日本ソムリエ協会(J.S.A.)が認定するワイン愛好家・一般向けの資格で「ソムリエ」と並ぶ協会の主要資格のひとつで、ワインに関する幅広い知識とテイスティング能力を証明する民間資格です。
ソムリエ資格との違いは、実務経験が不要で誰でも受験可能である点です。
■主催
(社)日本ソムリエ協会
受験資格と難易度
受験資格について
誰でも受験可能(実務経験不要)
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年齢制限:満20歳以上(試験年度内に)
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職業・学歴・実務経験は不問
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飲食業や酒販業の経験がなくても受験できます
受験対象の例
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一般のワイン愛好家
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主婦、会社員、学生、定年後の学び直し層など
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趣味でワインを深く知りたい人
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将来的にワイン関係の副業や活動を目指す人
※日本国内に居住していれば、どなたでも受験可能です。
難易度の目安
合格率(過去のデータ)
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合格率:約40〜50%
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ソムリエ資格(約30〜40%)よりもやや高めの合格率
難易度の特徴
項目 |
内容 |
出題範囲 |
非常に広い(フランス・イタリアを中心に世界各国のワイン、その他酒類) |
暗記量 |
地理、ブドウ品種、醸造法、ワイン法など膨大な知識が必要 |
テイスティング |
ワインの香りや味を言語化する訓練が必要 |
記述力 |
テイスティングではコメントや分析力が求められる(記述式あり) |
初学者が合格するには
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学習期間の目安:3〜6か月
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教本の読み込み+過去問+テイスティング練習が基本
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独学でも合格可能ですが、スクールや通信講座の活用で効率アップ
試験内容
試験の構成
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第1次試験(CBT方式):知識試験(マークシート形式)
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第2次試験:テイスティング試験(ブラインド方式)
※実技試験(サービス)は
ソムリエ資格のみで、
ワインエキスパートにはありません
第1次試験(CBT方式:知識試験)
試験形式
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コンピューターを使用したCBT方式(Computer Based Testing)
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全国の指定会場で受験(自分で日程と会場を選択)
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試験時間:約90分
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出題数:60問前後(年により変動あり)
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回答形式:すべて四択のマークシート式
出題範囲
分野 |
内容の詳細 |
ワイン概論 |
ワインの歴史、ブドウの品種、栽培方法、醸造法(白・赤・スパークリング) |
世界のワイン |
フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、アメリカ、日本ほか主要生産国 |
ワイン法制度 |
AOC、DOCG、VDPなど各国のワイン格付け・法的分類 |
テイスティング理論 |
色・香り・味わいの評価方法、用語、分析手順など |
食との相性(ペアリング) |
ワインと料理の基本的な組み合わせ・相乗効果 |
酒類全般の知識 |
ビール、日本酒、ウイスキー、リキュールなどの基礎 |
ワインサービス |
グラスの種類、サーブ温度、保存法、ワイン用語の理解 |
第2次試験(テイスティング試験)
試験形式
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ブラインド(ラベルのない状態)で提供されたワイン2種類を試飲
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白ワイン1種、赤ワイン1種
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ワインの外観・香り・味わいを評価し、選択または記述で解答
評価項目(主な設問例)
項目 |
内容 |
外観 |
色調、濃淡、粘性、光沢など |
香り |
第一印象、香りの特徴、果実・花・ハーブ・熟成香など |
味わい |
甘味、酸味、苦味、渋味、ボディ、余韻など |
総合評価 |
品種の推定、産地、熟成度、価格帯など |
注意点
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香りや味の印象を正しく「表現する力」が求められる
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ワインの個性を言語化し、特徴を論理的に分析する力が重要です
試験日程(2024年度 例)
内容 |
時期 |
出願期間 |
3月〜5月頃 |
第1次試験(CBT) |
6月〜7月(予約制) |
第2次試験(テイスティング) |
8月頃 |
合格発表 |
10月下旬予定 |
合格基準と採点
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CBT試験とテイスティングの総合評価で合否が決定
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各試験で一定の基準点をクリアすることが必要
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詳細な配点は非公開
試験対策
第1次試験(CBT方式:知識試験)対策
出題範囲の特徴
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非常に広範囲(世界中のワイン、酒類全般、ペアリング、法律、サービスなど)
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暗記量が多いため、早めの学習開始がカギになります
対策ポイント
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公式教本をベースにする
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毎年発行されるJ.S.A.公式『ワイン教本』が最重要教材
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重要度が高いのはフランス・イタリア・ドイツ・アメリカ・日本など主要国
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反復で覚える:過去問・アプリを活用
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単語帳や一問一答形式のアプリを使って暗記効率アップ
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ワイン受験.comや市販の過去問題集もおすすめ
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地図・系統図を活用する
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地理問題や格付け制度は「図で覚える」のが効果的
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品種と産地を「セット」で記憶することがポイント
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ゴロ合わせや語呂暗記を活用
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名前が長くて覚えにくいAOCやDOCGには語呂合わせが有効
例:フランスのAOC暗記ゴロ
「ボルドー右岸はメルちゃん(メルロ)、左岸はキャベツ(カベルネ)」
第2次試験(テイスティング試験)対策
テイスティングの目的
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ワインの「見た目」「香り」「味わい」から、品種・産地・特徴を言語化する力を評価
対策のポイント
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ワインを実際に飲んで記録する
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市販のワイン(1,000円台でもOK)で十分に練習可能
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白ワインならシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン
赤ワインならピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの「代表品種」から
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テイスティングノートを作る
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外観・香り・味わいを毎回メモし、自分だけの分析データを蓄積
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コメント表現を繰り返すことで、本番でもスムーズに書けるようになる
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スクールや動画も活用
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ワインスクールのオンライン講座、YouTubeのテイスティング解説動画も効果的
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ブラインド練習をしたい場合は「ワインセット(練習用)」の活用も◎
合格のための学習スケジュール例(3か月モデル)
期間 |
学習内容 |
1か月目 |
公式教本を通読/主要国(フランス・イタリア)の重点学習/過去問スタート |
2か月目 |
地図・品種・制度の暗記/テイスティング練習開始(週1本〜2本) |
3か月目 |
模擬問題で総復習/テイスティングコメントの練習強化/試験会場予約 |
おすすめ教材・サービス
教材
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J.S.A.公式『ワイン教本』
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ワイン受験.com(オンライン問題集)
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ソムリエ・エキスパート試験対策講座(アカデミー・デュ・ヴァンなど)
サポートツール
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テイスティングノートアプリ(無料あり)
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YouTube「ワイン講座」チャンネル
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練習用ワインセット(ブラインド練習用に販売あり)
取得後に出来ること
趣味や教養の枠を超えて「ワインのプロフェッショナル」へ
知識とテイスティング力を証明できる資格
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ワインに関する体系的な知識と分析力を持っていることを客観的に示せる
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ワイン初心者〜中級者の**「ステップアップの証」**として価値がある
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家族・友人・仕事仲間へのワイン提案にも自信がつく
ワイン会やイベントの主催がしやすくなる
ワインに詳しい“頼られる存在”として活動
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自宅やレンタルスペースでのワインテイスティング会の開催
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レストランでのワイン×料理のペアリングイベント企画
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ワインを語る会、飲み比べ講座などを自主開催する際の「信用」につながる
副業・講師・情報発信に活用できる
ワインに関わる“教える仕事”への一歩
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ワインスクールやカルチャーセンターでのワイン講座講師
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地域の食育イベントでのワイン文化紹介
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ワインと料理を組み合わせた講座・ワークショップの開催
SNSやメディアでの発信にも活用
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Instagram、YouTube、ブログなどでのワイン解説・レビュー
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ワインライターやレビュアーとしてメディア寄稿・執筆活動も可能
ワイン業界への転職・就職のきっかけにも
実務経験がなくても「入り口」として有効
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ワインショップ、百貨店の酒売り場などでの接客販売
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ワイン輸入会社での営業・PR担当
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飲食業界への転職時にも「知識の裏付け」として強みになる
上位資格や国際資格へのステップアップ
より専門的なワインの世界へ
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J.S.A.ソムリエ資格(実務経験を積めば受験可)
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J.S.A.シニアワインエキスパート(数年の経験後に上位資格取得が可能)
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**WSET(国際ワイン資格)やCMS(マスターソムリエ)**など海外資格への挑戦
活かせる場面まとめ
活動分野 |
活かし方 |
趣味・ライフスタイル |
ワイン会、食事会、旅行時のワイン選びに活用 |
副業・講師活動 |
ワイン講座開催、ワークショップ主催、食育講師など |
情報発信 |
ブログ・SNSでのレビュー、YouTubeでの解説動画配信 |
転職・就職 |
酒販店、百貨店、輸入商社、飲食関連の業務に活用 |
ステップアップ |
上位資格・国際資格へのチャレンジの土台に |
おすすめの講習、教材
教材
講座
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食品衛生責任者
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