CompTIA Network+

CompTIA Network+は、ネットワークの設計・構築・運用・セキュリティ・トラブルシューティングに必要な実務知識を総合的に評価する、国際的なベンダーニュートラル資格です。Ciscoなど特定メーカーの機器操作だけに依存せず、TCP/IP、ルーティング、スイッチング、無線LAN、クラウド、監視、セキュリティ、障害対応まで幅広く扱います。

2026年10月時点の現行試験はN10-009(V9)です。試験時間は90分、問題数は最大90問で、選択式だけでなくPerformance-Based Questions(PBQ)も含まれます。CompTIA公式の試験範囲では、Networking Concepts 23%、Network Implementation 20%、Network Operations 19%、Network Security 14%、Network Troubleshooting 24%で構成されています。

CompTIA Network+を30秒で確認

  • CompTIAが提供する国際的なネットワーク資格
  • 現行試験はN10-009(V9)
  • 最大90問・90分
  • 選択式+Performance-Based Questions(PBQ)
  • 合格ラインは720/900
  • 推奨経験はネットワーク分野で9〜12か月
  • 日本語試験あり
  • ネットワーク概念・実装・運用・セキュリティ・障害対応を総合評価
  • 認定有効期間は3年間
  • A+の次、Security+やServer+へ進む土台として相性がよい
資格名 CompTIA Network+
提供 CompTIA
資格種別 ベンダーニュートラル認定資格
現行試験 N10-009(V9)
試験時間 90分
問題数 最大90問
問題形式 選択式、Performance-Based Questions等
合格ライン 720/900
推奨経験 ITネットワーク分野で9〜12か月
有効期間 3年間

CompTIA Network+とは

CompTIA Network+は、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアに必要な基礎〜実務入門レベルの知識を評価します。

単に「IPアドレスとは何か」を知っているだけではなく、ネットワークをどのように構成し、どの機器を配置し、どのように監視し、障害が起きたらどう切り分けるかまで問われます。

最大の特徴はベンダーニュートラル

Cisco、Juniper、Arubaなど特定ベンダーのCLI操作へ偏らず、ネットワーク技術そのものの共通知識を学べるのがNetwork+の強みです。

N10-009の出題分野

分野 比率
Networking Concepts 23%
Network Implementation 20%
Network Operations 19%
Network Security 14%
Network Troubleshooting 24%

最も比率が高いのはNetwork Troubleshootingの24%で、次いでNetworking Conceptsの23%です。ネットワークの仕組みを理解するだけでなく、実際に問題を切り分ける能力が重視されています。

Networking Concepts

ネットワークの基礎理論を扱う分野です。

テーマ 主な内容
OSIモデル 7階層と役割
TCP/IP 通信プロトコル
IPアドレス IPv4・IPv6
サブネット CIDR・ネットワーク分割
ポート HTTP、DNS、SSH等
ネットワーク機器 ルータ、スイッチ、FW等
クラウド VPC、IaaS、PaaS、SaaS等

OSI参照モデル

Network+対策ではOSI参照モデルを理解することが重要です。

層 名称 主な役割
7 Application アプリケーションサービス
6 Presentation データ表現・暗号化
5 Session セッション管理
4 Transport TCP/UDP、信頼性
3 Network IP・ルーティング
2 Data Link MAC、フレーム
1 Physical ケーブル・電気信号

OSIモデルは暗記より「障害箇所の切り分け」に使う

リンクが上がらないならL1、MACやVLANならL2、IPやルーティングならL3というように、トラブルシューティングへ結びつけると覚えやすくなります。

IPアドレスとサブネット

IPv4のネットワーク部・ホスト部、CIDR、サブネットマスク、プライベートアドレス、APIPAなどを理解します。

テーマ ポイント
CIDR /24、/26等のプレフィックス
Private IP 内部ネットワークで利用
APIPA DHCP失敗時の自動割当
IPv6 128bitアドレス

ポート番号とプロトコル

プロトコル 代表ポート 用途
FTP 20/21 ファイル転送
SSH 22 安全なリモート接続
DNS 53 名前解決
DHCP 67/68 IP自動割当
HTTP 80 Web
HTTPS 443 暗号化Web
SNMP 161/162 ネットワーク監視

ネットワーク機器

機器 役割
Router 異なるネットワーク間を中継
Switch LAN内のフレーム転送
Firewall 通信制御
IDS/IPS 不正通信の検知・防御
Load Balancer 通信負荷分散
Proxy 通信代理・制御
Access Point 無線LAN接続

Network Implementation

ネットワークを実際に構築・設定するための知識を扱います。

テーマ 内容
Routing 経路制御
Switching VLAN、STP等
Wireless Wi-Fi設計・設定
Physical Installation ケーブル・ラック・電源
Network Services DHCP、DNS等

VLAN

VLANは1台の物理スイッチ上で論理的にネットワークを分割する技術です。

VLANはセキュリティと運用効率の基本

部署別、用途別、端末種別などでネットワークを分離し、ブロードキャスト範囲やアクセス範囲を整理できます。

STP

Spanning Tree Protocolは、L2ネットワークでループが発生するのを防ぐための仕組みです。

冗長構成を組むと物理的な経路が複数存在しますが、そのままではブロードキャストストームなどの問題が起きるため、STPで不要経路を論理的にブロックします。

無線LAN

テーマ ポイント
SSID 無線ネットワーク識別
周波数帯 2.4GHz、5GHz、6GHz
暗号化 WPA2、WPA3
チャネル 干渉回避
AP配置 電波強度・カバレッジ

Network Operations

構築したネットワークを安定して運用するための分野です。

テーマ 内容
Documentation 構成図、配線図、IP管理
Monitoring 稼働状況・性能監視
Logging ログ収集・分析
Availability 冗長化・可用性
Disaster Recovery 障害・災害復旧
Policies 運用ルール・変更管理

SNMP

SNMPはネットワーク機器の監視・管理に利用される代表的なプロトコルです。CPU使用率、インターフェース状態、トラフィックなどを監視システムへ集約できます。

ログとSyslog

障害調査ではログ確認が重要です。ルータ・スイッチ・ファイアウォールなどのログを集中管理すれば、発生時刻やエラー内容を横断的に追いやすくなります。

Network Security

N10-009ではネットワークセキュリティも独立分野として14%を占めます。

テーマ 内容
AAA 認証・認可・アカウンティング
ACL 通信許可・拒否
VPN 安全な遠隔接続
Segmentation ネットワーク分離
Hardening 不要サービス停止等
Attack DoS、MITM等

VPN

VPNは、公衆ネットワーク上に暗号化された論理的な通信路を作る技術です。拠点間接続やリモートアクセスで利用されます。

ゼロトラスト

現代のネットワークでは、「内部だから安全」とみなさず、アクセスごとに利用者・端末・権限を確認する考え方が重要です。Network+でもネットワーク分離やアクセス制御を理解するうえで関連します。

Network Troubleshooting

Network+で最も比率が高い分野です。

症状 考えられる原因例
ネットにつながらない IP、DHCP、DNS、ケーブル、VLAN
遅い 帯域不足、輻輳、Duplex不一致
特定サイトだけ開けない DNS、FW、Proxy
Wi-Fiが不安定 電波干渉、チャネル、AP配置
拠点間通信できない Routing、VPN、ACL

トラブルシューティングの考え方

いきなり設定を変更しない

問題を特定し、仮説を立て、確認し、対策し、結果を検証し、記録するという流れが重要です。現場では「とりあえず再起動」だけでは再発防止につながりません。

よく使うネットワークコマンド

コマンド 用途
ping 疎通確認
tracert / traceroute 経路確認
ipconfig / ifconfig / ip IP設定確認
nslookup / dig DNS確認
netstat 接続・ポート確認
arp ARPテーブル確認

Performance-Based Questions(PBQ)

N10-009では、選択式だけでなく実践形式のPBQが含まれます。

ネットワーク構成図を読み、設定値を選ぶ、障害箇所を切り分ける、機器や接続を適切な場所へ配置するといった形式に備える必要があります。

用語暗記だけではPBQ対策にならない

Packet Tracer等のシミュレーション、家庭内ルータ、仮想マシンなどを使って、IP設定・DNS・VLAN・ルーティングを実際に触ると理解が深まります。

合格ライン

N10-009の合格スコアは100〜900のスケールで720です。これは単純な「正答率80%」を意味するものではありません。

模擬試験の80%と本試験720は別物

CompTIAはスケールドスコアを採用しているため、単純な正答数から合否を逆算することはできません。

日本語で受験できる?

N10-009は日本語で提供されています。CompTIA日本支局から日本語版Exam Objectivesや公式教材も提供されています。

受験料

CompTIAの受験料は地域・購入方法・為替・バウチャー種別で変わることがあります。グローバルのN10-009試験価格として399米ドルが案内されていますが、日本国内での実支払額は購入時のCompTIA StoreまたはPearson VUE表示を確認してください。

円換算で固定しない

試験チケット、リテイク付き商品、教育機関価格などによって金額が異なります。受験直前に最新価格を確認するのが安全です。

認定の有効期限

CompTIA Network+の認定有効期間は3年間です。Continuing Education Programを利用して更新できます。

更新方法例 内容
上位資格取得 対象となるCompTIA上位資格等
最新版Network+合格 新バージョンで再認定
継続教育 対象トレーニング・活動

難易度

CompTIAは一般受験者全体の公式合格率を公開していません。本記事では非公式な合格率を使用しません。

受験者 当サイト難易度目安
ネットワーク未経験 高め
A+学習済み 標準〜やや高い
ITサポート経験あり 標準
ネットワーク実務1年前後 対策しやすい

勉強時間の目安

公式に一律の標準学習時間はありません。以下は当サイト目安です。

経験 当サイト目安
IT完全初心者 180〜280時間
A+レベルの知識あり 100〜180時間
ITサポート経験あり 80〜140時間
ネットワーク実務経験あり 40〜100時間

勉強方法

1. Exam Objectivesを最初に確認する

N10-009の5分野を学習チェックリストとして使います。

2. OSIとTCP/IPを対応させる

各機器・プロトコルがどの層で働くか整理します。

3. サブネット計算を反復する

IPv4のネットワーク範囲・ホスト数を短時間で判断できるようにします。

4. 実機・シミュレータを使う

IP、DNS、DHCP、VLAN、Routingを実際に設定します。

5. トラブルシューティングを重点化する

出題比率が24%と最も高いため、症状から原因を推定する練習を増やします。

6. PBQへ早めに慣れる

本番直前だけでなく、学習中から構成図・設定問題へ触れます。

3か月学習プラン

期間 内容 目標
1〜2週 OSI・TCP/IP・ポート 通信基礎を理解
3週 IPv4・IPv6・サブネット アドレス計算を安定
4〜5週 Switching・Routing・VLAN 実装基礎
6週 Wireless・Cloud 現代的NW環境を理解
7週 Network Operations 監視・文書化
8週 Security ACL・VPN・攻撃対策
9〜10週 Troubleshooting 症状から切り分け
11週 PBQ 実践形式に慣れる
12週 模擬試験・弱点補強 時間内で安定得点

不合格になりやすいパターン

失敗 原因 改善
ポート番号だけ暗記 通信の流れを理解していない プロトコル用途とセットで覚える
サブネットを避ける IP設計問題に弱い 毎日数問計算
PBQを後回し 実践問題で時間を使う 早めに操作形式へ慣れる
セキュリティ軽視 独立14%を落とす ACL・VPN・攻撃を整理
障害対応を暗記 未知の症状に対応できない レイヤ別に原因を切り分ける

CompTIA A+との違い

項目 A+ Network+
中心 ITサポート全般 ネットワーク
PCハード 多い 限定的
ネットワーク 基礎 深い
対象職種 ヘルプデスク等 ネットワーク・インフラ

CCNAとの違い

項目 Network+ CCNA
提供 CompTIA Cisco
ベンダー依存 なし Cisco中心
CLI 特定CLIに依存しない Cisco IOS操作が重要
範囲 広く基礎〜実務 Cisco環境でより深い

選び方

ネットワーク技術をベンダー横断で体系化したいならNetwork+、Cisco機器を使うネットワークエンジニアを目指すならCCNAが有力です。

Security+との違い

資格 中心
Network+ ネットワーク設計・運用・障害対応
Security+ サイバーセキュリティ

Security+でもネットワーク知識を使うため、Network+を先に学ぶと理解しやすくなります。

Server+との違い

資格 中心
Network+ ネットワーク
Server+ サーバーハードウェア・運用・障害対応

基本情報技術者試験との違い

項目 Network+ 基本情報技術者
資格種別 国際民間資格 国家試験
中心 ネットワーク専門 IT全般+アルゴリズム
実践問題 PBQあり 擬似言語中心
ネットワーク深度 高い 基礎〜中程度

取得するメリット

メリット 内容
ネットワークを体系化 TCP/IPから運用まで整理
ベンダーニュートラル 特定製品に依存しない
障害対応力 トラブルシューティングを重点学習
国際認知 海外でも認知される
次資格へ発展 Security+、Server+等へ進みやすい

活かせる仕事

職種 活用
ネットワークエンジニア 設計・構築・障害対応
インフラエンジニア サーバー・NW基盤運用
NOCオペレーター 監視・障害一次対応
システム管理者 社内ネットワーク管理
ITサポート 通信障害の切り分け

どんな人に向いている?

タイプ おすすめ度 理由
A+取得済み 非常に高い 自然な次ステップ
ネットワークエンジニア志望 非常に高い 基礎を網羅できる
インフラ初心者 高い NW全体像を学べる
CCNA受験予定 高い ベンダー横断基礎になる
プログラマー専業 目的次第 クラウド・Web開発では役立つ

よくある質問

CompTIA Network+は国家資格ですか?

国家資格ではありません。CompTIAが提供する国際的なベンダーニュートラル資格です。

現行試験コードは?

N10-009です。

問題数と時間は?

最大90問、90分です。

合格ラインは?

100〜900のスケールで720です。

日本語で受験できますか?

はい。N10-009は日本語で提供され、日本語版公式試験範囲も公開されています。

実務経験がないと受験できませんか?

必須の受験資格ではありません。CompTIAは9〜12か月のネットワーク実務経験を推奨しています。

サブネット計算は必要ですか?

必要です。IPv4・CIDRを理解し、ネットワーク範囲やホスト数を判断できるようにしておくとよいでしょう。

PBQとは何ですか?

構成・設定・障害切り分けなどを画面上で行う実践形式の問題です。

資格の有効期限は?

3年間です。継続教育プログラムなどで更新できます。

A+とNetwork+はどちらを先に取る?

IT未経験ならA+→Network+が学びやすい順序です。すでにPC・OS基礎が十分ならNetwork+からでも問題ありません。

CompTIA Network+のまとめ

CompTIA Network+は、ネットワークの概念・実装・運用・セキュリティ・トラブルシューティングを総合的に学べる国際資格です。2026年10月時点の現行試験はN10-009(V9)で、最大90問・90分、合格ラインは720/900です。出題比率はNetworking Concepts 23%、Network Implementation 20%、Network Operations 19%、Network Security 14%、Network Troubleshooting 24%で、障害対応が最も重視されています。ベンダーに依存しないネットワーク基礎を身につけたい人、A+からインフラ分野へ進みたい人、Security+・Server+・CCNAの前段として学びたい人に向いています。

情報確認:2026年10月4日
主な確認先:CompTIA / CompTIA Japan「CompTIA Network+ N10-009 Exam Objectives」「Network+ Certification Guide」「Continuing Education Program」。受験料は地域・購入方法によって変動するため、申込時の公式価格を優先してください。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)