紅茶の知識と魅力を伝える“紅茶の専門家”の資格です。正しい淹れ方、産地知識、紅茶文化、マナーなどを総合的に学び、講師・販売員・飲食関係者・愛好家が紅茶の魅力を伝える力を養うためにある資格です。
■主催
日本紅茶協会
目次
受験資格と難易度
受験資格(受講条件)
受講時点で満たす必要がある条件
- 満20歳以上であること
- 紅茶に対して強い関心と学ぶ意欲があること
- 年間を通して通学(全18回程度)ができること(会場:主に東京または大阪)
-
学歴や職業経験は不問
- 紅茶愛好家、飲食業従事者、主婦、学生など幅広く受講可
注意点
- 毎年定員制(30名前後)・応募者多数の場合は抽選
- 1年間の講座出席率(80%以上)と課題提出が卒業試験の受験条件
難易度(目安)
総合的な難易度
試験要素 | 難易度 | 内容の特徴 |
---|---|---|
筆記試験 | ★★☆☆☆ | テキストの反復学習で対応可能 |
実技試験 | ★★★☆☆ | 丁寧な所作と抽出技術が問われる |
レポート課題 | ★★☆☆☆ | 自分の言葉で整理・表現できればOK |
総合評価 | ★★★☆☆ | 出席率・課題・姿勢が重要視される |
合格率(非公表だが高め)
- 講座をしっかり受講し、課題を提出していれば多くの受講者が合格
- 卒業試験に進む時点でかなりの篩い(ふるい)がかけられている
- 受験者の体感としては**「きちんと学べば落ちない」**という声が多い
試験内容
試験の全体構成
試験形式
- 卒業試験(年1回/講座修了後)
-
試験内容:
- 筆記試験(選択+記述式)
- 実技試験(紅茶の抽出と提供)
- レポート(課題提出)
合格基準
-
各試験の成績に加え、
- 出席率80%以上
-
課題・実習提出のすべてを修了していること
が合格判定の条件
筆記試験の内容
試験形式
- 選択式(一部記述を含む)
- 試験時間:約60分
出題分野
-
紅茶の歴史と文化
- インド・スリランカ・中国・イギリス・日本の紅茶文化
- 紅茶の伝播・消費史・社会的背景
-
茶葉の種類と製法
- オーソドックス製法、CTC製法、フレーバードティーの分類
- 茶葉の等級(リーフグレード)
-
紅茶の産地と特徴
- 主要産地(アッサム、ダージリン、ヌワラエリヤなど)の特徴と香味
- 収穫時期(ファーストフラッシュ/セカンドフラッシュ)
-
抽出理論とおいしい淹れ方
- 水温、時間、茶葉量の関係
- ポットの温め方、茶器の選び方
-
紅茶とマナー・食文化
- ティーパーティーの基本
- 紅茶とスイーツの組み合わせ(フードペアリング)
実技試験の内容
試験形式
- 時間制限ありの個別実技
- 試験官の前で紅茶を1~2種抽出・提供
評価ポイント
-
紅茶の抽出スキル
- 正確な計量(茶葉・湯の量)
- 適切な蒸らし時間・温度管理
- 香味の出し方(濃すぎ・薄すぎは減点対象)
-
サーブ技術と所作
- ティーポット・カップの扱い方
- トレーの持ち方、スプーンの出し方などのマナー
- 笑顔と落ち着いた接客態度
-
アレンジティーの演出力(課題によって)
- 色合い、香り、盛り付けの美しさ
- 季節感・ストーリー性も評価される場合あり
レポート課題(事前提出)
提出形式
- A4用紙2~3枚程度
- 個別テーマに沿った研究・考察をまとめる
テーマ例
- 「お気に入りの紅茶とその魅力について」
- 「紅茶と〇〇(和菓子、文化、健康など)の関係性」
- 「理想のティータイムを提案するプラン」
評価ポイント
- 表現力、構成力、紅茶に対する理解と情熱
- 自身の言葉でしっかり伝えているか
試験対策
筆記試験対策
対策のポイント
- 幅広い知識が出題されるため、テキスト全体の反復学習が重要
- 用語の暗記だけでなく、背景や比較が問われる問題にも備える
学習方法
-
毎回の講義資料をノートにまとめ直す
- 各産地の特徴、紅茶文化、製法の違いなどを一覧化
-
過去の確認テストや模擬問題を繰り返す
- 養成講座で配布されるワークブックは特に有効
-
図や地図を使って記憶を補強
- 産地別紅茶の香味、収穫時期の違いなどを視覚的に整理
暗記のコツ
- フレーバー名・品種名・製法などは語呂合わせや分類で記憶
- 紅茶とマナー、歴史的出来事は年代順や国別に比較
実技試験対策
対策のポイント
- 抽出技術と所作の正確さと美しさが重要
- 何度も自宅練習+本番形式の模擬練習をするのが効果的
練習内容
-
基本の紅茶の淹れ方(ストレートティー)を徹底反復
- お湯の温度管理(95℃目安)、蒸らし時間(3〜5分)、ティーポットの温め
-
アレンジティーの演出力を高める
- 見た目の美しさ、季節感、香りや色のバランスも意識
-
接客マナーの確認
- トレーの持ち方、笑顔、サーブ時の声かけなどを練習
おすすめ対策法
-
家族や友人を相手に模擬試験を実施
- 実際に「試験官」のつもりで評価してもらう
-
動画で所作を撮影・見直す
- 自分の所作のクセや目線、動きの滑らかさを客観視できる
レポート対策
対策のポイント
- 自分の紅茶に対する考え・思い・工夫を「伝わる形」で書くことが大切
- 難しい言葉よりも、読みやすく・具体的な内容を心がける
構成のコツ
- 導入(テーマの選定理由)
- 本論(体験や学び、紅茶との関わり)
- 提案やまとめ(将来的な目標や活動)
表現の工夫
- 写真や図を添えるのもOK(指定があれば)
- 講座で学んだ知識を1つ以上盛り込むと説得力アップ
その他のおすすめ対策
学習サポート活用
- 日本紅茶協会主催のフォローアップセミナーや復習会に参加
- 講座仲間とグループ勉強会・試飲会を開いて知識をシェア
モチベーション維持
- 好きな紅茶をテーマに「自分だけの紅茶ノート」を作成
- 合格後の活動(教室開講・講師・イベント開催など)をイメージして学習意欲をキープ
取得後に出来ること
紅茶の専門家として仕事に活かせる
飲食業界でのスキルアップに
- 紅茶専門店・カフェ・レストランでサービスの質の向上
- お客様に合った紅茶の提案や、紅茶の淹れ方教育の担当者として活躍
百貨店・食品販売業でも信頼される存在に
- 紅茶の販売・提案・試飲会などで**「紅茶のプロフェッショナル」として接客**
- お客様の質問に的確に答えられることで、店舗の信頼度UP
紅茶講師・インストラクターとして活動できる
紅茶教室・サロンの主宰が可能に
- 自宅やレンタルスペースで紅茶教室・ワークショップを開催
- 初心者向けからマニア向けまで、自由なカリキュラムでレッスンを提供
カルチャーセンター・スクールの講師として活躍
- 地域の公民館・文化教室などに登録し、紅茶講座を定期開催
- 紅茶とマナー、スイーツとのペアリングなど多彩なテーマで展開可能
日本紅茶協会の公認講師として登壇のチャンスも
- 条件を満たせば、協会主催のイベントやセミナーでも公式講師として登壇可能
食育・ライフスタイル系活動にも応用できる
紅茶を通じた「心と食の豊かさ」の発信
- 食育イベント、ママ向け講座、地域交流イベントなどで紅茶の魅力を伝える活動が可能
- フードコーディネーターや管理栄養士とのコラボ企画にも適する
SNSやブログでの発信活動にも信頼が加わる
- 「ティーインストラクター」の肩書きで信頼ある情報発信者として活躍
- 紅茶レビュー、レシピ紹介、ティータイムの提案などに活用できる
資格を活かせる具体的な場面
活動分野 | できること |
---|---|
飲食業 | カフェメニュー開発・接客・紅茶教育 |
小売業 | 紅茶売場での提案・接客・試飲会担当 |
教育・講師 | 紅茶教室の運営、カルチャー講座講師 |
イベント企画 | ティーパーティー、食育イベントの開催 |
ライター・SNS | 紅茶関連の記事執筆、写真投稿、レビュー発信 |
他の資格と組み合わせて広がる可能性
組み合わせ資格 | 活かし方の例 |
---|---|
フードコーディネーター | 紅茶と料理のペアリング提案・商品監修 |
管理栄養士 | 食育と絡めた健康的な紅茶の提案 |
英国式テーブルマナー講師 | マナー講座+アフタヌーンティー講座など |
こんな方におすすめの資格活用
- 「紅茶の仕事をしたい」「教える仕事に関わりたい」方
- 「自分らしい紅茶の教室を開きたい」方
- 「カフェや紅茶専門店の運営に活かしたい」方
- 「紅茶を文化として伝えていきたい」方
その他食品系資格一覧
食品衛生責任者
ふぐ調理師
すしエンターティナー
家庭料理技能検定
フードコーディネーター
カフェプランナー
雑貨カフェクリエイター
フードアナリスト
デザートクリエイター
惣菜管理士
ソムリエ
バーテンダー
ワインエキスパート
チーズプロフェッショナル
コーヒーコーディネーター
ティーインストラクター
ビアテイスター
紅茶コーディネーター
きき酒師
焼酎アドバイザー
日本茶インストラクター
中国茶認定初級インストラクター