CompTIA Linux+は、Linuxサーバーの構築・運用・セキュリティ・自動化・コンテナ・トラブルシューティングなど、Linuxシステム管理者に必要な実務スキルを評価する国際的なベンダーニュートラル資格です。Red Hatなど特定ディストリビューションに依存せず、オンプレミス、クラウド、DevOps環境で共通して求められるLinux管理能力を幅広く扱います。
2026年10月時点の現行試験はXK0-006(V8)です。2025年7月15日に開始され、試験時間90分、最大90問、合格ライン720/900。出題は選択式だけでなくPerformance-Based Questions(PBQ)を含みます。旧XK0-005は2026年1月に終了しており、これから学習する場合はXK0-006対応教材を選ぶ必要があります。
CompTIA Linux+を30秒で確認
- CompTIAが提供するLinux管理者向け国際資格
- 現行試験はXK0-006(V8)
- 最大90問・90分
- 選択式+Performance-Based Questions(PBQ)
- 合格ラインは720/900
- 推奨経験はLinuxサーバー実務約12か月
- A+・Network+・Server+相当知識を推奨
- 現行XK0-006は英語のみ
- System Management、Security、Automation、Troubleshooting等を総合評価
- 認定有効期間は3年間
| 資格名 | CompTIA Linux+ |
|---|---|
| 提供 | CompTIA |
| 資格種別 | ベンダーニュートラル認定資格 |
| 現行試験 | XK0-006(V8) |
| 開始 | 2025年7月15日 |
| 問題数 | 最大90問 |
| 試験時間 | 90分 |
| 合格ライン | 720/900 |
| 言語 | 英語 |
| 推奨経験 | Linuxサーバー実務約12か月 |
| 有効期間 | 3年間 |
CompTIA Linux+とは
Linux+は、Linuxを「使える」だけでなく、「管理・保守・安全運用できる」ことを評価する資格です。
LinuxはWebサーバー、クラウド、コンテナ、ネットワーク機器、組込みシステムなど多くの環境で使われています。Linux+では、CLI操作、ユーザー管理、ストレージ、サービス、ネットワーク、セキュリティ、シェルスクリプト、自動化、コンテナ、障害対応まで幅広く扱います。
ディストリビューション横断で学ぶ資格
Ubuntuだけ、RHELだけといった1製品依存ではなく、Debian系・RPM系を含めたLinux共通スキルを学ぶのが特徴です。
現行試験はXK0-006
XK0-006は2025年7月から開始された現行版です。旧XK0-005から、コンテナ、Infrastructure as Code、構成管理、自動化、Python、Gitなど現代的な運用スキルがより明確に反映されています。
| 項目 | XK0-005 | XK0-006 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 旧試験 | 現行試験 |
| 試験終了 | 2026年1月 | 現行 |
| 自動化 | 出題 | より明確に強化 |
| コンテナ | 出題 | 主要な現代運用技術として扱う |
| 試験言語 | 日本語版あり | 英語のみ |
XK0-005日本語教材だけで受験しない
基礎分野は共通しますが、現行試験はXK0-006です。最終対策ではXK0-006のExam Objectivesを必ず確認してください。
XK0-006の出題分野
| 分野 | 比率 |
|---|---|
| System Management | 23% |
| Services and User Management | 20% |
| Security | 18% |
| Automation, Orchestration, and Scripting | 17% |
| Troubleshooting | 22% |
System Management
Linuxシステムの基本管理を扱う最大分野です。
| テーマ | 主な内容 |
|---|---|
| Boot | 起動プロセス、ブートローダ |
| Kernel | カーネル、モジュール |
| Package | apt、dnf、rpm等 |
| Storage | Partition、LVM、Filesystem |
| Process | ps、top、kill等 |
| Network | IP、DNS、Routing |
Linuxの起動
システムがどの順序で起動するかを理解すると、起動障害の切り分けがしやすくなります。
| 段階 | 役割 |
|---|---|
| Firmware | BIOS / UEFI |
| Bootloader | GRUB等 |
| Kernel | Linuxカーネル起動 |
| init / systemd | サービス起動 |
| Target | 利用可能状態へ移行 |
systemd
現代のLinux管理ではsystemdが重要です。
| コマンド | 用途 |
|---|---|
| systemctl status | サービス状態確認 |
| systemctl start | サービス開始 |
| systemctl stop | 停止 |
| systemctl enable | 自動起動有効化 |
| journalctl | ログ確認 |
パッケージ管理
Linux+は特定ディストリビューションに依存しないため、複数のパッケージ管理系統を理解する必要があります。
| 系統 | 主なツール |
|---|---|
| Debian / Ubuntu系 | apt、dpkg |
| RHEL / Fedora系 | dnf、rpm |
1つのディストリビューションだけで勉強しない
Ubuntuしか触ったことがない人はRPM系、RHEL系しか触ったことがない人はDebian系にも触れておくと試験対応力が上がります。
ストレージ管理
| テーマ | 内容 |
|---|---|
| Partition | ディスク分割 |
| Filesystem | ext4、XFS等 |
| Mount | マウント管理 |
| LVM | 論理ボリューム管理 |
| Swap | 仮想メモリ |
LVM
LVMは物理ディスクを柔軟にまとめ、論理ボリュームとして管理する仕組みです。
| 層 | 意味 |
|---|---|
| PV | Physical Volume |
| VG | Volume Group |
| LV | Logical Volume |
Services and User Management
ユーザー、グループ、認証、サービス、ログ、スケジュール実行などを扱います。
| テーマ | 主な内容 |
|---|---|
| User | useradd、usermod等 |
| Group | groupadd等 |
| Permissions | chmod、chown |
| Scheduling | cron、systemd timer |
| Authentication | PAM、SSH、Kerberos等 |
| Services | Web、DNS、DB等 |
ユーザー・グループ管理
LinuxではユーザーID、グループID、ホームディレクトリ、ログインシェルなどを管理します。
| ファイル | 役割 |
|---|---|
| /etc/passwd | ユーザー基本情報 |
| /etc/shadow | パスワード関連情報 |
| /etc/group | グループ情報 |
ファイル権限
Linuxの権限管理は試験でも実務でも重要です。
| 権限 | 数値 | 意味 |
|---|---|---|
| r | 4 | 読取 |
| w | 2 | 書込 |
| x | 1 | 実行 |
755、644などの数値表現に加え、SUID、SGID、Sticky Bit、ACLも理解します。
Security
XK0-006ではセキュリティが18%を占めます。
| テーマ | 内容 |
|---|---|
| SSH | 安全なリモート管理 |
| Firewall | nftables、firewalld等 |
| SELinux | 強制アクセス制御 |
| AppArmor | アプリ単位の制御 |
| Encryption | データ保護 |
| Hardening | 不要機能停止・更新等 |
SELinux
SELinuxは、通常のUNIX権限に加えて強制アクセス制御を行う仕組みです。
「権限は合っているのにサービスが書き込めない」ならSELinuxも疑う
実務ではSELinuxを無効化して回避するのではなく、コンテキストやポリシーを確認して原因を修正することが重要です。
SSH
Linuxサーバーのリモート管理ではSSHが基本です。
| 対策 | 例 |
|---|---|
| 公開鍵認証 | パスワード依存を減らす |
| rootログイン制限 | 直接root接続を避ける |
| Firewall | 接続元を制限 |
| MFA | 追加認証 |
Automation, Orchestration, and Scripting
XK0-006で特に現代的なLinux管理を反映している分野です。
| テーマ | 内容 |
|---|---|
| Bash | シェルスクリプト |
| Python | 管理自動化 |
| Git | 構成・コード管理 |
| Ansible | 構成管理 |
| Puppet | 構成管理 |
| Containers | コンテナ運用 |
| Infrastructure as Code | 構成をコードで管理 |
Bashスクリプト
単純作業を繰り返さず、自動化できることがLinux管理者には求められます。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 変数 | 値の保持 |
| if | 条件分岐 |
| for / while | 繰返し |
| 終了コード | 成功・失敗判定 |
| パイプ | コマンド連携 |
Python
XK0-006ではLinux運用の自動化・管理に関連してPythonも意識する必要があります。Pythonプログラマー資格ほど深い言語仕様を問う資格ではありませんが、管理スクリプトや処理の考え方を理解しておくと有利です。
Ansible・Puppet
多数のサーバーを1台ずつ手作業で設定するのではなく、構成をコードや定義ファイルで管理します。
「サーバーを手で直す」から「再現できる構成を配布する」へ
現代のインフラ運用では、手作業の職人技より再現性・自動化・監査可能性が重視されます。
コンテナ
Linux+ではコンテナの基礎も重要です。
| 概念 | 意味 |
|---|---|
| Image | コンテナの元となるテンプレート |
| Container | 実行中の分離環境 |
| Registry | イメージ保管 |
| Volume | 永続データ |
| Namespace | リソース分離 |
Troubleshooting
22%を占める大きな分野です。
| 症状 | 確認例 |
|---|---|
| サービスが起動しない | systemctl、journalctl |
| ディスク容量不足 | df、du |
| CPU高負荷 | top、ps |
| ネットワーク不可 | ip、ping、ss、DNS |
| 権限エラー | chmod、chown、SELinux |
ログを読む
Linux障害対応ではログ確認が重要です。journalctlや/var/log配下のログを使い、発生時刻、サービス名、エラーメッセージを確認します。
Performance-Based Questions(PBQ)
XK0-006は選択式だけでなくPBQを含みます。画面上でLinux管理タスクや障害切り分けを行う形式が想定されるため、コマンド暗記だけではなく実機操作が重要です。
端末操作をしない勉強では不足
仮想マシンやクラウドVMを用意し、ユーザー作成、権限変更、サービス管理、パッケージ導入、Firewall設定、ログ確認まで実際に行いましょう。
英語試験に注意
2026年10月時点のXK0-006は英語のみで提供されています。旧XK0-005には日本語試験がありましたが、現行版では試験言語が変わっています。
Linuxスキル+技術英語が必要
コマンドそのものは英語ですが、問題文の障害状況や「最も適切な対応」を正確に読む必要があります。日本語でしか技術問題を解いたことがない人は、英語問題にも慣れておきましょう。
合格ライン
合格ラインは100〜900のスケールで720です。単純な正答率80%を意味するわけではありません。
推奨経験
CompTIAは、Linuxサーバーを扱う業務で約12か月の実務経験を推奨しています。またA+、Network+、Server+または同等知識も推奨されています。
これらは受験資格ではないため、未経験でも受験できます。
受験料
2026年9月時点のグローバル参考価格として399米ドルが確認できます。日本国内の販売価格は販売元・バウチャーによって異なり、2026年5月時点の国内バウチャー販売例では53,004円(税込)でした。
価格は申込時に再確認
CompTIAは価格改定を行うことがあり、通常バウチャー・リテイク付き・研修会社経由などでも金額が異なります。
資格の有効期限
Linux+の認定有効期間は3年間です。
Continuing Education Programを利用し、継続教育単位(CEU)、上位資格取得、最新版試験への合格などにより更新できます。
| 有効期間 | 3年間 |
|---|---|
| 更新 | Continuing Education Program |
| CEU | 50 CEUが目安 |
難易度
CompTIAは一般受験者全体の公式合格率を公開していません。本記事では非公式な合格率を掲載しません。
| 経験 | 当サイト難易度目安 |
|---|---|
| Linux完全未経験 | 高い |
| Linuxデスクトップ利用者 | やや高い |
| Linuxサーバー学習経験あり | 標準〜やや高い |
| Linux実務1年以上 | 対策しやすい |
勉強時間の目安
以下は公式値ではなく当サイト目安です。
| 経験 | 当サイト目安 |
|---|---|
| Linux初心者 | 180〜300時間 |
| Linuxデスクトップ経験あり | 120〜200時間 |
| サーバー学習経験あり | 80〜150時間 |
| Linux実務経験あり | 40〜100時間 |
勉強方法
1. 仮想マシンを2系統作る
Ubuntu等のDebian系と、AlmaLinux/Rocky Linux等のRPM系を用意すると効率的です。
2. GUIを使わずCLIで操作する
SSH接続し、ユーザー作成、パッケージ管理、サービス操作、ログ確認を行います。
3. コマンド結果を読む
コマンド名だけではなく、出力のどこを見るかを理解します。
4. 自動化を実際に書く
Bash・Python・Ansibleを少しでも実行します。
5. 障害を意図的に作る
サービス停止、権限変更、DNS誤設定などを作り、自分で復旧します。
6. 英語問題で仕上げる
本番が英語のため、最後は英語問題で条件・否定表現・BEST/MOSTなどに慣れます。
3か月学習プラン
| 期間 | 内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 1〜2週 | Shell・Filesystem | CLI基礎を固める |
| 3週 | User・Permission | 権限管理を理解 |
| 4週 | Package・Process・systemd | システム管理 |
| 5週 | Storage・LVM | ストレージ管理 |
| 6週 | Network・Services | サーバー通信 |
| 7週 | Security | SSH・Firewall・SELinux |
| 8〜9週 | Bash・Python・Git | 自動化基礎 |
| 10週 | Ansible・Container | 現代的運用 |
| 11週 | Troubleshooting・PBQ | 実践対応 |
| 12週 | 英語模擬試験 | 本番形式で仕上げる |
不合格になりやすいパターン
| 失敗 | 原因 | 改善 |
|---|---|---|
| コマンド暗記だけ | 出力を読めない | 実行結果まで確認 |
| Ubuntuだけ使用 | RPM系用語に弱い | 2系統触る |
| 自動化を後回し | XK0-006で比重あり | Bash/Ansibleを実行 |
| SELinuxを無効化 | Security問題に弱い | 原因を正しく修正 |
| 日本語教材だけ | 本番英語で失速 | 英語問題で練習 |
Server+との違い
| 項目 | Linux+ | Server+ |
|---|---|---|
| 中心 | Linux OS管理 | サーバー全般 |
| OS | Linux | Windows/Linux横断 |
| Hardware | 限定的 | 重要 |
| 自動化 | 重要 | 基礎 |
| 有効期限 | 3年 | なし |
Network+との違い
| 資格 | 中心 |
|---|---|
| Network+ | ネットワーク設計・運用 |
| Linux+ | Linuxサーバー管理 |
インフラエンジニアを目指すなら、Network+で通信基盤、Linux+でサーバーOSを学ぶ組み合わせは相性がよいです。
LPICとの違い
| 項目 | Linux+ | LPIC-1 |
|---|---|---|
| 主催 | CompTIA | LPI |
| 試験数 | 1試験 | 2試験 |
| 現行言語 | 英語のみ | 日本語対応あり |
| 自動化・DevOps | 現行環境を強く反映 | Linux管理基礎を体系化 |
| 国際性 | 高い | 高い |
選び方
CompTIA資格体系の中でインフラ・クラウドへ進みたいならLinux+、日本語でLinuxを体系的に学びたいならLPICも有力です。
LinuCとの違い
| 項目 | Linux+ | LinuC |
|---|---|---|
| 主催 | CompTIA | LPI-Japan |
| 対象 | グローバル | 日本市場との親和性が高い |
| 言語 | 英語 | 日本語 |
| 資格体系 | 1資格 | レベル制 |
RHCSAとの違い
| 項目 | Linux+ | RHCSA |
|---|---|---|
| ベンダー | 中立 | Red Hat |
| ディストリビューション | 横断 | RHEL |
| 形式 | 選択+PBQ | 実機実技 |
| 向いている人 | 幅広いLinux管理 | Red Hat環境 |
取得するメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| Linux管理を体系化 | OS・サービス・Securityを横断 |
| DevOps基礎 | 自動化・Git・Containerまで学べる |
| ベンダーニュートラル | 複数ディストリビューションへ対応 |
| クラウド基盤 | Linuxベースのクラウド理解に役立つ |
| 国際認知 | グローバル資格として示せる |
活かせる仕事
| 職種 | 活用 |
|---|---|
| Linuxサーバー管理者 | 構築・運用 |
| インフラエンジニア | OS・ネットワーク基盤 |
| クラウドエンジニア | VM・Container運用 |
| DevOpsエンジニア | 自動化・IaC |
| セキュリティエンジニア | Hardening・ログ分析 |
どんな人に向いている?
| タイプ | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| Linux管理者志望 | 非常に高い | 職種に直結 |
| クラウド志望 | 非常に高い | Linux基盤が重要 |
| DevOps志望 | 高い | Automation/Containerを学べる |
| 英語が苦手 | 要注意 | 現行試験は英語のみ |
| Red Hat専業 | 目的次第 | RHCSAも有力 |
よくある質問
CompTIA Linux+は国家資格ですか?
国家資格ではありません。CompTIAが提供する国際的なベンダーニュートラル資格です。
現行試験は?
XK0-006です。
問題数と試験時間は?
最大90問、90分です。
合格ラインは?
100〜900のスケールで720です。
日本語で受験できますか?
2026年10月時点の現行XK0-006は英語のみです。
旧XK0-005は受けられますか?
旧XK0-005は2026年1月に終了しています。現在はXK0-006を受験します。
実務経験は必須ですか?
必須ではありません。CompTIAは約12か月のLinuxサーバー実務経験を推奨しています。
資格の有効期限は?
3年間です。Continuing Education Programで更新できます。
LPICとどちらがよい?
CompTIA体系や英語試験に抵抗がないならLinux+、日本語で段階的にLinuxを学びたいならLPICも有力です。
次に取るなら?
クラウドならCloud+やクラウドベンダー資格、セキュリティならSecurity+、Red Hat環境ならRHCSAが候補です。
CompTIA Linux+のまとめ
CompTIA Linux+は、Linuxシステム管理、ユーザー・サービス管理、セキュリティ、自動化・オーケストレーション・スクリプティング、トラブルシューティングを総合的に評価する資格です。2026年10月時点の現行試験はXK0-006(V8)で、最大90問・90分、合格ラインは720/900です。出題比率はSystem Management 23%、Services and User Management 20%、Security 18%、Automation, Orchestration, and Scripting 17%、Troubleshooting 22%です。旧XK0-005は終了しており、現行試験は英語のみです。Linux管理者、インフラ、クラウド、DevOps、セキュリティ分野へ進みたい人に向いています。
情報確認:2026年10月4日
主な確認先:CompTIA Linux+ XK0-006現行試験情報、CompTIA Linux+ Exam Objectives、CompTIA Continuing Education Program、国内CompTIA試験バウチャー情報。旧XK0-005日本語版情報は現行試験仕様として使用していません。
