きき酒師

日本酒のプロフェッショナルとしての知識と提案力を持つことを証明する民間資格です。ソムリエがワインを扱うように、きき酒師は日本酒の魅力を伝え、最適な1本を提案できる人材として認定されます。

主催は、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI:Sake Service Institute)で、国内外の飲食店・酒販業界を中心に広く評価されている資格です。

主催
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会

受験資格と難易度

誰でも受験可能(年齢制限のみ)

基本条件

  • 満20歳以上であれば、誰でも受験可能
  • 学歴・職歴・業界経験は一切不問
  • 日本酒の初心者でも受講・受験OK

このような方が多く受験しています

  • 飲食業界(料理人、サービススタッフ、ソムリエ等)
  • 酒販業界(酒屋、百貨店、オンラインショップなど)
  • 観光・宿泊業(旅館スタッフ、観光案内業)
  • 日本酒が好きで趣味として学びたい一般の方

難易度の目安

難易度:やや中級(合格率 約70~80%)

試験の難易度と傾向

項目 内容
出題範囲 日本酒の製造工程/原料知識/テイスティング/接客と提供方法/ペアリング/用語など
試験形式 筆記試験(記述+選択式)、テイスティング(選択式)、小論文など(※受講形式による)
合格基準 各科目60~70%以上の得点が目安(科目ごとの基準あり)

試験内容

試験の構成(通学・通信ともに共通)

  • 筆記試験
  • テイスティング試験
  • 論述(小論文)試験
※通信講座と通学講座で学び方は異なりますが、最終試験の内容は同一レベルです。

筆記試験

試験形式

  • 選択式+記述式
  • 試験時間:約60分
  • 合格基準:60%以上

出題範囲(主に以下の分野から出題)

分野 内容の一例
日本酒概論 日本酒の定義、法律、分類(特定名称酒・普通酒)など
製造工程 米・水・麹・酵母の役割、精米歩合、発酵など
日本酒の歴史と文化 神事・年中行事との関係、地域差など
ラベル・表示 表記ルール(原材料・度数・製造者)など
提供方法・接客 温度帯、器の種類、提供シーンごとの提案
保存・管理 冷蔵・常温管理の違い、開封後の変化
ペアリング(相性) 料理との相性、素材・味付けとの組み合わせの考え方

テイスティング試験

試験形式

  • ブラインド試飲 → 選択式で評価を記入
  • 出題数:通常 3種類の日本酒を試飲・評価

評価項目

評価軸 内容
外観 色、透明感など
香り 強さ、系統(フルーティ・米香・熟成香など)
味わい 甘味、酸味、苦味、旨味のバランス
後味 切れの良さ、余韻の長さ
総合評価 香味バランスの印象、どのような料理に合いそうか など

ポイント

  • 正解を当てることが目的ではなく、「日本酒を五感で捉え、適切に表現する力」を評価
  • 講座内でテイスティングの訓練があるため、初心者でも安心

小論文試験

試験形式

  • 手書き or ワープロ形式(800〜1,000文字)
  • テーマ例:
    • 「私が考える日本酒の魅力」
    • 「お客様に日本酒を提案する際に大切にしたいこと」

評価ポイント

  • 日本酒への理解や考え方が論理的に表現されているか
  • 自分の言葉でわかりやすく伝えているか

試験対策

試験対策の基本ポイント

全体の試験構成(おさらい)

  • 筆記試験(日本酒の知識:選択式+記述)
  • テイスティング試験(3種をブラインドで評価)
  • 小論文試験(800〜1,000文字)

対策①:筆記試験対策

教材中心の学習でOK

  • 出題はすべて講座テキスト・映像教材から
  • 通信講座の場合、添削課題での反復学習が試験対策になる
  • 通学講座では、講義中の要点メモがそのまま試験のヒントに

おすすめ学習法

対策 方法
製造工程の理解 テキストの図解で「流れ」を何度も確認(蒸米→麹づくり→発酵など)
用語・表示の暗記 精米歩合、特定名称酒、火入れ、酸度などをカード化して反復
提供・接客の知識 実際の居酒屋・日本料理店などで「温度帯」や「酒器」に注目してみる

対策②:テイスティング試験対策

本番形式に近い訓練を重ねる

  • 練習用に市販の日本酒を数種類用意し、ブラインドで味わうのが効果的
  • 香り・味の変化に集中して、自分なりの言語で記録をとる習慣をつける

練習におすすめのスタイル

日本酒 特徴
吟醸酒 フルーティな香り、軽快な飲み口
純米酒 お米の旨味が強く、酸味がある
熟成酒 色が濃く、香ばしい香りやコクがある

評価の訓練ポイント

  • 外観:色の濃さ、透明感
  • 香り:フルーティ系/穀物系/熟成香などに分類
  • 味わい:甘味・酸味・旨味・キレのバランス
  • コメントは正解よりも説得力と一貫性が大事

対策③:小論文対策

自分の言葉で、日本酒への思いを語れるように

  • テーマ例:「私が考える日本酒の魅力」「接客で大切にしたいこと」など
  • 書き方は「構成力」と「具体性」がカギ

構成の型(例)

① はじめに(テーマへの導入) ② 本文(体験・考え・知識を交えて展開) ③ まとめ(今後の展望や想いで締める)

書く前の準備

  • 自分が感動した日本酒体験を思い出す
  • 「誰に・どんな場面で・どう伝えたいか」を考える

取得後に出来ること

飲食業・販売業で「日本酒のプロ」として活躍できる

飲食店での提案力アップ

  • 居酒屋・和食店・寿司店などで、日本酒の銘柄提案・ペアリング説明ができる
  • お客様の好みに合わせた、温度帯・酒器の提案も可能
  • 「きき酒師在籍店」としてのブランディング強化にもつながる

酒販業界での信頼アップ

  • 酒屋・百貨店・ECショップなどで、日本酒の売り場担当・接客力強化
  • SNSやPOPで専門知識を活かした解説・レビューができる
  • 生産者との取引やイベントでの司会・進行役としても活躍

日本酒イベントやセミナーでの活動

イベントの解説者・ナビゲーターとして

  • 日本酒試飲会や蔵元フェアでのテイスティングガイド
  • 日本酒ワークショップや勉強会の講師として活動可能
  • 地方の観光イベントや酒蔵見学会での通訳・案内役としての依頼もあり

情報発信・SNS・執筆活動に活かせる

信頼あるコンテンツの発信が可能に

  • ブログ、Instagram、YouTubeなどでの日本酒紹介・レビュー
  • 専門性を持って「味わい」や「歴史・文化」を伝えられる
  • 雑誌・飲食系Webメディアへの寄稿・監修依頼につながる可能性も

キャリアアップ・上位資格への道も広がる

SSI認定の上級資格へステップアップ

  • 酒匠(さかしょう):テイスティングと表現力に特化した上位資格
  • 日本酒学講師:セミナー・教育分野での専門指導が可能に
  • 国際きき酒師:英語で日本酒を解説するスキルを習得でき、海外イベントで活躍可能

海外での活動にも活かせる

  • 外国人観光客への日本酒案内や体験教室の開催
  • 酒蔵ツアーやインバウンド向けイベントでの通訳・文化案内
  • 「国際きき酒師」とのダブル取得でグローバルに活躍も視野に入る

活かし方まとめ

分野 活かし方
飲食店 日本酒の接客提案/ペアリング/メニュー監修
酒販店・百貨店 商品紹介・販売支援・顧客説明・EC運営
セミナー・イベント 講師活動・ワークショップ・司会・蔵元案内
情報発信 SNS投稿・ブログ・YouTube・執筆
上位資格 酒匠/日本酒学講師/国際きき酒師へのステップアップ

こんな方に特におすすめの活かし方

  • 飲食や小売業で、日本酒を扱っている方
  • イベントや講座を開きたい方
  • SNS・ブログで「日本酒の魅力」を発信したい方
  • 将来、海外で日本酒を伝える活動をしたい方

その他食品系資格一覧

食品衛生責任者
ふぐ調理師
すしエンターティナー
家庭料理技能検定
フードコーディネーター
カフェプランナー
雑貨カフェクリエイター
フードアナリスト
デザートクリエイター
惣菜管理士
ソムリエ
バーテンダー
ワインエキスパート
チーズプロフェッショナル
コーヒーコーディネーター
ティーインストラクター
ビアテイスター
紅茶コーディネーター
きき酒師
焼酎アドバイザー
日本茶インストラクター
中国茶認定初級インストラクター

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