犬の心身ケアを安全かつ正しく行うための技術と知識を身につけたことを証明する、民間認定資格です。
老犬ケア・ストレス軽減・血行促進などを目的としたドッグマッサージの実技と理論を体系的に学ぶことができます。
資格の目的と特徴
- 犬のためのマッサージ技術(スウェーデン式・リンパケアなど)を体系的に学べる
- ストレス、老化、慢性的なこり・不調に対するケア技術を習得
- 飼い主との関係性を深めるコミュニケーション技術の一環としても活用できる
- 実技指導も含まれた実践重視のカリキュラムが特徴
目次
受験資格と難易度
受験資格
制限は一切なし
- 年齢・性別・学歴・職歴すべて不問
- 犬の飼育経験や業界経験も不要
- 誰でもチャレンジできる「初学者向け」の民間資格です
こんな人が受験しています
- 愛犬のためにマッサージ技術を学びたい一般飼い主
- ペットサロン勤務のスタッフやトリマーの方
- 高齢犬のケアや介護に携わる方
- セラピストとして独立を目指す方
難易度の目安
項目 | 内容 |
---|---|
難易度 | ★★☆☆☆(比較的やさしい) |
合格率 | 約80〜90%(受講修了者の多くが合格) |
学習時間 | 目安:1日30分 × 2〜3か月(個人差あり) |
出題形式 | 学科(選択式・記述)+実技(マッサージ手技の理解と実践) |
試験内容
通信講座修了後に検定試験を受ける形となり、合格すれば「ドッグセラピスト認定証」が授与されます。
学科試験の内容
試験形式
- 選択式(○×/多肢)+一部記述式
- 試験時間:約60分(目安)
- 自宅受験または提携会場で実施
出題範囲(主な内容)
分野 | 内容例 |
---|---|
犬の身体構造 | 骨格、筋肉、リンパの流れ、経絡の位置など |
生理・行動学 | 犬のストレス反応、リラックスサイン、触れ方の注意点 |
マッサージ理論 | スウェーデン式・リンパケアの基本理論、目的と効果 |
健康管理 | 犬の皮膚や被毛のトラブル、体調の変化に気づく力 |
安全と衛生 | 施術時の注意点、感染予防、飼い主とのコミュニケーション |
法令・倫理 | 動物愛護法、動物取扱業の基礎知識など |
実技試験の内容
試験形式
- DVDや実技動画で学んだマッサージ手技を、モデル犬(自宅の愛犬など)で実演し、動画やチェックシートで評価を提出(通信形式)
- 一部スクーリング(通学)による実技審査も選択可能な講座あり
評価される主なポイント
項目 | 評価内容 |
---|---|
アプローチの仕方 | 犬への声かけ・触れ方・安心させる工夫 |
手技の正確性 | 手の置き方・圧の加減・ストロークの滑らかさ |
技術の順序性 | マッサージの流れ(頭→背中→脚など)がスムーズか |
犬の反応への配慮 | 嫌がる様子がないか、状態を見て対応を変えているか |
衛生と安全 | 清潔な手・器具、無理な姿勢になっていないか |
実技に含まれる手技例
- リンパドレナージュ(首・肩・前肢)
- 背中・腰の血行促進マッサージ
- 後肢・肉球ケア・尻尾の根元の調整
- 深呼吸マッサージ(リラクゼーション目的)
合格基準
- 学科・実技ともに総合評価で合格(基準点は非公開)
- 合格後、JCSAより「ドッグセラピスト資格認定証」が発行されます
- 不合格の場合も、再提出・再受験制度あり(有料/回数制限あり)
試験対策
学科試験対策
1. 出題範囲を絞って効率的に学習
学科では以下の内容がよく出題されます:
- 犬の骨格と筋肉の名称・位置
- リンパの流れとその役割
- 犬のストレスサインとリラックス状態の見分け方
- マッサージによる効果(血行促進、痛みの緩和など)
- マッサージの禁忌(熱がある、骨折が疑われるなど)
- 施術時の衛生管理と安全対策
まずは公式テキストの該当ページにマーカーを引き、分野別に覚える項目をまとめるノート作りがおすすめです。
2. 用語暗記は図とセットで
- 解剖学的な部位名(大腿四頭筋、僧帽筋、リンパ節など)は図と一緒に覚えると理解が早まります
- テキスト付属のイラストや解説DVDを活用し、「位置+機能」をイメージで記憶
3. 模擬問題で仕上げ確認
- 通信講座では添削問題や模擬問題が付属
- 出題形式に慣れるために、制限時間を設定して解く練習が効果的
- 間違えた問題は「なぜ間違えたか」を振り返り、再度テキストを確認
実技試験対策
1. 正確さより「やさしさと順序」を意識
- マッサージの力加減・手の動かし方は「やさしく」「ゆっくり」「リズムよく」
- 決まった順序(例:首→背中→後ろ足)を守ることが評価対象
- 犬が緊張しないように、話しかけながら落ち着いた雰囲気で施術
2. 鏡や動画を使って手技を確認
- 自分の手の動きを動画に撮って客観的に見返すと、圧の強さや手の位置のズレに気づけます
- テキストやDVDと見比べて、「同じ動きになっているか」チェック
3. 犬の反応を観察しながら練習
- モデル犬(自宅の愛犬など)の呼吸、しっぽ、耳の動きなどから快・不快を読み取る練習をする
- 嫌がる部位には無理に触れず、少し離れた場所からアプローチ
- 犬が落ち着く場所・時間帯を選び、毎回同じ流れで練習すると効果的
取得後に出来ること
1. 愛犬への健康ケアに活かせる
- 自宅での日常的なボディケア(筋肉ほぐし・リンパ流し)が可能
- シニア犬やストレスを抱える犬に、家庭内で穏やかなケアができる
- 「病気ではないけど元気がない」といったグレーな不調のケアに効果的
2. ペット業界での+αスキルに
- トリマー、トレーナー、動物看護師などの本業にプラスできる専門技術として評価
- ペットサロンでの「ドッグマッサージコース」など、新サービスの展開に貢献
- 動物病院のケアスタッフとして補助的な役割を果たすことも可能
3. セミナー・講座活動に活かせる
- 飼い主向けの「ドッグマッサージ体験講座」を開催
- 地域イベントやペットイベントでのワークショップ講師として活動
- ペット介護予防教室、シニア犬ケア講座などで知識の提供者に
4. 訪問型サービス・副業として活用
- お客様の自宅に訪問し、マッサージ施術を行う個人サービスを提供
- トリミング訪問と合わせたケア付き出張型サービスに展開可能
- 自宅サロンや小規模サロンの開業サポートスキルとして活かせる
5. 資格としての信頼性を示せる
- 履歴書・名刺・ホームページなどに「JCSA公認ドッグセラピスト」と明記可能
- 顧客や勤務先への技術の裏付けとしての信頼性が高まる
- 同協会の他の資格(トリマー、動物看護など)との組み合わせ取得も可能
活用シーンの例
分野 | 活動例 |
---|---|
ペットサロン | ドッグマッサージメニュー追加、オプション提案 |
動物病院 | リハビリ補助・ケア指導補助 |
ペット介護 | 高齢犬へのリラクゼーション、関節・筋肉ケア |
教室・講座 | マッサージ講習会、飼い主向けセミナー開催 |
副業・開業 | 訪問マッサージ、個人サロン運営のスキルアップ |
注意点
- 獣医師ではないため、治療行為(診断・処方など)はできません
- サービス提供時は、必要に応じて「動物取扱業(保管)」の登録が必要になる場合があります(自治体による)
その他資格一覧
準備中