日商珠算能力検定試験は、日本商工会議所が主催し、日本珠算連盟が協賛する、そろばんを使った計算技能を評価する検定です。2026年現在、日本商工会議所が主催する「日商珠算」は1級・2級・3級で、準1級~準3級、4級~10級、暗算能力検定、段位認定などは日本珠算連盟が実施しています。
日商1~3級の試験は、みとり算・かけ算・わり算の3分野、合計50題を30分で解く形式です。既存記事にある「暗算・伝票算・実務計算も日商1~3級に含まれる」という説明は現在の制度と一致しません。伝票算は2002年度から日商珠算能力検定で廃止されており、暗算は別の「暗算能力検定」です。
日商珠算能力検定を30秒で確認
- 主催:日本商工会議所(1~3級)
- 協賛:日本珠算連盟
- 受験資格:制限なし
- 試験時間:1~3級は30分
- 出題:みとり算10題・かけ算20題・わり算20題
- 満点:300点
- 合格基準:1~3級は240点以上
- 2026年度:第237回6月28日、第238回10月25日、第239回2027年2月14日
- 受験料:1級2,800円、2級2,000円、3級1,800円
- 第237回1級:3,856人受験・1,178人合格・合格率30.5%
- 2025年度から4~6級は日本珠算連盟主催へ移管
| 資格名 | 日商珠算能力検定試験 |
|---|---|
| 主催 | 日本商工会議所(1~3級) |
| 協賛 | 日本珠算連盟 |
| 資格区分 | 商工会議所検定 |
| 受験資格 | 制限なし |
| 級 | 日商主催は1級・2級・3級 |
| 試験時間 | 30分 |
| 合格基準 | 300点満点中240点以上 |
| 実施回数 | 年3回 |
日商珠算能力検定試験とは
日商珠算能力検定試験は、そろばんを使って、限られた時間の中で正確かつ速く計算できる能力を評価する検定です。
単純な計算知識ではなく、桁数の多い加減算・乗算・除算を、ミスを抑えながら高速に処理する技能が必要です。そろばん学習を続ける人にとって、1級は大きな目標の一つになっています。
日商珠算は「1~3級」
2026年現在、1~3級は日本商工会議所主催・日本珠算連盟協賛です。準1級~準3級、4級~10級は日本珠算連盟主催・日本商工会議所協賛です。
2026年度の試験日程
| 回 | 試験日 | 級 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 第237回 | 2026年6月28日 | 1~3級 | 終了 |
| 第238回 | 2026年10月25日 | 1~3級 | 次回 |
| 第239回 | 2027年2月14日 | 1~3級 | 予定 |
申込期間・申込方法は各地の商工会議所・施行機関によって異なります。統一試験日が同じでも、受付開始日・締切日・窓口申込・インターネット申込などは地域ごとに違うため、受験希望地の商工会議所で確認してください。
2026年度の受験料
| 級 | 受験料(税込) |
|---|---|
| 1級 | 2,800円 |
| 2級 | 2,000円 |
| 3級 | 1,800円 |
参考として、日本珠算連盟主催の準1級は2,400円、準2級1,900円、準3級1,500円、4~6級1,200円、7~10級1,000円です。
試験内容
1~3級は、みとり算10題、かけ算20題、わり算20題の合計50題です。これらを1枚の問題用紙で、30分間の一括形式で解きます。
| 級 | みとり算 | かけ算 | わり算 | 試験時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1級 | 10口・100字×10題 | 実法合わせて11けた×20題 | 法商合わせて10けた×20題 | 30分 |
| 2級 | 10口・80字×10題 | 実法合わせて9けた×20題 | 法商合わせて8けた×20題 | 30分 |
| 3級 | 10口・60字×10題 | 実法合わせて7けた×20題 | 法商合わせて6けた×20題 | 30分 |
1題あたり、みとり算10点、かけ算5点、わり算5点で、合計300点です。問題はどこから解いても構いません。
みとり算
複数の数字を連続して加減算する問題です。桁数が多く、途中で一度でも置き間違えると最終結果が崩れるため、スピードと正確性の両方が必要です。
かけ算
級が上がるほど被乗数・乗数の桁数が増えます。1級では実と法を合わせて11けたの計算を行います。
わり算
1級では法と商を合わせて10けたです。端数処理を伴う問題もあり、答えの桁・小数位置まで正確に判断する必要があります。
伝票算・暗算は日商1~3級に出る?
現在の日商珠算能力検定1~3級では、伝票算・暗算は出題されません。
既存記事の「伝票算・暗算・応用計算」は現行試験では誤り
日商珠算能力検定では2002年度から伝票算が廃止されています。暗算は日本珠算連盟の「暗算能力検定」として別試験で実施されています。
日本珠算連盟では、珠算能力検定のほか、暗算能力検定、読上算・読上暗算検定、段位認定、フラッシュ暗算検定などを実施しています。
合格基準
1級・2級・3級は、300点満点中240点以上で合格です。
| 級 | 満点 | 合格点 | 得点率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 300点 | 240点以上 | 80%以上 |
| 2級 | 300点 | 240点以上 | 80%以上 |
| 3級 | 300点 | 240点以上 | 80%以上 |
2002年度以降は、みとり算・かけ算・わり算を全体で一つの種目と考えるため、各分野ごとの最低点は設けられていません。
難易度・合格率
全国値として最新に確認できる日商公式発表では、第237回(2026年6月28日)の1級は3,856人が受験し、1,178人が合格、合格率30.5%でした。第236回(2026年2月8日)の1級は4,782人受験・1,421人合格で、合格率29.7%です。
| 回 | 実施日 | 1級受験者数 | 1級合格者数 | 1級合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第236回 | 2026年2月8日 | 4,782人 | 1,421人 | 29.7% |
| 第237回 | 2026年6月28日 | 3,856人 | 1,178人 | 30.5% |
2級・3級については、2026年10月4日時点で、全国統一の最新級別合格率を日本商工会議所の公開ページから確認できなかったため、当サイトでは推測値を掲載しません。各地の商工会議所が地域別合格率を公開している場合がありますが、地域値を全国値として扱わないよう注意してください。
1級はおおむね3割前後でも、受験者は経験者中心
1級受験者の多くは、すでに長期間そろばんを学習している人です。その中で約3割という数字なので、未経験者が短期間で取得できる難度ではありません。
1級・2級・3級の難易度
| 級 | 難易度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 3級 | 中級 | そろばんの主要計算を安定して高速処理できるレベル |
| 2級 | やや難 | 桁数が増え、正確性と処理速度の両立が必要 |
| 1級 | 難関 | 高桁計算を30分で大量処理し、80%以上を取る必要がある |
勉強時間の目安
日本商工会議所・日本珠算連盟は、合格までに必要な標準学習時間を公表していません。そろばんは技能試験のため、年齢、開始級、練習頻度によって必要時間が大きく異なります。
| 学習状況 | 当サイトの目安 | 重点 |
|---|---|---|
| 初心者から3級 | 150~300時間以上 | 運指、補数、基本乗除算、速度 |
| 3級合格後に2級 | 100~200時間 | 桁数増加への対応、正確性 |
| 2級合格後に1級 | 150~300時間以上 | 高桁計算、端数処理、30分通し練習 |
毎日15分だけ練習する場合と、珠算教室で週数回+家庭練習を行う場合では取得期間が大きく変わります。時間数よりも、短時間でも継続して計算することが重要です。
効率的な勉強方法
- 正しい運指を固める
自己流の指使いは上位級で速度の壁になります。基礎段階で正しい運指を身につけます。 - みとり算の正確性を優先する
スピードだけ上げると置き間違いが増えます。まず正答率を安定させます。 - かけ算・わり算の型を自動化する
桁位置を迷わず処理できるまで反復します。 - 毎回採点してミス原因を分類する
読み違い、運珠ミス、桁ずれ、端数処理など、失点原因を分けて記録します。 - 30分通し演習を増やす
本番は3分野を一括30分で解くため、最後まで集中力を維持する練習が必要です。 - 公式問題見本を使う
日本珠算連盟は1級~10級、暗算、段位認定の問題見本を公開しています。
3か月の学習スケジュール例(3級→2級)
| 期間 | 学習内容 | 到達目標 |
|---|---|---|
| 1~2週目 | 2級桁数への移行 | 計算手順に慣れる |
| 3~4週目 | みとり算集中 | 正答率80%以上を安定 |
| 5~6週目 | かけ算・わり算 | 桁ずれ・端数処理ミスを減らす |
| 7~8週目 | 分野別時間計測 | 必要速度へ近づける |
| 9~10週目 | 30分通し演習 | 240点前後を安定 |
| 11~12週目 | 本番形式反復 | 250~270点以上を安定させる |
不合格になりやすい原因
| 失敗 | 原因 | 改善 |
|---|---|---|
| 速度だけを追う | 運珠ミスが増える | 正答率が安定してから速度を上げる |
| 苦手分野を後回しにする | 総合点240点に届かない | 毎回分野別点数を記録する |
| 桁数の多い問題だけ練習する | 基礎運指が乱れる | 簡単な問題でも正確な運珠を維持 |
| 30分通しで解かない | 後半に集中力が落ちる | 週1~2回は本番形式で実施 |
| 暗算検定と混同する | 対策内容がずれる | 受験する試験の問題見本を確認する |
暗算能力検定との違い
| 比較 | 珠算能力検定 | 暗算能力検定 |
|---|---|---|
| 使用道具 | そろばんを使用 | そろばんを使わず暗算 |
| 1~3級試験時間 | 30分 | 12分 |
| 主な内容 | みとり算・かけ算・わり算 | みとり暗算・かけ暗算・わり暗算 |
| 主催 | 1~3級は日本商工会議所 | 日本珠算連盟 |
段位認定との違い
1級よりさらに高い技能を目標にする場合、日本珠算連盟の段位認定があります。準初段から十段まで段階があり、珠算と暗算の両方、またはいずれか一方で受験できます。
段位認定は、かけ算・わり算・みとり算に加え、かけ暗算・わり暗算・みとり暗算で高い正確性と処理速度を要求されます。珠算学習を長く続ける人にとって、1級合格後の代表的な目標です。
2025年度から4~6級の主催が変更
制度上の重要な変更として、2025年度から、従来の日商珠算能力検定4~6級が日本珠算連盟へ移管されました。
| 級 | 2026年現在の主催 |
|---|---|
| 1~3級 | 日本商工会議所主催・日本珠算連盟協賛 |
| 準1~準3級 | 日本珠算連盟主催・日本商工会議所協賛 |
| 4~10級 | 日本珠算連盟主催・日本商工会議所協賛 |
このため、2026年現在「日商珠算能力検定1~6級」と一括して案内すると制度上は正確ではありません。
取得するメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 計算速度・正確性 | 繰り返し練習により数値処理を高速化できる |
| 集中力 | 30分間大量の計算を続ける力が身につく |
| 達成目標 | 級・段位が継続学習の明確な目標になる |
| 履歴書 | 取得級を資格・特技として記載できる |
| 暗算への発展 | 珠算式暗算の基礎形成につながる |
ただし、珠算1級があれば経理・会計職への就職が自動的に有利になる、というものではありません。現在の経理実務では簿記、Excel、会計ソフトなども重要です。珠算資格は、計算力・集中力・継続学習の成果を示す材料として考えるのが現実的です。
活かせる仕事・場面
| 仕事・場面 | 活かせる力 |
|---|---|
| 経理・会計補助 | 数字への強さ、検算、計算感覚 |
| 金融・保険 | 数字処理、暗算、集中力 |
| 販売・接客 | 金額・数量の計算 |
| 珠算指導 | そろばん教室での指導技能の基礎 |
| 学習・受験 | 計算力・集中力の土台 |
関連資格との比較
| 資格 | 中心となる技能 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 日商珠算能力検定 | そろばんによる高速・正確な計算 | 珠算技能を全国的な検定で示したい人 |
| 暗算能力検定 | 珠算式暗算 | 暗算力を伸ばしたい人 |
| 段位認定 | 珠算・暗算の最高水準技能 | 1級合格後も技能を伸ばしたい人 |
| 電卓技能検定 | 電卓による高速計算 | 事務・経理で電卓技能を磨きたい人 |
| 日商簿記 | 会計・簿記知識 | 経理・会計職を目指す人 |
よくある質問
日商珠算能力検定は何級までありますか?
2026年現在、日本商工会議所が主催する日商珠算能力検定は1級・2級・3級です。準級と4~10級は日本珠算連盟が主催します。
受験資格はありますか?
ありません。年齢や学歴に関係なく受験できます。
3級を受けずに2級や1級を受けられますか?
はい。下位級合格は受験条件ではありません。
試験時間は何分ですか?
1級・2級・3級はいずれも30分です。
合格点は?
1~3級は300点満点中240点以上です。
伝票算は出題されますか?
現在は出題されません。日商珠算能力検定では2002年度から伝票算が廃止されています。
暗算も試験に含まれますか?
日商1~3級には含まれません。暗算は日本珠算連盟の暗算能力検定として別に実施されています。
2026年の次回試験はいつですか?
2026年10月4日時点で、次回は第238回・2026年10月25日です。その次は2027年2月14日です。
1級の合格率は?
第237回(2026年6月28日)は3,856人受験、1,178人合格で30.5%でした。
独学できますか?
可能ですが、正しい運指を最初に身につける必要があるため、初心者は珠算教室や経験者から指導を受けると効率的です。日本珠算連盟の公式問題見本も利用できます。
日商珠算能力検定試験のまとめ
日商珠算能力検定試験は、日本商工会議所が主催する1~3級の珠算検定です。各級とも、みとり算10題・かけ算20題・わり算20題を30分で解き、300点満点中240点以上で合格です。2026年度は6月28日、10月25日、2027年2月14日の年3回実施されます。受験料は1級2,800円、2級2,000円、3級1,800円です。2026年第237回の1級全国合格率は30.5%でした。なお、暗算は別試験、伝票算は2002年度に廃止されており、2025年度から4~6級は日本珠算連盟主催へ移管されています。
情報確認:2026年10月4日
主な確認先:日本商工会議所「2026年度試験日程カレンダー」、日本珠算連盟「珠算能力検定試験」「受験料一覧」「検定試験問題見本」「暗算検定試験」、日商Assist Biz「第236回・第237回珠算能力検定1級満点合格者」。
