ITコーディネータ(ITC)は、企業や組織の経営課題を整理し、デジタル技術を活用して経営変革を支援する人材を認定する民間資格です。単なるIT技術者資格ではなく、経営とITの橋渡しを行い、デジタル経営を実現するためのプロセスを実践できることを重視しています。
資格を取得するには、ITコーディネータ試験への合格とケース研修の受講・修了の両方が必要です。そのうえで、認定登録料22,000円を支払い、ITコーディネータ協会の認定を受けて初めて「ITコーディネータ」と名乗ることができます。
2026年現在は、ITコーディネータプロセスガイドライン(PGL)Ver.4.0が試験・ケース研修の中心となっています。一般コースは100問・120分、専門スキルコースは60問・80分で、いずれもCBT方式です。
ITコーディネータを30秒で確認
- 資格名:ITコーディネータ(ITC)
- 認定:特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
- 資格区分:民間資格
- 取得条件:ITC試験合格+ケース研修修了+認定登録
- 一般コース:100問・120分・19,800円
- 専門スキルコース:60問・80分・9,900円
- 試験方式:CBT
- ケース研修:2026年度受講料220,000円
- 認定登録料:22,000円
- 2026年度第1期試験:2026年7月23日~9月7日
- 2026年度第2期試験:2027年1月21日~3月8日
- 合格基準:非公表
- 更新:毎年4~5月
- 更新要件:実践力ポイント10ポイント以上+更新手続き等
- 更新料:22,000円
| 資格名 | ITコーディネータ(ITC) |
|---|---|
| 認定団体 | 特定非営利活動法人ITコーディネータ協会 |
| 試験方式 | CBT |
| 取得条件 | ITC試験合格+ケース研修修了+認定申請 |
| 認定登録料 | 22,000円(税込) |
| 資格更新 | 毎年 |
| 主な対象 | ITコンサル、DX推進、経営企画、情報システム、中小企業支援、ITベンダーなど |
ITコーディネータとは
ITコーディネータは、IT導入そのものを目的にするのではなく、企業の経営課題や成長戦略を起点に、デジタル技術を使って経営成果につなげる役割を担います。
経営者へのヒアリング、現状分析、経営戦略の整理、IT戦略の立案、システム導入、定着化、効果検証までを一連のプロセスとして支援するのが特徴です。
ITCは「技術資格」だけではありません。
プログラミングやネットワーク構築の技能そのものより、経営課題を整理し、ITをどう活用して価値を生み出すかを考える資格です。
資格取得までの流れ
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | ITC+メンバーIDを取得 |
| 2 | ITコーディネータ試験を受験・合格 |
| 3 | ケース研修を受講・修了 |
| 4 | 資格認定申請 |
| 5 | 認定登録料22,000円を支払う |
| 6 | 認定後、正式にITコーディネータとして登録 |
試験とケース研修は、どちらを先に受けても構いません。ただし、いずれか先にクリアした年度を基準として、4年度以内にもう一方の条件を満たし、認定申請まで完了する必要があります。
ITコーディネータ試験
試験は一般コースと専門スキルコースに分かれています。
一般コース
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 制限なし |
| 試験形式 | 多肢選択式 |
| 問題数 | 100問 |
| 基本問題 | 40問 |
| 応用問題 | 60問 |
| 試験時間 | 120分 |
| 受験料 | 19,800円(税込) |
専門スキルコース
協会が指定する資格を保有する人向けのコースです。一部の専門領域が免除され、一般コースより問題数・試験時間・受験料が少なく設定されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 協会指定資格の保有者 |
| 試験形式 | 多肢選択式 |
| 問題数 | 60問 |
| 基本問題 | 40問 |
| 応用問題 | 20問 |
| 試験時間 | 80分 |
| 受験料 | 9,900円(税込) |
2026年度の試験日程
| 回 | 予約期間 | 実施期間 |
|---|---|---|
| 第57回・2026年度第1期 | 2026年7月16日~9月3日 | 2026年7月23日~9月7日 |
| 第58回・2026年度第2期 | 2027年1月14日~3月4日 | 2027年1月21日~3月8日 |
各試験期間中に受験できるのは1回のみです。欠席した場合も1回として扱われるため、予約日時には注意が必要です。
試験はどこで受ける?
ITコーディネータ試験はCBT方式で、CBTソリューションズが運営する全国約350か所のテストセンターから会場を選びます。
受験者は試験実施期間内の希望日時・会場を予約して受験できます。紙の一斉試験ではありません。
出題内容
2026年の試験では、ITコーディネータプロセスガイドライン(PGL)Ver.4.0が中心です。
| 区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 基本問題 | PGL Ver.4.0に記載されたITCとしての専門知識 |
| 応用問題 | 現場のケースを前提にした応用力・判断力 |
| デジタル経営成長サイクル | 経営変革・価値創出のサイクル |
| 価値実現サイクル | IT・デジタル施策を成果へつなげるプロセス |
| デジタル経営共通基盤 | 組織、ガバナンス、データ、IT基盤等 |
試験は暗記だけではなく応用判断が重視されます。
一般コースでは100問中60問が応用問題です。PGLの文言を覚えるだけでなく、現場ケースでどう判断するかを理解する必要があります。
合格基準・合格率
ITコーディネータ協会は、試験問題、模範解答、個別点数、合格基準を公表していません。
公式な合格基準・合格率は公表されていません。
ネット上の「正答率○%で合格」「合格率○%」といった数字を公式情報として扱うことはできません。本記事でも推定値は掲載しません。
試験終了時には、合否結果と分野別正答率が記載された受験記録が渡されます。個別の総合点は公表されません。
ケース研修とは
ケース研修は、ITコーディネータ資格認定に必須の研修です。仮想企業を題材に、PGL Ver.4.0で定義されるデジタル経営プロセスを使って、経営課題の整理からIT・デジタル活用までを疑似体験します。
2026年度は集合、オンライン、集合+オンライン併用など複数形式があり、全国各地で開催されています。
2026年度第2期ケース研修
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 募集開始 | 2026年9月10日 |
| 募集終了予定 | 2027年1月31日 |
| 開催期間 | 2026年10月31日~2027年3月20日予定 |
| 受講料 | 220,000円(税込) |
| 開催形式 | 集合、オンライン、併用 |
ケース研修は経済産業省「第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)」、厚生労働省「専門実践教育訓練給付金」の対象講座として案内されています。一定の条件を満たす場合、給付の対象になる可能性があります。
資格認定に必要な費用
| 項目 | 一般コースの場合 |
|---|---|
| ITC試験 | 19,800円 |
| ケース研修 | 220,000円 |
| 認定登録料 | 22,000円 |
| 合計 | 261,800円 |
上記は2026年度の代表的な金額で、交通費・教材追加費・再受験・資格更新費などは含みません。専門スキルコースを利用できる場合は試験料が9,900円になります。
ITコーディネータの難易度
ITCは、試験だけを見れば高度なプログラミング技術を問う資格ではありません。しかし、経営・IT・組織・プロジェクト・ガバナンスを横断して判断する必要があります。
| 難しいポイント | 理由 | 対策 |
|---|---|---|
| PGL理解 | 独自用語・プロセスが多い | 全体構造を図で整理する |
| 応用問題 | 一般コースの60問がケース判断型 | 事例問題で優先順位を練習する |
| 経営知識 | ITだけでは対応できない | 戦略・業務・財務の基本を補強 |
| ケース研修 | グループワーク・実践が中心 | 受け身ではなく議論へ参加する |
| 資格維持 | 毎年更新が必要 | ポイント取得計画を年間で立てる |
勉強時間
ITコーディネータ協会は、試験合格に必要な標準学習時間を公表していません。以下は当サイトの目安です。
| 受験者タイプ | 当サイトの学習時間目安 |
|---|---|
| 経営・ITとも未経験 | 180~250時間 |
| IT実務経験あり | 120~180時間 |
| ITコンサル・DX支援経験あり | 80~140時間 |
| 専門スキルコース対象者 | 70~120時間 |
これとは別に、ケース研修へ参加する時間も必要です。
勉強方法
1. PGL Ver.4.0の全体像を最初に理解する
用語を個別に暗記する前に、デジタル経営成長サイクル、価値実現サイクル、共通基盤の関係を整理します。
2. 基本問題で用語を固める
プロセス、役割、成果物などを正確に理解します。
3. 応用問題を重点的に解く
一般コースでは応用問題が60問あるため、「何を最初に確認するか」「誰と合意形成するか」といった実務判断を練習します。
4. 経営者視点を持つ
ITの性能や機能だけでなく、経営課題、顧客価値、投資効果、組織変革まで考えます。
5. ケース研修と試験学習をつなげる
研修で経験した意思決定や議論をPGLのプロセスへ戻して整理すると、試験理解も深まります。
3か月の学習スケジュール例
| 期間 | 内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 1か月目 | PGL全体+基本問題 | 用語とプロセスを理解 |
| 2か月目 | 応用問題 | ケース判断に慣れる |
| 3か月目 | 総合演習 | 120分で100問を解くペースを作る |
不合格になりやすい原因
| 失敗 | 原因 | 改善 |
|---|---|---|
| PGLを丸暗記 | 応用問題で判断できない | プロセスの目的を理解する |
| IT知識だけで解く | 経営・組織視点が不足 | 経営成果から逆算する |
| 基本問題だけ対策 | 一般コースは応用問題が60問 | ケース問題を重点演習 |
| 認定期限を忘れる | 4年度以内に条件を揃えられない | 試験・研修・申請を一体で管理 |
| 更新ポイントを後回し | 毎年の更新に間に合わない | 年度初めから計画する |
取得するメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 経営とITを横断 | DXを経営成果へつなげる考え方を学べる |
| 中小企業支援と相性 | 経営課題からIT導入まで支援しやすい |
| ITコンサルの基礎 | ヒアリング、分析、戦略、実行支援を体系化できる |
| 社内DX推進 | 経営・事業部門・IT部門の橋渡しに活かせる |
| ケース研修で実践 | 講義だけでなく疑似案件で判断を経験できる |
ITCを取れば自動的にDXコンサルタントになれるわけではありません。
実務では業界知識、経営分析、IT知識、提案力、ファシリテーション、プロジェクト推進力なども必要です。
活かせる仕事
| 仕事 | 活かせる内容 |
|---|---|
| ITコンサルタント | 経営課題からIT戦略・導入までの支援 |
| DX推進 | 業務変革、デジタル戦略、定着化 |
| 情報システム部門 | 経営とITの橋渡し、企画・投資評価 |
| 経営企画 | デジタル施策の立案・実行 |
| 中小企業支援 | IT導入、補助金活用、業務改善支援 |
| ITベンダー営業 | 顧客課題起点の提案 |
関連資格との比較
| 資格 | 中心分野 | 違い |
|---|---|---|
| ITコーディネータ | 経営×IT・DX推進 | 経営課題からデジタル活用までを横断 |
| 中小企業診断士 | 経営全般 | IT以外も含む企業経営全般を扱う |
| PMP | プロジェクト管理 | プロジェクト実行・管理に特化 |
| 情報処理技術者 | IT知識・技術 | IT技術・管理・戦略を国家試験で評価 |
中小企業診断士+ITコーディネータは相性のよい組み合わせです。
診断士で経営全般、ITCでデジタル経営・IT活用を補完できるため、中小企業のDX支援では知識をつなげやすくなります。
資格取得後の更新制度
ITコーディネータ資格は毎年更新が必要です。更新手続きは毎年4~5月に行われます。
2026年度の更新要件では、前年度の実践力ポイント10ポイント以上が必須で、更新料は22,000円です。
| 項目 | 2026年度 |
|---|---|
| 更新申請期間 | 2026年4月1日~5月31日 |
| 必要ポイント | 10ポイント以上 |
| 更新料 | 22,000円(税込) |
| その他 | 実務活動アンケートへの回答 |
認定後3回目の更新までにフォローアップ研修が必要
資格認定後、3回目の資格更新までにフォローアップ研修を3講座受講する必要があります。3講座のうち2講座は集合型研修で、双方向型Webライブ研修も集合型として扱われます。
2026年度の協会主催フォローアップ研修は、開催時期によりITC向け受講料が29,700円、33,000円、36,300円に設定されています。
2026~2027年の重要ポイント
PGL Ver.4.0対応
2025年度からPGL Ver.4.0対応のケース研修が始まり、2026年度も同バージョンに基づく試験・研修が中心です。
2026年度第2期ケース研修は22万円
2026年10月31日から2027年3月20日までの期間で開催され、受講料は220,000円です。
2027年1月から第58回試験
2026年度第2期試験は2027年1月21日~3月8日に実施予定です。
FAQ
IT未経験でも受験できますか?
一般コースは受験資格に制限がないため受験できます。ただし、経営・IT双方の知識が必要です。
ケース研修を受けずに資格取得できますか?
できません。試験合格とケース研修修了の両方が認定条件です。
試験とケース研修はどちらを先に受けてもいいですか?
はい。ただし、先にクリアした年度を基準として4年度以内にもう一方の条件と認定申請を完了する必要があります。
合格点は何点ですか?
公式な合格基準は公表されていません。
合格率はどのくらいですか?
公式な合格率は公表されていません。
試験はCBTですか?
はい。全国のCBTテストセンターで受験します。
資格は一度取れば永久ですか?
いいえ。毎年4~5月に資格更新手続きが必要です。
更新には何が必要ですか?
2026年度は前年度10ポイント以上、更新料22,000円、実務活動アンケート回答等が必要です。
ケース研修はいくらですか?
2026年度第2期は220,000円(税込)です。
中小企業診断士とどちらがおすすめですか?
経営全般を広く学ぶなら中小企業診断士、経営とIT・DXの橋渡しを重点的に学ぶならITコーディネータが向いています。
ITコーディネータ資格認定制度のまとめ
ITコーディネータは、経営課題とIT・デジタル技術を結び付け、企業のデジタル経営を支援する民間資格です。資格取得にはITC試験合格とケース研修修了の両方が必要で、認定登録料22,000円を支払って正式認定を受けます。2026年の一般コースは100問・120分・19,800円、専門スキルコースは60問・80分・9,900円、ケース研修は220,000円です。試験の合格基準・合格率は非公表です。資格取得後も毎年更新が必要で、2026年度は10ポイント以上と更新料22,000円等が要件です。
情報確認:2026年10月
主な確認先:ITコーディネータ協会「ITコーディネータ試験」「ケース研修」「ITコーディネータをめざす方へ」「資格の認定」「2026年度ITC資格更新のご案内」「資格を維持するには?」。
公式情報:ITコーディネータ資格取得サイト
