CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)が実施する、CADの知識と操作技能を証明する民間資格です。2026年度も2次元CADと3次元CADの両方で試験が実施されており、建築・機械・製造・設計補助・CADオペレーターなどを目指す人にとって代表的なCAD資格の一つです。
2026年度の試験体系は、2次元CADが「基礎・2級・1級(機械/建築/トレース)」、3次元CADが「2級・準1級・1級」です。2次元2級はCBT、基礎は自宅受験も可能なIBT、1級は筆記+実技。3次元2級は知識試験、準1級・1級はCADソフトを使う実技を含む上位試験です。
CAD利用技術者試験を30秒で確認
- ACSPが実施するCAD分野の民間資格
- 2次元CADと3次元CADの2系列
- 2次元は基礎・2級・1級(機械/建築/トレース)
- 3次元は2級・準1級・1級
- 2次元2級は60分・60問・CBT
- 2次元基礎は50分・50問・IBT、自宅受験可
- 2次元1級は80分・実技+筆記
- 3次元準1級・1級はノートPCとCADソフトを使う実技試験
- 多くの区分で総合7割以上+分野別5割以上が基準
- 建築・機械・製造・CADオペレーター志望と相性がよい
| 資格名 | CAD利用技術者試験 |
|---|---|
| 実施団体 | 一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP) |
| 資格種別 | 民間資格 |
| 系列 | 2次元CAD / 3次元CAD |
| 2次元 | 基礎・2級・1級(機械/建築/トレース) |
| 3次元 | 2級・準1級・1級 |
| 主な対象 | CADオペレーター、設計補助、建築・機械・製造系技術者 |
CAD利用技術者試験とは
CAD利用技術者試験は、CADソフトを操作できるだけでなく、図面を理解し、正しく作図し、設計・製造業務でCADを活用できるかを評価する資格です。
2次元CADでは製図とCADシステムの知識、上位級では実際の図面作成が重要になります。3次元CADでは3Dモデルの作成、空間把握、CADリテラシー、製品設計に関連する知識などが中心です。
「AutoCADの資格」ではない
特定のCADメーカーだけを対象にした資格ではありません。2次元1級ではAutoCAD、AutoCAD LT、JW_cadなど一定条件を満たすCADを使用でき、3次元試験でも複数の3D CADソフトが対象になります。
2次元CAD利用技術者試験の体系
| 区分 | 対象 | 試験形式 |
|---|---|---|
| 基礎 | CAD学習開始者 | IBT筆記 |
| 2級 | 設計・製図業務を目指す人 | CBT筆記 |
| 1級(機械) | 機械設計・製図 | 実技+筆記 |
| 1級(建築) | 建築設計・製図 | 実技+筆記 |
| 1級(トレース) | CADオペレーター・トレース | 実技+筆記 |
2次元CAD利用技術者試験 基礎
基礎は、これからCADを本格的に学ぶ人向けです。ACSPは約3か月程度の学習者を想定しています。
| 受験資格 | 制限なし |
|---|---|
| 試験時間 | 50分 |
| 問題数 | 50問 |
| 方式 | IBT、多肢選択・真偽方式 |
| 自宅受験 | 可能 |
| 個人受験料 | 5,500円(税込) |
| 合格基準 | 総合7割以上 |
基礎の出題内容
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| CADシステム | 概要、基本機能、作図データ |
| プラットフォーム | ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、情報セキュリティ |
| 製図 | 製図一般、図形表現 |
| 図形 | 三角形、多角形、円、三平方、三角関数、立体 |
2次元CAD利用技術者試験2級
2級は、CADを使った設計・製図業務を目指す人や、実務経験が浅い人向けです。1級を受験するためには2級または過去の1級資格が必要です。
| 受験資格 | 制限なし |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 60問 |
| 方式 | CBT、多肢選択 |
| 個人受験料 | 7,150円(税込) |
| 出題比率 | CADシステム約60% / 製図約40% |
| 合格基準 | 各分野5割以上+総合7割以上 |
2級は「CAD操作試験」ではなく知識試験
2級では実技作図はありません。CADを使う仕事に必要な基礎知識と製図知識をCBTで確認します。
2次元CAD利用技術者試験1級
1級は「機械」「建築」「トレース」の3分野に分かれます。ACSPはCADを使う設計・製図業務で1年以上の実務経験、または1年以上の就学経験を想定しています。
| 受験資格 | 2級または過去の1級有資格者 |
|---|---|
| 試験時間 | 80分 |
| 方式 | 実技試験+筆記試験25問 |
| 個人受験料 | 18,700円(税込) |
| 過去1級合格者 | 13,200円(税込) |
| 合格基準 | 実技・筆記各5割以上+総合7割以上 |
1級(機械)
機械分野では、機構部品、機械要素、投影図などをCADで作図する力に加えて、機械製図の知識が問われます。
| 実技 | 筆記 |
|---|---|
| リンク構造・カム構造 | 機械製図 |
| 機械要素部品 | 材料 |
| 投影図からの作図 | 寸法公差・はめあい |
| 第三角法 | 幾何公差・表面性状 |
1級(建築)
建築分野では、RC造や木造の平面図、断面図、立面図などを正しく読み取り、CADで作図する能力が求められます。
| 実技 | 筆記 |
|---|---|
| RC平面図 | 建築業務基礎 |
| 断面図・立面図 | 建築製図 |
| 木造図面 | 構造・材料 |
| 部分図・展開図 | 建築法規・情報共有 |
1級(トレース)
トレース分野は、CADオペレーターに近い技能を評価します。編集、レイヤ設定、トレース、投影関係と形状理解などが中心です。
設計者よりCADオペレーター志向ならトレース
専門設計知識より、与えられた図面を正確かつ効率的にCADデータへ起こす能力を重視します。
2次元1級で使えるCADソフト
ACSPは、AutoCAD、AutoCAD LT、およびそれらに準ずるソフト、JW_cad for Windowsについて、採点基準を満たすことを事前確認しています。
その他のCADを使う場合は、画層(レイヤ)、DXF入出力、テキスト出力、指定DXFバージョンでの出力などの条件を満たす必要があります。
| ソフト | 対応 |
|---|---|
| AutoCAD | 確認済み |
| AutoCAD LT | 確認済み |
| JW_cad for Windows | 確認済み |
| その他 | 受験対象CAD判定条件を確認 |
2026年度の2次元試験日
| 区分 | 2026年度 |
|---|---|
| 1級 前期 | 2026年6月14日 |
| 1級 後期 | 2026年11月8日 |
| 2級 | 2026年4月4日〜2027年3月31日の随時CBT |
| 基礎 | 2026年4月4日〜2027年3月31日の随時IBT |
3次元CAD利用技術者試験
3次元CAD利用技術者試験は、3D CADを使う設計・製造分野の技能を評価します。
| 区分 | 位置づけ | 受験資格 |
|---|---|---|
| 2級 | 3D CAD知識基礎 | 制限なし |
| 準1級 | 3Dモデル作成実技 | 2級有資格者 |
| 1級 | 高度な3Dモデル作成 | 2級または準1級有資格者 |
3次元CAD利用技術者試験2級
2級は、3D CADの基本概念と活用知識を問う入口資格です。
| 受験資格 | 制限なし |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 試験日 | 2026年4月4日〜2027年3月31日の随時実施 |
| 個人受験料 | 8,800円(税込) |
| 合格基準 | 各分野5割以上+総合7割以上 |
3次元2級の主な範囲
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| 3D CAD概念 | 3次元設計の基本 |
| Modeling | 形状・モデリング手法 |
| CAD Data | データ管理・交換 |
| 応用 | CAE、CAM、CAT、CG |
| Manufacturing | 3Dプリンター、DMU等 |
3次元CAD利用技術者試験 準1級
準1級からは、CADソフトをインストールしたノートPCを持ち込んで受験する実技試験になります。
| 受験資格 | 3次元CAD利用技術者試験2級有資格者 |
|---|---|
| 試験時間 | 120分 |
| 個人受験料 | 13,200円(税込) |
| 試験方式 | CADソフトを使った実技 |
| 合格基準 | 各分野5割以上+総合7割以上 |
3次元CAD利用技術者試験1級
1級は、3D CAD利用技術者試験の最上位区分です。2級または準1級の有資格者が受験できます。
| 受験資格 | 2級または準1級有資格者 |
|---|---|
| 試験時間 | 120分 |
| 個人受験料 | 18,700円(税込) |
| 準1級/1級保持者 | 13,200円(税込) |
| 試験方式 | CADソフトを使った実技 |
3次元準1級・1級はPC持込
3次元準1級・1級は、CADソフトが入ったノートPCを持ち込む方式です。
試験当日に初めてソフトを使うのは危険
普段使い慣れたCADで、モデル作成、測定、保存まで問題なくできる状態にしておく必要があります。電源・ライセンス・バージョン・ファイル保存先も事前確認しましょう。
3次元CADで使えるソフト
ACSPは3次元試験の推奨ソフトを案内しており、受験前に最新の対応一覧を確認する必要があります。推奨外ソフトでも、必要な測定機能を持ち、公式サンプル問題で正解を導ける場合は利用できるケースがあります。
2026年度の3次元試験日
| 区分 | 2026年度 |
|---|---|
| 準1級・1級 前期 | 2026年7月19日 |
| 準1級・1級 後期 | 2026年12月6日 |
| 2級 | 2026年4月4日〜2027年3月31日 |
2次元と3次元はどちらを受ける?
| 目的 | おすすめ |
|---|---|
| 建築図面 | 2次元1級(建築) |
| 機械図面 | 2次元1級(機械) |
| CADオペレーター | 2次元2級→1級トレース |
| 3D機械設計 | 3次元2級→準1級→1級 |
| 製造・製品設計 | 3次元CAD |
| CAD完全初心者 | 2次元基礎または2級 |
建築業界での活かし方
建築業界では2次元1級(建築)が最も直接的です。平面図、断面図、立面図、RC、木造、建築製図などを扱うため、設計補助やCADオペレーター業務との親和性があります。
機械・製造業での活かし方
機械分野では、2次元1級(機械)と3次元CAD資格の組み合わせが有効です。
| 資格 | 強み |
|---|---|
| 2次元1級(機械) | 機械図面・製図・公差 |
| 3次元2級 | 3D CAD理論 |
| 3次元準1級 | 実際の3Dモデリング |
| 3次元1級 | 高度なモデリング・形状把握 |
CADオペレーター志望なら
未経験からCADオペレーターを目指す場合は、2次元CAD2級で知識を固め、AutoCADやJW_cadで実際の作図練習を行い、その後1級トレースや建築・機械へ進むルートが現実的です。
難易度
ACSPは合格基準を公開しています。本記事では年度不明の推定合格率を使いません。
| 区分 | 当サイト難易度目安 |
|---|---|
| 2次元基礎 | 初級 |
| 2次元2級 | 初級〜標準 |
| 2次元1級 | やや高い |
| 3次元2級 | 標準 |
| 3次元準1級 | やや高い |
| 3次元1級 | 高い |
勉強時間の目安
以下はACSP公式値ではなく当サイト目安です。
| 区分 | 初心者目安 |
|---|---|
| 2次元基礎 | 30〜60時間 |
| 2次元2級 | 60〜120時間 |
| 2次元1級 | 120〜250時間+作図練習 |
| 3次元2級 | 80〜150時間 |
| 3次元準1級 | 120〜220時間 |
| 3次元1級 | 180〜300時間 |
勉強方法
1. まず受験区分を決める
建築・機械・トレース・3Dでは必要技能が大きく異なります。
2. 公式ガイドブックを使う
ACSPは2026年度版公式ガイドブックと試験対策問題を販売しています。
3. CADを毎日触る
上位級では、知識より操作速度と正確性が重要です。
4. レイヤ・線種・寸法を意識する
見た目が合っているだけでなく、CADデータとして正しく構成する必要があります。
5. 過去実技で時間を測る
2次元1級は80分、3次元上位は120分です。本番と同じ時間で練習しましょう。
2次元1級の学習スケジュール例
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 1〜2週 | CAD基本操作・ショートカット |
| 3〜4週 | 製図・線種・寸法 |
| 5〜6週 | 分野別図面 |
| 7〜8週 | 実技過去問題 |
| 9週 | 筆記対策 |
| 10〜12週 | 80分模擬試験 |
不合格になりやすいパターン
| 失敗 | 原因 | 改善 |
|---|---|---|
| CAD操作だけ練習 | 製図知識不足 | 筆記も並行 |
| 見た目だけ合わせる | レイヤ・線種不備 | データ構造も確認 |
| 時間を測らない | 実技未完了 | 本番時間で反復 |
| 受験CADを直前変更 | 操作速度低下 | 普段のCADで受験 |
| 3D測定機能を確認しない | 本番で値を取れない | 事前にサンプルで検証 |
AutoCAD資格との違い
| 項目 | CAD利用技術者試験 | AutoCAD認定 |
|---|---|---|
| ベンダー | 中立 | Autodesk |
| 対象 | 製図・CAD知識・実技 | AutoCAD操作 |
| ソフト | 複数対応 | AutoCAD |
| 向いている人 | 幅広い設計・CAD職 | AutoCAD利用者 |
建築CAD検定との違い
| 項目 | CAD利用技術者試験 | 建築CAD検定 |
|---|---|---|
| 対象分野 | 建築・機械・3D等 | 建築CAD中心 |
| 3D CAD | あり | 中心ではない |
| 機械 | あり | なし |
資格だけで就職できる?
資格だけで採用が保証されるわけではありません。CAD職では、使用ソフト、作図速度、図面理解、業界知識、ポートフォリオが重要です。
資格+図面ポートフォリオが強い
建築なら平面・立面・断面、機械なら部品図・アセンブリ、3Dならモデリング例を用意すると、資格だけより実務力を示しやすくなります。
取得するメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| CAD知識体系化 | 操作+製図を学べる |
| 実技証明 | 上位級では作図力を評価 |
| 分野選択 | 建築・機械・トレース・3D |
| 就職補助 | 未経験者の学習証明になる |
| 学習ルート | 基礎→2級→1級へ段階的 |
活かせる仕事
| 職種 | 相性 |
|---|---|
| CADオペレーター | 高い |
| 建築設計補助 | 2次元建築 |
| 機械設計補助 | 2次元機械・3次元 |
| 製造設計 | 3次元CAD |
| CADインストラクター | 上位級 |
よくある質問
CAD利用技術者試験は国家資格ですか?
国家資格ではありません。ACSPが実施する民間資格です。
初心者は何級から?
完全初心者なら2次元基礎、設計・製図を学習中なら2級からでもよいでしょう。
2次元2級は実技ですか?
いいえ。60問・60分のCBT筆記試験です。
2次元1級は何分ですか?
80分です。実技と筆記25問を行います。
2次元1級は誰でも受けられますか?
いいえ。2級または過去の1級有資格者であることが必要です。
3次元準1級は誰でも受けられますか?
いいえ。3次元CAD利用技術者試験2級の有資格者が対象です。
3次元試験は自分のPCを使いますか?
準1級・1級ではCADソフトをインストールしたノートPCを持ち込んで受験します。
AutoCAD以外でも受験できますか?
はい。2次元1級ではJW_cadなども利用可能です。その他のCADは採点条件を満たすか確認してください。
2026年後期の2次元1級はいつ?
2026年11月8日です。
2026年後期の3次元準1級・1級はいつ?
2026年12月6日です。
CAD利用技術者試験のまとめ
CAD利用技術者試験は、2次元CADと3次元CADの知識・技能を段階的に証明できる民間資格です。2026年度の2次元は基礎・2級・1級(機械/建築/トレース)、3次元は2級・準1級・1級で構成されています。2次元2級は60分・60問のCBT、基礎は50分・50問のIBT、1級は80分の実技+筆記です。3次元準1級・1級は自分のノートPCとCADソフトを使う実技試験で、2級合格が上位級受験の前提になります。建築、機械、製造、CADオペレーターなど、目指す職種に合わせて2次元・3次元と受験区分を選ぶことが重要です。
情報確認:2026年10月4日
主な確認先:一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)「CAD利用技術者試験」「2次元CAD利用技術者試験 概要」「3次元CAD利用技術者試験 概要」「2次元CAD1級 受験対象CAD判定サービス」「主催試験ガイドブック」。
