CompTIA Server+は、サーバーハードウェア、ストレージ、OS、ネットワークサービス、仮想化、高可用性、セキュリティ、災害復旧、トラブルシューティングなど、サーバー管理者に必要な実務スキルを総合的に評価する国際的なベンダーニュートラル資格です。
2026年10月時点の現行試験はSK0-005です。試験時間は90分、問題数は90問、合格ラインは100〜900のスコア形式で750以上です。出題比率は「サーバーハードウェアのインストールと管理18%」「サーバー管理30%」「セキュリティと災害復旧24%」「トラブルシューティング28%」で構成されています。
CompTIA Server+を30秒で確認
- CompTIAが提供するサーバー管理者向け資格
- 現行試験はSK0-005
- 90問・90分
- 単一/複数選択+Performance-Based Questions
- 合格ラインは750/900
- 推奨経験はサーバー環境で2年間
- CompTIA A+または同等知識を推奨
- ハードウェア・管理・セキュリティ・DR・障害対応を総合評価
- Server+自体には有効期限が設定されていない
- A+・Network+からサーバー/インフラへ進む人と相性がよい
| 資格名 | CompTIA Server+ |
|---|---|
| 提供 | CompTIA |
| 資格種別 | ベンダーニュートラル認定資格 |
| 現行試験 | SK0-005 |
| 問題数 | 90問 |
| 試験時間 | 90分 |
| 出題形式 | 単一/複数選択、Performance-Based Questions |
| 合格ライン | 750/900 |
| 推奨経験 | サーバー環境で2年間 |
| 有効期限 | なし |
CompTIA Server+とは
Server+は、企業やデータセンターで使われるサーバーを安定して構築・運用するための知識を評価します。
サーバーは「高性能PC」ではありません。24時間稼働、冗長化、RAID、ECCメモリ、複数電源、監視、高可用性、バックアップ、災害復旧、仮想化など、クライアントPCとは異なる運用要件があります。
サーバーの「構築」だけでなく「運用」と「障害対応」が中心
現行SK0-005では、サーバー管理30%とトラブルシューティング28%で全体の半分以上を占めます。部品名の暗記だけでは合格しにくい試験です。
SK0-005の出題分野
| 分野 | 比率 |
|---|---|
| サーバーハードウェアのインストールと管理 | 18% |
| サーバー管理 | 30% |
| セキュリティと災害復旧 | 24% |
| トラブルシューティング | 28% |
サーバーハードウェアのインストールと管理
サーバーに使われるCPU、メモリ、ストレージ、電源、ネットワークインターフェース、ラック、冷却などを扱います。
| テーマ | 主な内容 |
|---|---|
| CPU | ソケット、マルチCPU、仮想化支援 |
| Memory | ECC、Registered DIMM等 |
| Storage | HDD、SSD、SAS、SATA、NVMe |
| RAID | 冗長化・性能・容量 |
| Power | 冗長電源、UPS |
| Cooling | ファン、エアフロー、温度管理 |
| Rack | ラックマウント、ケーブル管理 |
ECCメモリ
ECC(Error-Correcting Code)メモリは、メモリ上のビットエラーを検出・訂正する仕組みを備えています。長時間稼働するサーバーでは、データ破損を防ぐために重要です。
RAID
Server+ではRAIDの特徴を理解しておく必要があります。
| RAID | 特徴 | 冗長性 |
|---|---|---|
| RAID 0 | ストライピング | なし |
| RAID 1 | ミラーリング | あり |
| RAID 5 | 分散パリティ | 1台故障に耐える |
| RAID 6 | 二重パリティ | 2台故障に耐える |
| RAID 10 | ミラー+ストライプ | 高性能+冗長性 |
RAIDはバックアップではない
RAIDはディスク故障への可用性対策です。誤削除、ランサムウェア、論理障害、災害には別途バックアップが必要です。
ストレージ
サーバーではローカルストレージだけでなく、SANやNASなど外部ストレージも利用されます。
| 方式 | 特徴 |
|---|---|
| DAS | サーバーへ直接接続 |
| NAS | ネットワーク経由のファイル共有 |
| SAN | ブロック単位の高速ストレージネットワーク |
電源とUPS
サーバーでは電源障害対策が重要です。冗長電源とUPSを組み合わせ、短時間停電や電源故障による停止を防ぎます。
冗長電源とUPSは目的が違う
冗長電源は電源ユニット故障への対策、UPSは商用電源の停電や瞬断への対策です。
サーバー管理
SK0-005で最大比率の30%を占める分野です。
| テーマ | 内容 |
|---|---|
| OS Installation | サーバーOS導入 |
| Network Services | DNS、DHCP等 |
| Server Roles | Web、DB、File等 |
| High Availability | 冗長化・クラスタ |
| Virtualization | VM・ハイパーバイザ |
| Scripting | 自動化 |
| Asset Management | 資産・構成管理 |
サーバーOS
Windows ServerやLinuxを前提としたサーバーOSのインストール、設定、更新、権限、サービス管理を理解します。
| OS | 代表的な管理対象 |
|---|---|
| Windows Server | Active Directory、PowerShell、サービス等 |
| Linux | systemd、SSH、ファイル権限、Shell等 |
DNS・DHCP
| サービス | 役割 |
|---|---|
| DNS | ホスト名をIPアドレスへ変換 |
| DHCP | IPアドレス等を自動配布 |
「IPでは接続できるがホスト名では接続できない」場合、DNSを疑うなど、障害切り分けにも直結します。
サーバーの役割
| 役割 | 用途 |
|---|---|
| Web Server | Webコンテンツ提供 |
| Database Server | データベース処理 |
| File Server | 共有ファイル提供 |
| Mail Server | メール送受信 |
| Directory Server | ユーザー・認証管理 |
| Virtualization Host | 仮想マシン実行 |
仮想化
Server+では仮想化が重要です。1台の物理サーバー上で複数の仮想マシンを稼働させ、リソースを効率的に利用できます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Hypervisor | 仮想マシン実行基盤 |
| VM | 仮想マシン |
| Snapshot | ある時点の状態保存 |
| Live Migration | 稼働中VMの移動 |
| Resource Allocation | CPU・RAM等の割当 |
高可用性
サーバーでは「壊れないこと」ではなく、「壊れてもサービスを止めないこと」が重要です。
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| Cluster | 複数ノードで冗長化 |
| Load Balancing | 複数サーバーへ負荷分散 |
| Redundant PSU | 電源ユニット冗長化 |
| RAID | ストレージ冗長化 |
| Dual NIC | ネットワーク経路冗長化 |
スクリプティング
SK0-005では自動化の重要性を反映して、サーバー管理向けスクリプティングの基礎が含まれます。
PowerShell、Bashなどを使い、アカウント作成、ログ収集、バックアップ、定期処理などを自動化します。
セキュリティと災害復旧
全体の24%を占める重要分野です。
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| Physical Security | 入退室・ラック管理 |
| Access Control | 権限・最小権限 |
| Hardening | 不要サービス停止・更新 |
| Encryption | データ・通信保護 |
| Backup | データ保護 |
| Disaster Recovery | 災害時復旧 |
最小権限
ユーザーやサービスには、必要な操作だけを許可します。管理者権限を常用しない、サービスアカウントを分離するなどの対策が重要です。
サーバーハードニング
| 対策 | 例 |
|---|---|
| Unused Services | 不要サービスを停止 |
| Unused Ports | 未使用ポートを無効化 |
| Patching | 脆弱性修正 |
| Firewall | 必要通信のみ許可 |
| MFA | 管理アカウント保護 |
バックアップ
| 方式 | 特徴 |
|---|---|
| Full | 全データをバックアップ |
| Incremental | 前回以降の変更分 |
| Differential | 直近フル以降の変更分 |
RPOとRTO
| 指標 | 意味 |
|---|---|
| RPO | どこまでのデータ損失を許容するか |
| RTO | 何時間以内に復旧するか |
バックアップ設計は「何を保存するか」だけではない
どの時点まで戻せればよいか、何時間で復旧すべきかを先に決め、その要件からバックアップ頻度やDR構成を設計します。
災害復旧
サーバー障害だけでなく、停電、火災、洪水、ランサムウェアなどを想定し、業務を復旧できる計画を立てます。
| サイト | 特徴 |
|---|---|
| Hot Site | 迅速に切替可能 |
| Warm Site | 一部準備済み |
| Cold Site | 設備のみ、復旧に時間 |
トラブルシューティング
SK0-005の28%を占めます。サーバー管理では、正常時の構成を知っているだけでなく、障害発生時に原因を切り分けられることが重要です。
| 症状 | 原因例 |
|---|---|
| 起動しない | 電源、RAM、CPU、POST |
| ストレージが遅い | ディスク障害、RAID再構築 |
| OSがクラッシュ | ドライバ、メモリ、更新 |
| ネットワーク接続不可 | NIC、DNS、VLAN、Firewall |
| 温度上昇 | ファン、エアフロー、埃 |
障害切り分けの基本
変更前に原因を切り分ける
問題を特定し、原因仮説を立て、検証し、対策し、動作確認し、最後に原因・対策・結果を記録します。CompTIAの類似問題でも、トラブルシューティング後の文書化が重視されています。
Performance-Based Questions(PBQ)
Server+では選択問題に加えて、実際の管理業務を模したPerformance-Based Questionsが出題されます。
サーバー構成、ストレージ、ネットワーク、セキュリティ、障害対応などを画面上で判断するため、用語暗記だけではなく実務的な操作感覚が必要です。
推奨経験
CompTIAは、サーバー環境で2年間の実務経験と、CompTIA A+または同等の知識を推奨しています。
実務経験は受験資格ではない
2年間の経験がなければ受験できないわけではありません。ただし、実務シナリオが多いため、未経験者は仮想環境や自宅ラボで補うとよいでしょう。
受験料
CompTIA認定試験の価格は地域・購入方法・バウチャー種別で変更されます。2026年10月時点では、Server+についても公式ページは「CompTIA認定資格試験価格を確認」とする案内が中心です。
通常バウチャー、リテイク付き、教育機関向け、研修会社経由などで金額が変わるため、申込時のCompTIA StoreまたはPearson VUE表示を確認してください。
Server+に有効期限はある?
Server+には有効期限が設定されていません。
A+、Network+、Security+などのCE認定資格には3年間の有効期限がありますが、Server+はCE対象資格ではないため、取得後に3年ごとの更新は不要です。
| 資格 | 有効期限 |
|---|---|
| A+ | 3年 |
| Network+ | 3年 |
| Security+ | 3年 |
| Server+ | なし |
Server+は更新不要
取得後にCEUを集める必要はありません。ただし技術そのものは変化するため、資格が有効でも最新OS・仮想化・クラウド・セキュリティの継続学習は必要です。
難易度
CompTIAは一般受験者全体の公式合格率を公表していません。本記事では非公式な推定合格率を掲載しません。
| 受験者 | 当サイト難易度目安 |
|---|---|
| IT完全初心者 | 高い |
| A+取得済み | やや高い |
| Network+取得済み | 標準〜やや高い |
| サーバー運用経験2年程度 | 対策しやすい |
勉強時間の目安
公式が合格に必要な学習時間を示しているわけではありません。以下は当サイト目安です。
| 経験 | 当サイト目安 |
|---|---|
| IT初心者 | 200〜320時間 |
| A+レベル | 120〜200時間 |
| Network+レベル | 80〜150時間 |
| サーバー実務経験あり | 40〜100時間 |
勉強方法
1. SK0-005 Exam Objectivesを基準にする
4分野をチェックリスト化し、学習漏れを防ぎます。
2. 仮想マシンを作る
Windows ServerまたはLinuxを仮想環境へインストールし、ユーザー管理、SSH、サービス、ネットワーク設定を試します。
3. RAIDとバックアップを区別する
冗長化とデータ保護の目的を分けて理解します。
4. PowerShellまたはBashを触る
サーバー管理の自動化へ慣れます。
5. 障害シナリオで練習する
「DNSだけ壊す」「ディスク容量を枯渇させる」など、原因を意図的に作って復旧すると理解が深まります。
3か月学習プラン
| 期間 | 内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 1〜2週 | CPU・RAM・電源・ラック | サーバーハード基礎 |
| 3週 | Storage・RAID | 冗長化を理解 |
| 4〜5週 | Windows/Linux Server | OS管理 |
| 6週 | DNS・DHCP・Network | 基盤サービス理解 |
| 7週 | Virtualization・HA | 仮想化と高可用性 |
| 8週 | Security | Hardening・権限 |
| 9週 | Backup・DR | RPO/RTOを整理 |
| 10〜11週 | Troubleshooting・PBQ | 実践対応力 |
| 12週 | 模擬試験 | 弱点補強 |
不合格になりやすいパターン
| 失敗 | 原因 | 改善 |
|---|---|---|
| PC知識だけで受験 | HA・RAID・DRが弱い | サーバー固有技術を重点学習 |
| Linuxだけ勉強 | Windows系概念も出る | 両OSの共通管理を理解 |
| RAIDをバックアップと思う | DR設計を誤る | 目的を分けて整理 |
| PBQを後回し | 実践形式に慣れない | 仮想環境で操作 |
| 障害対策を暗記 | 未知の症状に弱い | 原因切り分けを練習 |
A+との違い
| 項目 | A+ | Server+ |
|---|---|---|
| 中心 | PC・ITサポート | サーバー |
| Hardware | クライアント中心 | サーバー専用技術 |
| RAID・HA | 基礎 | 重要 |
| 有効期限 | 3年 | なし |
Network+との違い
| 項目 | Network+ | Server+ |
|---|---|---|
| 中心 | ネットワーク | サーバー |
| Routing/Switching | 重要 | 基礎 |
| OS管理 | 限定的 | 重要 |
| Storage | 限定的 | 重要 |
Linux+との違い
| 項目 | Linux+ | Server+ |
|---|---|---|
| 中心 | Linux管理 | サーバー全般 |
| OS | Linux | Windows/Linuxを横断 |
| Hardware | 限定的 | 深い |
| Storage/RAID | OS視点 | ハード+運用視点 |
Cloud+との違い
| 項目 | Server+ | Cloud+ |
|---|---|---|
| 中心 | 物理・仮想サーバー | クラウド基盤 |
| オンプレミス | 非常に重要 | 比較対象として扱う |
| クラウド設計 | 基礎 | 主要テーマ |
CompTIAはCloud+について、Network+およびServer+相当の知識を推奨しているため、Server+からCloud+へ進むルートは自然です。
基本情報技術者試験との違い
| 項目 | Server+ | 基本情報技術者 |
|---|---|---|
| 資格種別 | 国際民間資格 | 国家試験 |
| 中心 | サーバー実務 | IT全般・開発 |
| RAID・ラック・電源 | 詳しい | 基礎 |
| プログラミング | 中心ではない | 重要 |
取得するメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| サーバー知識体系化 | Hardware〜DRまで横断 |
| ベンダーニュートラル | 特定メーカー依存なし |
| トラブル対応 | 障害切り分けを重点学習 |
| インフラ基礎 | Cloud・Linux学習にもつながる |
| 更新不要 | Server+自体の有効期限なし |
活かせる仕事
| 職種 | 活用 |
|---|---|
| サーバーエンジニア | 構築・運用・障害対応 |
| インフラエンジニア | サーバー・NW基盤 |
| データセンター技術者 | ラック・電源・Hardware |
| システム管理者 | OS・Backup・Security |
| クラウドエンジニア | 仮想化・基盤知識の土台 |
どんな人に向いている?
| タイプ | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| サーバーエンジニア志望 | 非常に高い | 職種に直結 |
| A+取得済み | 高い | サーバーへ発展できる |
| Network+取得済み | 非常に高い | インフラ全体を補完 |
| クラウド志望 | 高い | 基盤理解に役立つ |
| アプリ開発専業 | 目的次第 | DevOps・運用を学ぶなら有効 |
よくある質問
CompTIA Server+は国家資格ですか?
国家資格ではありません。CompTIAが提供する国際的なベンダーニュートラル資格です。
現行試験コードは?
SK0-005です。
試験時間と問題数は?
90分、90問です。
合格ラインは?
100〜900のスコア形式で750以上です。
実務経験2年は必須ですか?
必須ではありません。CompTIAが推奨している経験年数です。
A+を持っていないと受けられませんか?
受験資格として必須ではありません。A+または同等知識が推奨されています。
日本語で受験できますか?
SK0-005は日本語版試験・日本語版公式教材が提供されています。
有効期限はありますか?
Server+自体には有効期限が設定されておらず、3年ごとの更新は不要です。
Network+とどちらが先ですか?
インフラ全体を学ぶならNetwork+→Server+が理解しやすいですが、サーバー業務経験がある人はServer+からでも問題ありません。
次に取るなら?
Linux管理ならLinux+、クラウド基盤ならCloud+、セキュリティならSecurity+が候補です。
CompTIA Server+のまとめ
CompTIA Server+は、サーバーハードウェア、ストレージ、OS、ネットワークサービス、仮想化、高可用性、セキュリティ、災害復旧、トラブルシューティングを総合的に評価するサーバー管理者向け資格です。2026年10月時点の現行試験はSK0-005で、90問・90分、合格ラインは750/900です。出題比率はハードウェア18%、サーバー管理30%、セキュリティと災害復旧24%、トラブルシューティング28%です。サーバー環境で2年間の経験とA+相当知識が推奨されていますが、受験資格として必須ではありません。またServer+はCE対象ではなく、有効期限が設定されていない点もA+・Network+との大きな違いです。
情報確認:2026年10月4日
主な確認先:CompTIA / CompTIA Japan「CompTIA Server+ SK0-005 Exam Objectives」「Server+ Certification Guide」「CompTIA Server+ 類似問題」「Continuing Education Program」。試験価格は地域・購入方法で変動するため、申込時の公式価格を優先してください。
