チーズの専門知識と提供スキルを有する人材の認定で世界各国のチーズの種類・製法・産地などを深く学び販売・飲食・教育・流通分野で活躍できる知識と実力を備えた人を育成する目的の資格です。
目次
受験資格と難易度
受験資格(2024年度時点)
1次試験(筆記)
-
誰でも受験可能
- 学歴・年齢・職歴の制限なし
- チーズ業界の人だけでなく、飲食業・販売・料理教室講師・一般愛好家まで広く受験可
2次試験(実技・面接)
-
1次試験合格者のみ受験可能(同年度内)
- 1次合格の有効期限は1年間(翌年への持ち越し不可)
難易度と合格率(目安)
試験区分 | 合格率 | 難易度 | 内容の特徴 |
---|---|---|---|
1次試験(筆記) | 約50〜60% | ★★★☆☆ | 幅広い知識が必要。暗記+理解が重要 |
2次試験(実技) | 約50% | ★★★★☆ | 実技・表現・判断力が必要。経験差が出やすい |
最終合格(1次・2次両方) | 約25〜30% | ★★★★☆〜★★★★★ | トータルで見るとやや難関資格 |
試験内容
1次試験(筆記試験)
試験概要
- 試験方式:マークシート式+一部記述式
- 試験時間:約90分
- 実施時期:例年7月頃(年1回)
- 試験会場:東京・大阪など
出題内容(6つの分野)
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チーズの基礎知識と定義
- ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い
- チーズの分類方法(タイプ別、原料別)
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製造工程と熟成法
- 原乳処理、凝固、カット、加熱、型詰め、圧搾、熟成の各段階
- 熟成庫の管理、表面処理、熟成菌など
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チーズの種類と産地
- フランス、イタリア、イギリス、スペインなどの代表チーズ
- PDO/AOPなど原産地呼称制度の知識
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チーズの成分・栄養・保存
- タンパク質、脂肪、乳糖、ミネラル
- 保存方法(温度・湿度)、カビの管理
-
チーズと料理・飲料の相性
- ワイン・ビール・日本酒・紅茶とのペアリング
- チーズプラトーの構成、提供の流れ
-
チーズの流通と法規制
- 食品表示法、輸入規制、チーズ販売の現場知識
合格基準
- 正答率約70%前後
- 分野ごとのバランスも見られる(特定分野の極端な失点はNG)
2次試験(実技+面接)
試験概要
- 試験方式:テイスティング+記述+面接形式
- 実施時期:例年10月~11月頃
- 試験時間:約30分(個別形式)
- 試験会場:東京・大阪など(1次合格者のみ対象)
実技試験の構成(3部門)
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ブラインドテイスティング(試食・記述)
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5〜6種のチーズを試食し、以下を記述
- チーズ名(または分類)
- タイプ(白カビ、青カビ、ウォッシュなど)
- 原料乳(牛・山羊・羊・水牛)
- 特徴(香り・味・食感・外観)
-
5〜6種のチーズを試食し、以下を記述
-
チーズのカッティング操作
- 手作業によるチーズの切り分け(正しいナイフの使い方、提供しやすい形)
- プラトー盛り付けの基本を理解しているか
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口頭試問(面接)
- テイスティングの答えに対する説明
- チーズの提案・ペアリングの根拠説明
- 販売・接客現場での対応力・発信力
合格基準
- 総合的な判断(知識・分析力・実務的対応力)
- 特にテイスティングでは「なぜそう感じたか」を言語化できることが重要
2次試験で評価される力
評価項目 | 内容のポイント |
---|---|
観察力 | チーズの外観・断面・テクスチャを見て判断できるか |
味覚・嗅覚 | 香り・塩味・酸味・旨味・苦味などを感じ取り言語化できるか |
理論知識 | 製法や熟成による特徴を理屈で説明できるか |
接客力・発信力 | 提案する力・プレゼンテーション力・柔らかな受け答え |
試験対策
1次試験(筆記試験)対策
対策のポイント
- 出題範囲が広いため、全体を把握→重点を絞って学習するスタイルがおすすめ
- 暗記だけでなく、「なぜそうなるか」を理解することが合格への近道
学習方法
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公式テキストを1冊しっかり読み込む
- 協会発行の『チーズプロフェッショナル教本』が最重要教材
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章ごとの要点をまとめてノート化
- 国別チーズ、製法、熟成、呼称制度などを整理
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過去問題や模擬問題を繰り返す
- 過去問・セミナー配布資料を活用し、出題傾向に慣れる
-
図や表を活用した視覚学習
- 熟成段階や分類はビジュアルで覚えると定着が早い
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語呂合わせや比較表で記憶に残す
- 例:「AOP=フランス、DOP=イタリア、PDO=EU全体」
学習期間の目安
- 約2〜3か月(週3~4回の学習で十分対策可能)
2次試験(実技・面接)対策
対策のポイント
- 「見て・食べて・話す」練習が必要
- チーズの表現力・分析力・接客対応力を磨くことが合格のカギ
テイスティング対策
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チーズを実際に購入・試食する
- スーパー、専門店、輸入食品店などで代表的なチーズを食べ比べる
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五感を使って分析する練習
- 外観(色・形)→ 香り(ミルク・草・土など)→ 食感(もろい・ねっとり)→ 味(塩味・酸味・熟成感)を言語化
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テイスティングノートを作成する
- 食べたチーズごとに記録しておくことで表現力が上がる
面接・提案の対策
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「お客様に説明するつもり」で話す練習
- シンプルでわかりやすく、かつチーズ愛が伝わるように
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想定問答の練習
- 「このチーズにはどんなワインが合いますか?」「このチーズはどう保存すれば良い?」など
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模擬面接を録音・録画
- 自分の表情・声のトーン・語彙を客観的に確認する
カット・操作の練習
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チーズナイフの持ち方・切り方を動画で確認
- 固形タイプ(セミハード・ハード)や柔らかいタイプ(白カビ・ウォッシュ)ごとの切り分け方法を把握
-
プラトーの構成練習
- 色、形、香り、味のバランスを意識した盛り合わせの組み立てを練習する
学習期間の目安
- 約1〜2か月(週末の集中練習+毎日のテイスティング記録)
共通のおすすめ対策方法
使用教材・ツール
- チーズプロフェッショナル教本(最新版)
- 過去問題集(公式セミナー配布、受験者共有)
- チーズテイスティング用ノート
- 動画教材(YouTube・協会関連セミナーなど)
セミナー・勉強会の活用
- 協会主催の**「受験対策セミナー」「テイスティング講座」**への参加
- 地域のチーズショップや同受験者との勉強会も効果的
モチベーション維持の工夫
- 「なぜこの資格を取りたいのか」を明確にする
- SNSや学習記録アプリで進捗を見える化する
- 試験後の「やりたいことリスト」を書いておく
取得後に出来ること
飲食・販売の現場で専門職として活躍
専門知識を活かして「チーズのプロ」として勤務できる
- 高級スーパー、百貨店のチーズ売場、ナチュラルチーズ専門店などでの接客・販売・商品管理
- 飲食店やワインバーでのチーズプラトー提案、ペアリング案内
飲食店でのサービス品質向上に貢献
- チーズの保存・提供方法を正しく実践できる
- お客様にわかりやすく説明・提案できることで顧客満足度アップ
セミナー講師・イベントでの登壇が可能に
協会や自治体主催のチーズセミナーで講師として活動
- 一般向け・飲食業界向けのチーズ講座や研修の講師に登用される機会あり
- テイスティング会・食文化講座などの講演依頼も可能
オリジナル講座・教室の開講も
- 自分のチーズ教室を運営したり、カルチャーセンターと提携して開講
- 「〇〇(地域名)のチーズを楽しむ会」など地域密着型の活動にも展開可能
商品開発・プロモーションに関われる
チーズを活かした商品企画や新メニュー開発に参加
- 惣菜・パン・加工食品などとのチーズコラボ商品開発
- メニュー監修やチーズフェアのプランニングにも活用
バイヤー・広報としてブランド価値を高める
- 輸入商社や食品メーカーでの選定・品質評価・営業提案
- チーズの魅力を正確かつ魅力的に伝える広報・発信担当にも
専門的な肩書き・信頼の証として使える
「チーズプロフェッショナル」として履歴書・名刺に記載可能
- 食品・飲食業界でのキャリアアップ・転職活動に有利
- 資格所持者であることが、顧客や取引先への信頼感につながる
店舗やイベントでのアピール材料としても有効
- 「資格保有者が提案するチーズメニュー」「チーズの専門家による試食会」などの企画に説得力が生まれる
海外とのつながりや活動の幅を広げられる
欧州産チーズのイベント・フェアに関わる機会
- AOP/PDOなどの制度理解を活かし、輸入業務・フェア出展時の現地説明員などに起用されることも
海外研修やチーズ農家・熟成士との交流へ
- チーズプロフェッショナル協会の海外研修企画に参加可能
- 世界のチーズ文化を体感・発信できるチャンス
その他食品系資格一覧
食品衛生責任者
ふぐ調理師
すしエンターティナー
家庭料理技能検定
フードコーディネーター
カフェプランナー
雑貨カフェクリエイター
フードアナリスト
デザートクリエイター
惣菜管理士
ソムリエ
バーテンダー
ワインエキスパート
チーズプロフェッショナル
コーヒーコーディネーター
ティーインストラクター
ビアテイスター
紅茶コーディネーター
きき酒師
焼酎アドバイザー
日本茶インストラクター
中国茶認定初級インストラクター