはオンスクリーン計算機があります。ただし、すべての問題で計算機を使うと遅くなることもあるため、暗算・式変形・概算と使い分けます。

Quantitativeもセクションレベル・アダプティブ

Verbalと同様に、最初のQuantitativeセクションの結果によって、2つ目のセクションの難易度が調整されます。

第1セクションの正確性は重要ですが、一問のミスだけで全スコアが決まるわけではありません。

焦って簡単な問題を落とすより、セクション全体で安定した正答率を維持することが重要です。

Analytical Writing|30分・1題

現行のAnalytical Writingは、Analyze an Issueの1題だけです。旧形式のAnalyze an ArgumentはGRE General Testから削除されています。

提示された一般的なテーマについて、自分の立場を明確にし、理由や具体例を使って論理的に論じます。

評価される力 内容
Critical Thinking 問題の複雑さを理解し、立場を形成できるか
Development 理由・例で主張を十分に支えられるか
Organization 一貫した論理構成になっているか
Language Control 標準的な英語で明確に表現できるか

0~6点を0.5点刻みで評価します。ETSは全Issue Topic Poolを公開しているため、公式課題を使って練習できます。

GREのスコア

Verbal Reasoning 130~170、1点刻み
Quantitative Reasoning 130~170、1点刻み
Analytical Writing 0~6、0.5点刻み
合格点 なし
合格率 なし

GREは合否制ではありません。大学院・プログラムが独自に必要スコア、推奨スコア、参考値を設定します。

「Verbal 160ならトップ大学院に合格」「Quant 165ならMBA合格」といった一律の基準はありません。

同じ大学でも専攻によって重視するセクションが異なります。工学・経済系ではQuantitativeを重視する場合があり、人文・社会科学ではVerbalやWritingが重要になる場合があります。

2026年のGRE General Test受験料

ETSは2026年8月1日にGRE料金を改定しました。日本を含む中国・インド以外の地域では、General Testの受験料はUS$249です。

項目 2026年8月1日以降
日程変更 US$55
テストセンター変更 US$55
追加Score Report 1機関US$40
Writing Score Review US$60
Score Reinstatement US$50

GREの日程|General Testは通年型

GRE General TestはSATのように全世界共通の数日だけで実施される試験ではありません。テストセンターの日程から、空席のある受験日を選びます。

ETS公式のScheduleページで、市・郵便番号を入力すると利用可能な会場・日程を検索できます。

Home Editionも受験可能

GRE General Testは、自宅から受けるGRE General Test at Homeにも対応しています。通常GREが利用可能な国・地域で提供され、日本からも選択できます。

比較 テストセンター Home Edition
場所 認定テストセンター 自宅など安全な個室
PC 会場設備 自分のWindows / Mac等の対応PC
監督 会場監督 オンラインの人間の監督官
試験内容 同じ 同じ
利用時間 会場日程 24時間・週7日で利用可能

Home Editionでは、部屋、机、カメラ、マイク、PC環境など細かな要件があります。試験前にETS Secure BrowserとEquipment Checkを必ず確認します。

再受験は21日に1回・年間最大5回

GRE General Testは、21日に1回再受験できます。ただし、連続する365日間で最大5回までです。

以前の試験でスコアをキャンセルしていても、この受験回数制限に含まれます。

スコアは8~10日後・有効期間5年

公式スコアは通常、受験日から8~10日後にETSアカウントで確認できます。

GREスコアは、受験日から5年間送付可能です。

GREの「5年」はSATと違い、ETSが明確にスコア報告可能期間として定めています。

出願先がさらに短い取得時期を指定している場合は、大学側の条件を優先してください。

ScoreSelectとは

GREにはScoreSelectという仕組みがあります。複数回受験した場合、過去5年間のGREから、どのスコアを大学等へ送るか選択できます。

試験当日は受験料に含まれる形で最大4機関を指定できます。後日追加送付する場合は、1機関あたりUS$40です。

送付方法 概要
Most Recent 直近の受験スコアを送る
All 過去5年間の全GREスコアを送る
後日ScoreSelect 過去5年間から送る受験回を選択可能

受取機関には、受験者が送付対象として選んだスコアだけが表示され、別のGRE受験歴があることを示す特別な注記は付きません。

GREの難易度

日本人受験者にとって、GREは特にVerbal Reasoningが難しく感じられやすい試験です。英語を母語とする受験者も対象にしているため、TOEFLとは語彙・論理読解の性格が異なります。

分野 難しい理由 対策
Verbal語彙 日常では使いにくい高難度語彙も出る 語源・同義語・文脈をセットで覚える
Reading 抽象度の高い文章・論理を短時間で読む 主張・対比・因果を意識
Quantitative 数学自体より英語条件と時間管理が難しい 英語数学語彙+公式演習
Writing 30分で論点を整理し英語化 Issue Topic Poolで反復
Adaptive 第1セクションの出来が次セクションに影響 序盤から精度を維持

勉強時間の目安

ETSは目標スコアまでの必要学習時間を公式固定値として公表していません。以下は当サイトの目安です。

現在の状態 目標 学習時間の目安
英語・数学基礎あり、GRE初受験 Verbal/Quant 150前後 150~250時間
TOEFL等経験あり、Verbalに課題 Verbal 155~160 200~400時間
数学が得意 Quant 165以上 100~250時間
上位大学院向けに全体高スコア V160前後+Q165以上等 300~500時間以上

必要時間は専攻と目標スコアによって大きく異なります。理工系でQuantitativeを高く求められる場合と、人文系でVerbal・Writingを重視される場合では学習配分が変わります。

GREの具体的な勉強方法

STEP1 POWERPREPで現在地を測る

まずETS公式POWERPREPで模試を受け、Verbal・Quantitativeの弱点を確認します。旧3時間45分形式ではなく、現行短縮版に対応した公式模試を使います。

STEP2 Verbal語彙を文脈で覚える

GRE専用語彙は、英単語→日本語訳だけで覚えるより、同義語・反義語・例文・語源を関連付けて覚えます。

STEP3 Readingは論理構造を取る

全文和訳ではなく、「筆者の主張」「対立意見」「理由」「具体例」「結論」を素早く整理します。

STEP4 Quantは公式Math Reviewを使う

日本人受験者は数学自体を理解していても、英語の問題表現で失点することがあります。ETSのMath Reviewで、出題範囲と英語表現を同時に確認します。

STEP5 Issue Essayを30分で書く

ETSはIssue Topic Poolを公開しています。毎回、立場→理由→具体例→反論への対応→結論という流れを30分以内で構成します。

STEP6 短縮版の時間配分に慣れる

Verbalは18分12問+23分15問、Quantitativeは21分12問+26分15問です。旧形式の「1セクション30~35分」という感覚で練習しないよう注意します。

3か月学習スケジュール例

期間 学習内容 目標
1~2週 POWERPREP・弱点診断 現在地を把握
3~4週 Verbal語彙・Quant基礎 基礎問題を安定
5~6週 Reading・Text Completion・Quant応用 問題タイプ別正答率向上
7~8週 Issue Essay・時間制限演習 30分で完成
9~10週 セクション別模試 短縮版時間配分を固定
11~12週 POWERPREP・弱点最終補強 目標スコア帯を安定

スコアが伸びない原因

失敗 原因 改善
旧GRE形式で模試を解く 現行時間配分と違う 2023年9月以降形式へ変更
Argument Essayを重点対策 現行General Testでは出題されない Issue Taskへ集中
単語帳だけ暗記 文脈・論理で使えない 例文とReadingで定着
Quantを簡単と決めつける 時間・英語条件で失点 公式問題を時間内で解く
総合点だけ目標にする 専攻ごとの重視分野とずれる 志望プログラムのセクション別傾向を確認

GRE Subject Testsとは

GREにはGeneral Testとは別に、特定分野の大学学部レベルの知識を測るGRE Subject Testsがあります。

2026年時点の科目は次の3つです。

科目 問題数の目安 主な対象
Mathematics 約66問 数学専攻・関連大学院
Physics 約70問 物理専攻・関連大学院
Psychology 約144問 心理学専攻・関連大学院

旧記事ではSubject Testsを「ペーパーベースのみ」と説明していましたが、現在はcomputer-deliveredです。

2026–2027年 GRE Subject Tests日程

実施期間
2026年9月14日~9月27日
2027年4月19日~5月2日

Subject Testは14日に1回受験できます。2026年8月1日以降の受験料は世界共通US$199です。

GREとGMATの違い

比較 GRE GMAT
主な用途 幅広い大学院、ビジネス、法科大学院 主にMBA・ビジネススクール
言語 高難度語彙・読解 Critical Reasoning等
数学 Quantitative Reasoning Quantitative+Data Insights
Writing Analytical Writingあり 現行GMATでは独立AWAなし
向いている人 MBA以外の大学院も検討 ビジネススクール中心

MBAなら必ずGMAT、とは限りません。

GREを受け付けるビジネススクールもあります。どちらを提出できるか、学校側がスコアをどう扱うかは志望校の最新Admissionページで確認してください。

GREを活用できる場面

用途 例
大学院 修士・博士課程への出願
ビジネススクール MBA等でGREを受理するプログラム
法科大学院 GREを認めるプログラム
フェローシップ 一部制度でスコア提出

ただし、GREをrequire、optional、not acceptedのどれにするかはプログラムによって異なります。「海外大学院なら必ずGREが必要」とは限りません。

GREに向いている人

タイプ おすすめ度 理由
MBAと他大学院を併願 高い 幅広い大学院へ使いやすい
数学に強みがある 高い Quantitativeで強みを示せる場合がある
英語資格だけ欲しい 低い GREは英語試験ではない
国内就職用資格を探す 低い 主用途は大学院出願

2026年時点の重要変更まとめ

項目 現状
General Test時間 約1時間58分
Writing Analyze an Issue 1題のみ
Verbal 12問+15問
Quantitative 12問+15問
General Test受験料 US$249(2026年8月1日以降)
Subject Test受験料 US$199(2026年8月1日以降)
スコア有効期間 5年
Home Edition 提供地域で利用可能

GREのFAQ

GREは何点満点ですか?

総合点1つで満点を示す試験ではありません。VerbalとQuantitativeは各130~170点、Analytical Writingは0~6点です。

GREに合格・不合格はありますか?

ありません。必要スコアは大学院・プログラムごとに異なります。

現在の試験時間は?

約1時間58分です。2023年9月22日以前の約3時間45分形式から短縮されています。

Argument Essayはまだ出ますか?

現行General Testでは出ません。Analytical WritingはAnalyze an Issue 1題・30分です。

受験料はいくらですか?

2026年8月1日以降、日本を含む多くの地域ではGRE General TestはUS$249です。

何回受けられますか?

21日に1回、連続する365日間で最大5回です。

スコアはいつ出ますか?

通常、受験から8~10日後です。

GREスコアの有効期限は?

受験日から5年間です。

自宅で受けられますか?

はい。日本を含む通常提供地域ではGRE General Test at Homeを利用できます。PC・部屋・カメラ等の要件を満たす必要があります。

独学できますか?

可能です。ETSのPOWERPREP、Official Guide、Math Review、Issue Topic Poolを中心に学習できます。高いVerbal・Writingスコアが必要な場合は添削や英文読解指導を加えると効率的です。

GREのまとめ

GRE General Testは、大学院・ビジネススクール・法科大学院などへの出願で利用される標準化試験です。2026年時点の現行形式は約1時間58分で、Analytical WritingはIssue 1題30分、Verbalは12問+15問、Quantitativeも12問+15問です。旧形式のArgument Taskや各20問×2セクションは現在の本番には当てはまりません。Verbal・Quantitativeは各130~170点、Writingは0~6点で、合否はありません。2026年8月1日以降のGeneral Test受験料はUS$249、スコアは8~10日後に発表され、5年間有効です。ScoreSelectを使えば過去5年間の受験回から送るスコアを選択できます。対策では旧形式の教材だけに頼らず、ETS公式POWERPREPを使って短縮版の時間配分とセクションレベル・アダプティブ形式に慣れることが重要です。

情報確認:2026年10月
主な確認先:ETS「GRE General Test Structure」「GRE General Test Fees」「Schedule Your GRE General Test」「GRE General Test Scoring & Reporting」「Taking the GRE General Test at Home」「GRE Subject Tests」。
公式情報:
GRE General Test Structure /
GRE General Test Fees /
GRE General Test Schedule /
GRE Scores / ScoreSelect /
GRE at Home /
GRE Subject Tests

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