プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー

プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー(PCC)資格は、一般財団法人職業技能振興会が認定する民間資格で、キャリアカウンセリングの基本知識と技術を持つ人材であることを示す資格です。

「働く人の相談支援」「キャリア設計」「職業能力開発」などに対応する、実務型のキャリア支援資格です。

PCC資格の目的

  • 社会人のキャリア形成支援を担える人材の育成
  • キャリアカウンセリングの基礎理論・実務を体系的に学ぶ
  • 企業内・教育機関・公共職業支援などの場で活かせる支援スキルを身につける

主催
日本プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー協会

受験資格と難易度

受験資格

PCC資格は、学歴・職歴に関係なく、誰でも受講・受験が可能な民間資格です。
キャリア支援の初心者から、実務経験者のスキルアップ目的まで、幅広く対応しています。

受験に必要な条件

  • 一般財団法人職業技能振興会が認定する養成講座の修了
  • 講座は通学・通信どちらも可能(内容・期間は実施団体によって異なる)
  • 受講対象に年齢・学歴・経験制限はなく、社会人・学生・主婦など幅広く参加可能

難易度

PCC資格は、キャリアカウンセリングの基礎知識と実践力を評価する入門レベルの資格です。
一定の学習と実技練習を行えば、比較的高い確率で合格できます。

合格率の目安

試験区分 合格率の目安 難易度
筆記試験 約80〜90% やさしめ(基本理解が中心)
実技試験 約60〜70% 中程度(実践対応力が問われる)

試験内容

試験の全体構成

PCC資格試験は、キャリア支援に必要な基礎的知識と対話スキルを評価する内容で、次の2つの構成で実施されます。

  • 筆記試験(理論・知識の確認)
  • 実技試験(ロールプレイ・対応力の確認)

どちらも、認定講座のカリキュラムを修了後に受験します。

筆記試験の内容

筆記試験では、キャリア支援に関する理論・制度・カウンセリング手法の理解が問われます。

試験形式

  • 選択式(4択などのマークシート形式)
  • 記述式(短文での解答)
  • 試験時間:60分前後
  • 問題数:30〜40問程度(講座実施機関により異なる)

主な出題分野

  • キャリア理論
     スーパー(発達理論)、ホランド(職業興味)、シャイン(キャリア・アンカー)など

  • カウンセリング理論
     ロジャーズの来談者中心療法、認知行動療法、交流分析など

  • 支援技法とプロセス
     傾聴、質問、要約、フィードバック、共感的理解、目標設定など

  • 職業理解と雇用制度
     労働市場、雇用形態、履歴書・職務経歴書の指導ポイント

  • 倫理・姿勢
     守秘義務、境界線、相談者との信頼関係構築、自己理解

実技試験の内容

実技試験では、模擬面談を通して支援スキルの実践力を評価します。
講座で学んだ傾聴技法や支援姿勢を実際に活かす場面です。

試験形式

  • ロールプレイ方式(受験者がキャリア支援者役)
  • ケース(相談内容の概要)は事前提示または直前に配布
  • 所要時間:約10〜15分(面談+フィードバック含む)
  • 口頭質問が行われる場合もあり

評価されるポイント

  • 話の聴き方(受容・共感・傾聴姿勢)
  • 適切な問いかけ・整理力(問題の明確化)
  • 相談者の話を促す「沈黙」「間」の活用
  • 面談の流れづくりと目標設定の誘導
  • 表情・声のトーン・態度・信頼感の醸成

採点・合格基準

  • 筆記と実技それぞれに合格基準が設けられています
  • 明確な点数や基準は公開されていませんが、講座内での理解度と実技対応の基本が押さえられていれば合格可能です
  • 講座内の指導・フィードバックが試験に直結するため、授業への積極参加が重要です

試験対策

筆記試験対策

筆記試験では、キャリア理論・カウンセリング理論・支援技法の基礎知識が出題されます。

対策ポイント

  • 講座テキストを何度も読み返す
     → 特にキャリア理論(スーパー、ホランド、シャインなど)は頻出です。

  • 図や表でまとめて整理する
     → 理論やプロセスの比較表を自作すると理解が深まります。

  • 確認問題や小テストで繰り返しチェック
     → 出題傾向をつかむには演習が最も効果的です。

よく出るテーマ例

  • 来談者中心療法(ロジャーズ)
  • キャリア・アンカー(シャイン)
  • 傾聴スキル(受容、共感、要約、フィードバック)
  • 労働法・雇用形態・履歴書・面接指導のポイント

実技試験対策(ロールプレイ)

実技試験では、受講者がキャリア支援者となり、模擬相談を行います。
支援の基本スキル(傾聴・共感・質問)がどれだけ実践できるかが評価の軸です。

対策ポイント

  • 定期的にロールプレイ練習を行う(週1〜2回推奨)
     → 相手の話を聴く、受け止める練習が最も重要です。

  • 録音・録画して客観的に振り返る
     → 自分の口調・間・表情のくせを見直す材料になります。

  • ペア練習・グループ練習を活用
     → 観察者の視点からフィードバックを受けると理解が深まります。

実技のチェックポイント

評価項目 自己チェック例
傾聴姿勢 うなずき、あいづち、視線は適切か
共感的理解 相手の感情を言葉で受け止めているか
適切な質問 相手が話を続けやすくなる質問をしているか
話の整理・要約 相手の言葉を繰り返し・まとめて確認できているか
信頼感の醸成 表情・声・所作に安心感があるか

取得後に出来ること

キャリア支援の現場で即戦力として活動できる

PCCは、キャリアカウンセリングの基礎理論と実践スキルを備えた人材として認定される資格です。
取得後は、さまざまな相談支援の場面での「初任者」としての役割を担うことができます。

活躍できる主な分野

  • 一般企業(人事・人材開発・面談担当)
  • 就職支援施設(ジョブカフェ、再就職支援センターなど)
  • 教育機関(大学・専門学校のキャリアセンター等)
  • 人材紹介会社・派遣会社・就労支援機関
  • キャリア相談イベントや地域活動

企業・職場内でのキャリア支援に貢献

人事部や管理職など、従業員の育成・相談支援を担う立場として、キャリア支援スキルを活かせます。

具体的な活用例

  • 定期面談・評価面談での傾聴とキャリア対話の実施
  • 若手社員・中堅社員へのキャリアプラン形成サポート
  • リスキリング・配置転換時の支援
  • 社内キャリア研修や個別フォローの担当

教育・就職支援分野での活用

高校・大学・専門学校などの進路支援現場において、
学生の就職・自己理解支援の基本スキルとして活かされます。

主な業務内容

  • 就職活動の個別相談(自己分析、応募書類、面接練習)
  • インターンシップ前後のフォローアップ
  • キャリアガイダンスやグループワーク支援
  • 学生との信頼関係づくりにおける“聴く力”の活用

国家資格へのステップアップが可能

PCCは民間資格ですが、国家資格「キャリアコンサルタント」への準備段階として非常に有効です。

国家資格につながるメリット

  • ロールプレイや面談の基礎が学べているため、実技試験にも対応しやすい
  • 自信を持ってキャリアコンサルタント養成講習に進める
  • PCC修了後にキャリアアップ目的で国家資格取得を目指す人も多い

独立・副業・地域活動にも活かせる

副業としてのキャリア相談や、地域活動・イベントなどのサポート業務にも活用できます。

活動の幅

  • 公民館や図書館でのキャリア相談イベント
  • 終活・転職・ライフデザインに関するワークショップの開催
  • NPO・市民団体・自治体との連携支援
  • フリーランスのキャリア支援者として活動開始するための第一歩

PCC取得の意義と信頼性

  • 一般財団法人職業技能振興会による認定で、一定の支援技術・理論理解を証明
  • 受験に特別な制限がなく、広くキャリア支援に関心のある人がスタートしやすい
  • 初任者としてのスキルを公式に証明する手段として有効

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