翻訳実務士資格

翻訳実務士®は、サン・フレア アカデミーが実施する翻訳実務検定TQE®(Translator Qualifying Examination)で3級以上、つまり70点以上を取得した人に授与される翻訳資格です。TQEは、単なる語学力ではなく、実際の産業翻訳案件に近い課題を限られた期間内で仕上げ、「商品として通用する訳文」を作れるかを評価する実務型の検定です。

翻訳の仕事では、英語力だけでなく、原文の正確な理解、自然な訳文を作る表現力、専門知識、調査力、用語や表記を統一する品質管理まで求められます。TQEではこれらを原文解釈力30点、訳文表現力30点、専門知識30点、スタイル10点という観点から評価します。

公式サイトが公表している合格率は5~8%で、70点以上を取れば翻訳実務士として認定されます。資格に有効期限はありません。また、合格後は株式会社サン・フレアへ翻訳者として登録することが可能です。ただし、合格・登録しただけで仕事の依頼が保証されるわけではない点には注意が必要です。

翻訳実務士・TQEを30秒で確認

  • 資格名:翻訳実務士®
  • 取得条件:翻訳実務検定TQE®で3級(70点以上)を取得
  • 実施:サン・フレア アカデミー
  • 資格区分:民間資格
  • 対象:主に産業翻訳を目指す人・現役翻訳者
  • 試験方式:在宅インターネット受検
  • 2026年度受検料:1言語1科目につき通常9,900円、早割8,900円(税込)
  • 合格ライン:70点以上
  • 公式合格率:5~8%
  • 有効期限:なし
  • 特徴:実案件とほぼ同等レベルの翻訳課題を専門分野別に受検
  • 合格後:株式会社サン・フレアへ翻訳者登録が可能

翻訳実務士とは

翻訳実務士は、翻訳実務検定TQEで70点以上を取得した人に授与される資格です。TQEは産業翻訳分野のプロフェッショナルな翻訳者としての能力を判定する検定で、実際の翻訳案件に近い難易度の問題が出題されます。

産業翻訳とは、企業活動や研究・開発、法律、医療、IT、製造業などで使われる文書を翻訳する仕事です。代表的なものには、契約書、技術資料、医薬関連文書、特許明細書、IR資料、プレスリリース、マニュアルなどがあります。

英検やTOEICのように「英語力そのもの」を測定する試験とは性格が異なり、TQEでは最終的な訳文が実務で使える品質になっているかが重要です。外国語の意味を理解できても、日本語として不自然であったり、専門用語を誤っていたり、訳抜けや表記ゆれが多ければ高評価にはつながりません。

翻訳実務士は「TQE合格者に与えられる資格」です。

TQEでは1~5級で能力が評価されますが、翻訳実務士として認定されるのは3級以上、つまり70点以上の取得者です。1級だけが合格という制度ではありません。

旧記事で混同しやすい「JTA公認 翻訳専門職」とは別資格

翻訳資格を調べる際に特に注意したいのが、一般社団法人日本翻訳協会(JTA)の資格との混同です。JTAが現在実施している代表的な資格は「JTA公認 翻訳専門職(Certified Professional Translator)」であり、翻訳実務士とは別の制度です。

翻訳実務士はサン・フレア アカデミーのTQEで70点以上を取得することで認定されます。一方、JTA公認翻訳専門職は複数科目で2級以上を取得し、さらに翻訳実務経験2年以上の実績審査を通過することが必要です。名称が似ているため、受験前には必ず運営団体と資格名を確認しましょう。

「翻訳実務士=日本翻訳協会(JTA)の資格」ではありません。

翻訳実務士®は翻訳実務検定TQE®の合格資格です。JTA公認翻訳専門職とは試験制度、認定条件、運営団体が異なります。

翻訳実務検定TQEの試験概要

試験名 翻訳実務検定TQE®(Translator Qualifying Examination)
取得資格 70点以上で「翻訳実務士®」
実施 サン・フレア アカデミー
資格区分 民間資格
試験方式 在宅・インターネット受検
受検場所 インターネット環境があれば国内外から受検可能
受検料 1言語1科目につき通常9,900円/早割8,900円(税込)
合格基準 70点以上(3級以上)
公式合格率 5~8%
資格の有効期限 なし
主な対象 産業翻訳者を目指す人、翻訳学習者、現役翻訳者、社内翻訳担当者

TQEは試験期間中にマイページから問題文と答案ファイルをダウンロードし、訳文を作成して締切までにアップロードする方式です。公式案内では、辞書、講座テキスト、インターネットを活用して訳文を作成する流れが示されています。

一般的な資格試験のように、90分・120分などの一律の試験時間内で全員が同時に解答する方式ではありません。その代わり、実務に近い量の原文を、指定された試験期間内で調査しながら仕上げる力が問われます。

2026年度のTQE実施スケジュール

回 試験期間 申込期間 成績発表 実施言語
第109回 2026年2月5日~2月9日 2025年12月15日~2026年1月29日 2026年3月31日 英語・韓国語・スペイン語
第110回 2026年6月4日~6月8日 2026年4月13日~5月28日 2026年7月28日 英語・中国語・フランス語
第112回 2027年2月4日~2月8日 2026年12月14日~2027年1月28日 2027年3月30日 英語・スペイン語・中国語

英語は毎回実施されていますが、英語以外の言語は回によって実施言語が異なります。韓国語、中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語などを受検したい場合は、自分の言語が実施される回を確認して計画する必要があります。

TQEの出題分野

英語は専門分野ごとに試験が分かれており、2026年度の公式案内では15分野・19科目が設定されています。自分の得意分野や実務経験、今後担当したい案件に合わせて選べるのがTQEの特徴です。

分野 主な出題内容 向いている背景
IT ソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、セキュリティなど IT・情報通信・システム業務経験者
電気 電子回路、半導体、映像・音響、発電、計測・制御など 電気・電子系の技術者
機械 機械部品、工作機械、ロボット、エンジン、自動車など 機械・自動車・製造業経験者
医療機器 カテーテル、内視鏡、人工臓器、画像診断装置など 医療機器・医療技術分野経験者
医学・薬学 医薬品、薬理、安全性試験、病理、臨床治療など 医療・薬学・生命科学系
化学 有機化学、高分子、触媒、セラミックス、合金など 化学・材料分野経験者
バイオ 分子生物学、遺伝子工学、再生医療など 生命科学・バイオ系
環境 地球温暖化、公害、廃棄物、水資源、省エネルギーなど 環境・エネルギー分野
原子力 原子力プラント、核燃料、安全対策など 原子力・エネルギー分野
特許 電気、機械、IT、医薬品、化学の特許明細書 技術分野+知財翻訳を目指す人
金融・経済 経済分析、金融商品、会計、IRなど 金融・会計・IR経験者
法務・契約書 契約書、定款、法規、条約など 法務・契約実務経験者
広報・マーケティング 広告、プレゼン資料、プレスリリース、インタビューなど 広報・広告・マーケティング経験者
時事・新聞 政治、経済、社会、ドキュメンタリーなど 幅広い時事知識を活かしたい人
文芸 小説、エッセイなど 文章表現力を重視する翻訳を目指す人

同じ英語でも、医学・薬学と金融・経済では必要な背景知識や用語が大きく異なります。英語力だけで受検科目を決めるのではなく、「自分が専門用語を調査し、内容を理解できる分野か」を基準に選ぶことが重要です。

問題量はどのくらい?

公式サイトでは、問題量の目安も公表されています。実施言語や科目によって異なりますが、外国語訳では日本語原文2,000文字前後、日本語訳では言語ごとに次の程度が目安です。

方向 言語 原文量の目安
外国語訳 各言語 日本語原文 約2,000文字
日本語訳 英語・ドイツ語・フランス語・ロシア語・スペイン語 約700語
日本語訳 中国語(簡体字) 約700字
日本語訳 韓国語 約1,600字

単語や短文を訳す試験ではなく、ある程度まとまった文章を一つの商品として仕上げる必要があります。時間配分は「原文分析→用語調査→初稿→見直し→表記統一→最終確認」という実務に近い流れを意識した方がよいでしょう。

TQEの採点基準

TQEでは100点満点で、採点の大枠が公式に示されています。特に重要なのは、外国語力だけでなく、専門知識と最終成果物の品質まで採点対象であることです。

評価項目 配点 主に見られるポイント
原文解釈力 30点 構文解釈、語義、原文理解、誤訳の有無、辞書の使い方など
訳文表現力 30点 自然な文章、忠実性、訳語選択、文法、読みやすさなど
専門知識 30点 専門内容の理解、専門用語、調査力、分野に適した文体など
スタイル 10点 訳抜け、誤字脱字、スペルミス、表記・用語統一、段落など

この配点を見ると、単に原文の意味が分かればよいわけではないことが分かります。原文解釈力が30点であるのに対し、訳文表現力と専門知識を合わせると60点あります。つまり、外国語を理解する力に加えて、「専門文書として正確に調査し、読者が使える形で書く力」が重要です。

1級~5級の評価と合格基準

級 得点 評価の考え方 翻訳実務士
4級 60~69点 基礎力はあるが実務対応にはかなりの修正が必要 非認定
5級 50~59点 実務対応には大幅な改善が必要 非認定

TQEで「合格」とされるのは70点以上です。3級でも翻訳実務士として認定されます。1級は非常に高い完成度を示す評価であり、「1級でなければ翻訳実務士になれない」という制度ではありません。

TQEの合格率と難易度

サン・フレア アカデミーが公式サイトで公表しているTQEの合格率は5~8%です。またFAQでは、各回の合格率は「約10%未満」と説明されています。

公式合格率 5~8%
5年間の総申込件数 7,680件
合格ライン 70点以上
出題レベル 実際の翻訳案件とほぼ同等

合格率が一桁台であることからも、初心者向けの入門試験ではありません。特に難しいのは、採点の中心が「知識問題の正答数」ではなく、訳文そのものの品質である点です。

TOEICの高得点だけで合格できる試験ではありません。

高度な外国語力があっても、専門用語の調査不足、日本語の不自然さ、訳抜け、表記ゆれ、原文の論理関係の誤読などがあれば点数を落とします。逆に、専門分野に強い人でも基礎的な外国語文法や訳文表現に弱点があれば70点到達は難しくなります。

TQEで苦戦しやすいポイント

難所 なぜ難しいか 対策
構文解釈 専門文書は一文が長く、修飾関係を誤ると文全体が誤訳になる 主語・述語・修飾関係を確認し、訳す前に文構造を分解する
専門用語 一般辞書の訳語がその業界で使われる訳語とは限らない 公的資料、メーカー資料、論文、用語集など複数ソースで確認する
自然な日本語 原文に引っ張られた直訳調になりやすい 一度原文から離れて訳文だけを読み、日本語として成立しているか確認する
英訳・外国語訳 日本語の主語省略や曖昧な論理関係を補いながら外国語で明示する必要がある 意味関係を先に整理し、時制・冠詞・単複・主語を重点確認する
調査 一つの用語に時間をかけ過ぎると全体の見直し時間が減る 調査記録を残し、信頼性の高い情報源から順に確認する
最終チェック 内容が正しくても訳抜け・数字・単位・表記ミスで品質が下がる 内容確認と表記確認を別工程に分けてチェックする

翻訳実務士になるまでの流れ

STEP 内容 ポイント
1 受検言語・分野・翻訳方向を決める 実務経験や専門知識がある分野を優先する
2 マイページからTQEに申し込む 早割期間なら通常より1,000円安い
3 試験期間に問題・答案ファイルをダウンロード 複数科目を受けても試験期間は延長されない
4 調査しながら訳文を作成する 原文理解、専門知識、訳文表現、スタイルを意識
5 締切までに答案をアップロード 最終版のファイル間違いにも注意
6 成績・評価を確認 70点以上で合格

勉強時間の目安

実施団体は「TQE合格に必要な総学習時間」を公表していません。以下は、翻訳学習経験や専門分野の知識差を踏まえた当サイトの目安です。

受検者タイプ 学習時間の目安 重点
実務翻訳経験がある 80~200時間 過去問、採点基準、苦手部分の修正
高い語学力+専門知識がある 150~300時間 翻訳技法、日本語表現、品質管理
語学力はあるが翻訳未経験 300~500時間 構文解釈、翻訳技法、専門調査、添削
語学基礎から強化が必要 500時間以上 語学基礎を固めた上で翻訳学習へ進む

サン・フレア アカデミーは通信添削講座の学習時間について、添削10回の講座で約180~375時間という目安を示しています。これはTQE合格に必要な時間そのものではありませんが、実務翻訳を添削付きで学ぶ場合の学習量を考える参考になります。

TQEの具体的な勉強方法

STEP1 過去問で自分の専門分野との相性を確認する

TQEでは過去問題が販売されており、実際の試験の問題文、試訳、ポイントと解説を確認できます。受検分野を決める前に、候補分野の問題を見て「原文を理解できるか」「専門用語を調べられるか」「訳文を作り切れるか」を確認しましょう。

STEP2 原文を正確に読む訓練をする

翻訳では、自然な文章を書く前に原文を正しく理解する必要があります。長文を見たら、主語・述語・目的語・修飾語・接続関係を整理し、数字や条件、否定、比較、因果関係を見落とさない練習をします。

特に英文和訳では「英文の単語を前から日本語に置き換える」方法ではなく、一度意味構造を理解してから日本語として再構成することが重要です。

STEP3 専門分野の一次情報を読む

医学・薬学なら公的機関や製薬関連資料、ITならベンダーの技術文書、法務なら法令・契約書、金融ならIR資料など、自分の分野で実際に使われている文書を日常的に読みます。

専門翻訳では「英単語の意味を知っている」だけでは足りません。その用語が業界内でどのような文脈・表記・組み合わせで使われるかを理解する必要があります。

STEP4 訳語の根拠を残す

調査した用語は、訳語だけでなく出典URLや資料名も記録します。同じ用語を何度も調べる時間を減らせるうえ、後で訳語の妥当性を再確認しやすくなります。

STEP5 添削を受ける

翻訳学習で難しいのは、自分の訳文の不自然さや誤解釈に自分では気付きにくいことです。可能であれば、翻訳講座、添削サービス、経験者のレビューなどを利用し、「なぜその訳では商品にならないのか」を具体的に確認します。

STEP6 採点基準ごとにセルフチェックする

完成した答案をただ読み直すのではなく、TQEの採点基準に合わせてチェックします。

  • 原文解釈:意味を取り違えていないか
  • 訳文表現:読み手にとって自然で明確か
  • 専門知識:用語や内容に誤りがないか
  • スタイル:訳抜け、誤字、表記ゆれがないか

4項目を分けて見ることで、見直しの精度が上がります。

3か月の学習スケジュール例

期間 学習内容 到達目標
1か月目 過去問確認、構文解釈、専門用語整理 選択分野の原文を正確に理解できる
2か月目 実務文書の翻訳、添削、訳語データベース作成 致命的な誤訳と不自然な直訳を減らす
3か月目 TQE相当量の模擬翻訳、最終チェック訓練 原文分析から納品品質まで一連の流れを確立する

翻訳未経験から3か月で必ず合格できるという意味ではありません。すでに語学力と専門知識がある人が、TQE形式に合わせて仕上げる場合の一例です。初学者は6か月~1年以上の計画で翻訳技法と専門知識を並行して学ぶ方が現実的です。

不合格になりやすい原因

失敗 原因 改善策
直訳で意味が通りにくい 外国語の語順や構造をそのまま残している 原文理解後に訳文だけを読み直し、自然な文章へ再構成する
専門用語を一般辞書だけで決める 業界標準の訳語とずれる 専門資料や実際の企業・公的文書で用例を確認する
一つの言葉の調査に時間を使いすぎる 全体の推敲時間が不足する 重要度を分け、仮訳を置いて後から再確認する
内容だけ確認して提出する 数字・単位・固有名詞・訳抜け・表記ゆれを見落とす 意味確認と校正を別工程にする
専門分野を英語力だけで選ぶ 背景知識が不足し調査量が増える 実務経験・学歴・興味も含めて受検分野を選ぶ
過去問を本番直前まで解かない 問題量や要求品質を把握できない 学習初期に過去問を確認し、完成形から逆算する

翻訳実務士を取得するメリット

メリット 内容
実務翻訳力を客観的に確認できる 原文解釈・訳文表現・専門知識・スタイルを100点満点で評価される
専門分野を示しやすい IT、医学・薬学、特許、金融、法務など科目単位で実力を示せる
翻訳者登録につながる 合格後は株式会社サン・フレアへの翻訳者登録が可能
弱点把握に使える 成績評価に審査委員の簡単なコメントが付く
資格に有効期限がない 一度取得した翻訳実務士資格は有効

一方で、「資格を取れば仕事が必ずもらえる」「高収入になれる」と考えるのは適切ではありません。サン・フレアの公式FAQでも、翻訳者登録後にすぐ仕事を紹介できる場合もあれば、初回依頼まで待つ場合もあると説明されています。

翻訳実務士を活かせる仕事

仕事 資格・学習内容を活かせる場面
産業翻訳者 IT、医薬、特許、金融、法務などの専門文書を翻訳する
社内翻訳者 海外拠点との資料、技術文書、契約書、社内文書などを翻訳する
翻訳チェッカー 翻訳者が作成した訳文を原文と照合し、誤訳・訳抜け・表記を確認する
ローカライザー ソフトウェア、Webサイト、製品情報を対象市場向けに調整する
特許・知財翻訳 特許明細書や知財関連文書を技術内容と法的表現に配慮して翻訳する
医薬翻訳 臨床・薬事・医学関連文書を専門用語と規制要件に配慮して翻訳する

翻訳実務士に向いている人

タイプ おすすめ度 理由
専門分野の実務経験がある 高い 専門知識を翻訳力と組み合わせやすい
自分の翻訳レベルを客観的に知りたい 高い 得点と評価コメントを学習改善に利用できる
英語資格の代わりに使いたい 中 語学力より翻訳実務力を測る試験なので目的が異なる
翻訳をほとんど学んだことがない 低め 公式合格率5~8%で、実案件に近い難易度のため基礎学習を先に行う方がよい

TQEとJTFほんやく検定・JTA公認翻訳専門職の違い

比較 TQE/翻訳実務士 JTFほんやく検定 JTA公認翻訳専門職
主催・実施 サン・フレア アカデミー 日本翻訳連盟(JTF) 日本翻訳協会(JTA)
主な目的 産業翻訳の実務力判定 翻訳技能の検定 翻訳専門職としての総合能力認定
認定の特徴 TQE70点以上で翻訳実務士 級・専門分野ごとの評価 複数科目+実務経験審査
専門性 IT、医薬、特許、金融、法務など細かい分野 実用レベルで分野選択 言語・IT・マネジメント・専門技能を総合評価
向いている人 産業翻訳の実案件に近い課題で力を測りたい人 翻訳技能を級として確認したい人 翻訳専門職として総合的な認定を目指す人

どれを選ぶ?

IT・医薬・特許・金融・法務など、自分の専門分野で「実務に近い翻訳力」を試したいならTQEが候補になります。翻訳技能を別の業界団体の検定でも確認したい場合はJTFほんやく検定、言語能力だけでなくIT・マネジメント能力や実務経験まで含めた資格を目指すならJTA公認翻訳専門職を比較するとよいでしょう。

2026年時点で確認しておきたい変更・注意点

旧称「翻訳実務士資格検定発掘試験」は現在のTQE

公式FAQでは、TQEは以前「翻訳実務士資格検定発掘試験」という名称だったことが案内されています。旧名称で合格した人が履歴書などに記載する場合は、「翻訳実務士資格検定発掘試験(現翻訳実務検定TQE)」と記載するよう案内されています。

「翻訳実務士®」は商標登録されている

公式サイトによると、「翻訳実務士®」は2019年12月に商標権を取得しています。現在もTQEで3級以上を取得した人への認定名称として使用されています。

翻訳業界ではAI時代の品質管理能力も重要

TQEの公式採点基準は、原文解釈、訳文表現、専門知識、スタイルを重視しています。機械翻訳や生成AIを使える環境が広がっても、原文を正確に理解し、専門用語を調査し、不自然な訳文や誤訳を見つけ、最終的な品質を担保する力は引き続き重要です。

TQE対策は「訳す練習」だけでなく「品質を評価・修正する練習」が重要です。

実務では初稿を作ることより、誤訳、用語、数字、単位、スタイルをチェックして納品品質まで引き上げる工程が重要です。TQEの採点項目をそのままセルフレビュー項目として使うと実務にもつながります。

翻訳実務士・TQEのFAQ

翻訳実務士になるには何点必要ですか?

TQEで70点以上を取得する必要があります。70~79点が3級、80~89点が2級、90~100点が1級で、3級以上が翻訳実務士として認定されます。

TQEの合格率はどのくらいですか?

公式サイトでは5~8%と公表されています。FAQでも各回約10%未満と案内されています。

翻訳実務士の資格に有効期限はありますか?

ありません。公式FAQでは、一度合格すれば資格は有効と案内されています。

TQEは自宅で受検できますか?

はい。在宅インターネット受検です。インターネット環境が整っていれば受検場所を問わず、海外からの受検も可能です。

TQEは英語だけですか?

いいえ。英語のほか、回によって韓国語、中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語なども実施されます。ただし毎回すべての言語が受けられるわけではないため、公式スケジュールを確認してください。

翻訳未経験でも受けられますか?

TQEは翻訳学習中の人が現在の実力確認に利用することも想定されています。ただし出題レベルは実案件とほぼ同等で、公式合格率も5~8%です。合格を目指すなら、基礎的な翻訳技法と専門分野の学習を先に行う方が現実的です。

TOEICが900点あれば合格できますか?

TOEICスコアだけでは判断できません。TQEは外国語力だけでなく、訳文表現力、専門知識、調査力、スタイルを評価します。語学力が高くても実務翻訳特有の技術が不足していれば合格は難しくなります。

合格すればすぐ翻訳の仕事をもらえますか?

保証されません。合格後は株式会社サン・フレアへ翻訳者として登録できますが、公式FAQでは、すぐ依頼できる場合もあれば初回の仕事まで待つ場合もあると説明されています。

過去問はありますか?

あります。公式サイトから過去問題を購入できます。問題文だけでなく、試訳、ポイントと解説で構成されているため、受検分野選びと試験対策の両方に利用できます。

JTA公認翻訳専門職と同じ資格ですか?

違います。翻訳実務士はサン・フレア アカデミーのTQEで70点以上を取得した人の資格です。JTA公認翻訳専門職は一般社団法人日本翻訳協会が認定する別制度です。

翻訳実務士・TQEのまとめ

翻訳実務士®は、サン・フレア アカデミーの翻訳実務検定TQE®で70点以上を取得すると認定される民間資格です。TQEは実際の産業翻訳案件とほぼ同等の難易度で、原文解釈力、訳文表現力、専門知識、スタイルを総合的に評価します。公式合格率は5~8%で、語学力だけではなく専門調査と納品品質まで求められる難度の高い検定です。IT、医薬、特許、金融、法務など専門分野で翻訳者を目指す人や、自分の実務翻訳力を客観的に確認したい人に適しています。資格の有効期限はなく、合格後はサン・フレアへの翻訳者登録も可能ですが、仕事の獲得を保証する資格ではない点も理解しておきましょう。

情報確認:2026年10月
主な確認先:サン・フレア アカデミー「翻訳実務検定TQE」「よくあるご質問」、一般社団法人日本翻訳協会「JTA公認 翻訳専門職資格試験」。
公式情報:
サン・フレア アカデミー 翻訳実務検定TQE /
サン・フレア アカデミー FAQ /
日本翻訳協会 JTA公認翻訳専門職資格試験

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