CPA(米国公認会計士)

CPA(米国公認会計士、USCPA)は、米国各州・準州の会計士委員会が付与する公認会計士ライセンスです。日本の公認会計士とは別制度で、米国会計基準、監査、連邦税法、ビジネス法務、IT統制などを英語で学びます。

2026年現在のUniform CPA Examinationは、AUD・FAR・REGの3つのCore科目に加え、BAR・ISC・TCPから1つのDiscipline科目を選ぶ4科目制です。各科目は4時間で、4科目合計16時間。各科目の合格基準は75点です。

日本国内のPrometric会場でも受験できますが、「試験合格=すぐUSCPAを名乗れる」という仕組みではありません。受験資格、学歴・会計単位、実務経験、倫理要件、ライセンス申請条件は州・jurisdictionごとに異なります。

USCPAを30秒で確認

  • 資格:米国の州・準州ごとに付与されるCPAライセンス
  • 試験:Uniform CPA Examination
  • 科目数:4科目
  • 必須Core:AUD・FAR・REG
  • 選択Discipline:BAR・ISC・TCPから1科目
  • 試験時間:各4時間、合計16時間
  • 合格基準:各科目75点以上
  • 日本受験:可能
  • 国際会場追加料金:2026年現在、日本受験は1科目390米ドルの国際受験追加料金
  • 受験資格:州ごとに異なる
  • ライセンス要件:州ごとに異なる
  • 当サイトの学習時間目安:1,000~1,800時間程度
資格名 Certified Public Accountant(CPA)
日本での通称 USCPA、米国公認会計士
資格付与 米国各州・準州のBoard of Accountancy
試験運営 AICPA・NASBA・各州Board・Prometric等
試験科目 Core 3科目+Discipline 1科目
試験時間 各4時間
合格基準 各科目75点
日本国内受験 可能
主な活用 外資系経理・財務、監査法人、会計アドバイザリー、海外子会社管理、FP&A等

USCPAとは

USCPAは米国の公認会計士資格です。ただし、米国ではCPAライセンスを連邦政府が一括で発行するのではなく、州・準州など各jurisdictionのBoard of Accountancyがライセンスを付与します。

そのため、受験を始める前に「どの州へ出願するか」を決めることが重要です。必要な大学単位数、会計・ビジネス科目、実務経験、倫理試験などが州ごとに異なるためです。

「USCPAは誰でも同じ条件で受験できる」は誤りです。

Uniform CPA Examそのものは共通ですが、受験資格とライセンス要件は州ごとに違います。日本の大学・大学院の単位を使う場合、学歴評価が必要になるケースもあります。

2026年のCPA試験科目

区分 科目 主な内容
Core AUD Auditing and Attestation。監査、証明業務、職業倫理、内部統制など
Core FAR Financial Accounting and Reporting。財務会計、財務諸表、取引処理、非営利会計など
Core REG Taxation and Regulation。米国連邦税法、ビジネス法務、職業責任など
Discipline BAR Business Analysis and Reporting。財務分析、高度会計、データ・報告など
Discipline ISC Information Systems and Controls。IT監査、SOC、セキュリティ、データ管理など
Discipline TCP Tax Compliance and Planning。高度な税務コンプライアンスと税務プランニング

Core 3科目は全員必須で、DisciplineはBAR・ISC・TCPのうち1科目を選択します。どのDisciplineを選んでも、取得するCPAライセンスが「税務専用」「IT専用」になるわけではありません。

旧BECは2023年で終了

旧試験のBusiness Environment and Concepts(BEC)は2023年12月で終了しました。2024年からCPA Evolution制度へ移行し、BECの代わりにBAR・ISC・TCPという3つのDisciplineが導入されています。

古い教材で「FAR・AUD・REG・BECの4科目」と書かれている場合は旧制度です。

2026年に受験する場合は、CPA Evolution対応の教材・Blueprintを使ってください。

問題形式と試験時間

各科目は4時間で、複数のtestletに分かれます。出題はMultiple-Choice Questions(MCQ)とTask-Based Simulations(TBS)が中心です。

科目 MCQ TBS 試験時間
AUD 78問 7問 4時間
FAR 50問 7問 4時間
REG 72問 8問 4時間
BAR 50問 7問 4時間
ISC 82問 6問 4時間
TCP 68問 7問 4時間

合格基準

各科目の合格基準は75点です。ただし、この75は単純な正答率75%ではありません。AICPAは、0~99のスケールで報告されるscoreであり、問題の難易度等を考慮したscaled scoreだと説明しています。

2026年の合格率

AICPAが公表している2026年第1・第2四半期累計の合格率は次のとおりです。

科目 2026 Q1 2026 Q2 Q1-Q2累計
AUD 47.80% 49.38% 48.65%
FAR 43.46% 42.47% 42.95%
REG 66.65% 66.87% 66.78%
BAR 41.30% 45.62% 43.64%
ISC 66.79% 67.98% 67.45%
TCP 79.28% 79.75% 79.53%

Disciplineは合格率だけで選ばない方がよいでしょう。

AICPAも、受験者が自分の教育・経験・関心に合わせてDisciplineを選択するよう案内しています。TCPの合格率が高くても、税務経験がない人にとって必ず簡単とは限りません。

日本でUSCPAを受験できる?

日本はCPA Examの国際受験会場の対象です。所定のjurisdictionで受験資格を得てNotice to Schedule等の手続きを行った後、国際会場での受験手続きを進めます。

2026年現在、NASBAが公表する国際受験追加料金は、日本を含む通常の国際会場で各科目390米ドルです。これは米国内で必要となる出願・試験関連料金とは別に発生します。

日本受験でも米国の州へ出願します。

「日本版USCPA試験」があるわけではありません。米国のjurisdictionで受験資格を取得し、国際試験会場として日本を選択する仕組みです。

受験資格は州によって違う

受験資格には、大学卒業の有無、総取得単位、会計単位、ビジネス単位などが関係します。具体的な要件は出願州ごとに異なります。

日本の大学等で取得した単位を利用する場合、NASBA International Evaluation Servicesなどを通じた学歴評価が必要になるケースがあります。

試験合格とCPAライセンス取得は別

4科目に合格しても、州のライセンス要件を満たしていなければCPAライセンスは取得できません。一般に教育要件・試験合格・実務経験・倫理要件などを確認する必要があります。

段階 内容
1 出願jurisdictionを選ぶ
2 学歴・単位要件を確認し、必要なら学歴評価
3 CPA Examへ出願
4 AUD・FAR・REG+Discipline 1科目に合格
5 州ごとの教育・実務・倫理等のライセンス要件を満たす
6 Boardへライセンス申請

難しいポイント

分野 難しい理由 対策
FAR 会計範囲が広く計算量も多い 仕訳と財務諸表のつながりを理解する
AUD 英文のニュアンスで判断する問題が多い 監査プロセスと用語を英語で理解する
REG 米国税法・Business Lawが日本人には馴染みにくい 制度を図で整理し問題演習を反復する
BAR 高度会計・分析が重い FARとのつながりを意識して学ぶ
ISC IT統制・SOC等の専門用語が多い 業務プロセスとIT統制を関連付ける
TCP 米国税務の応用知識が必要 REGの基礎を固めてから進む

USCPAの勉強時間

NASBAやAICPAは合格に必要な標準学習時間を公式には示していません。以下は当サイトの目安です。

受験者タイプ 4科目合計の目安
会計初学者・英語に不慣れ 1,400~1,800時間
日商簿記2級程度+英語読解力あり 1,100~1,500時間
会計実務経験+英語業務経験あり 900~1,300時間

勉強方法

1. 出願州を学習開始前に決める

単位要件の不足があると出願できないため、最初に出願資格を確認します。

2. FARから会計の土台を作る

FARは他科目にもつながる会計の中心です。会計初学者ほど早めに着手します。

3. MCQとTBSを並行する

択一だけでなく、資料を読みながら処理するTBSへの慣れが必要です。

4. 英文を逐語訳しすぎない

試験では時間制約があるため、会計・監査・税務用語を英語のまま理解できる語彙を増やします。

5. Disciplineは経歴に合わせる

会計分析ならBAR、IT監査・システムならISC、税務ならTCPというように、自分の経験と将来像で選びます。

取得するメリット

メリット 内容
英語×会計を体系化 米国会計・監査・税務を英語で学べる
外資系企業で活かせる 経理、財務、FP&A、内部監査などと相性がよい
海外子会社管理 英文財務情報を扱う基礎になる
監査・アドバイザリー 国際案件やUS GAAP関連業務の基礎になる

USCPAを取れば日本で公認会計士の独占業務ができるわけではありません。

日本の公認会計士法に基づく監査証明業務は、日本の公認会計士資格とは別です。USCPAと日本公認会計士を同一資格として扱わないでください。

活かせる仕事

仕事 活かし方
外資系経理 US GAAP、英文決算、海外本社報告
FP&A 予算、業績分析、経営管理
監査法人 国際案件、海外企業対応、会計アドバイザリー
内部監査 内部統制、監査、リスク管理
海外子会社管理 財務報告、連結、ガバナンス
M&A・FAS 財務分析、デューデリジェンス等

USCPAと日本公認会計士の違い

項目 USCPA 日本公認会計士
資格制度 米国各jurisdiction 日本
試験言語 英語 日本語
中心法規・基準 米国制度 日本制度
日本の法定監査 USCPA単独では日本公認会計士の独占業務資格にならない 登録要件を満たせば担当可能

2026年時点の重要ポイント

CPA Evolution制度が定着

2024年開始のCore+Discipline制度が2026年も継続しています。BECは終了済みです。

日本受験は恒久化

NASBAは日本・韓国での国際受験を恒久化しており、適格な受験者は日本の会場で受験できます。

国際受験追加料金は1科目390米ドル

2026年10月確認時点で、日本を含む国際会場の追加料金は各科目390米ドルです。国内出願関連料金は州によって別途必要です。

FAQ

日本に住んだまま受験できますか?

はい。受験資格を満たし所定の手続きを行えば、日本の国際試験会場で受験できます。

英語資格は必要ですか?

CPA Examの受験要件としてTOEIC等が一律に必須という制度ではありませんが、試験は英語なので十分な読解力が必要です。

4科目すべて受ける必要がありますか?

はい。AUD・FAR・REGの3科目と、BAR・ISC・TCPのうち1科目に合格する必要があります。

BECはまだ受けられますか?

いいえ。BECは2023年で終了しました。

合格点75は正答率75%ですか?

違います。AICPAのscaled scoreで75以上が合格です。

USCPA試験に合格すればCPAを名乗れますか?

試験合格だけでは不十分です。州ごとの教育・実務・倫理等のライセンス要件を満たして申請する必要があります。

受験資格は日本人も同じですか?

出願jurisdictionの要件で判断されます。日本の学歴は必要に応じて米国基準へ評価されます。

どのDisciplineがおすすめですか?

会計・財務分析ならBAR、IT・内部統制ならISC、税務ならTCPが候補です。合格率だけでなく経験とキャリアで選ぶのがおすすめです。

日本の公認会計士より簡単ですか?

制度・試験範囲・言語・受験資格が異なるため単純比較はできません。USCPAは英語で米国制度を学ぶ別資格です。

USCPAのまとめ

USCPAは米国各州・準州が付与する公認会計士ライセンスで、2026年のUniform CPA ExamはAUD・FAR・REGの3 CoreとBAR・ISC・TCPから1 Disciplineを選ぶ4科目制です。各科目4時間、合格基準は75点。日本でも受験できますが、受験資格やライセンス要件は州ごとに異なります。英語と会計を組み合わせ、外資系経理、海外子会社管理、FP&A、監査・会計アドバイザリーなどを目指す人に相性のよい資格です。

情報確認:2026年10月
主な確認先:NASBA「CPA Exam FAQ」「International Administration」「What is the Uniform CPA Examination?」、AICPA & CIMA「CPA Exam scoring and pass rates」「CPA Exam Blueprints」。
公式情報:NASBA CPA Exam / AICPA & CIMA

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