日本茶インストラクター資格は、日本茶に関する正しい知識・技術を習得し、広く普及・啓発するための専門資格です。
日本茶の文化・歴史・製造方法・健康効果・おいしい淹れ方など、幅広く体系的に学ぶことができるプロフェッショナル資格です。
■主催
日本茶インストラクター協会
受験資格と難易度
受験するための基本条件
① 年齢・学歴・職業に制限なし(誰でも受験可能)
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日本茶に興味があれば、どなたでも受験可能
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学歴・職業・茶業界での経験の有無は問いません
② 事前の「日本茶アドバイザー資格」は必須ではない
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初めてでもいきなり日本茶インストラクターの受験が可能
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ただし、基礎から学びたい方は「日本茶アドバイザー資格」からの受験がおすすめ
③ 全国の試験会場で年1回の開催
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筆記・実技ともに原則として1年に1回の試験
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開催地は東京・大阪・名古屋など(年度により異なる)
難易度の目安
難易度:中〜やや高め(合格率 約30〜40%)
試験の特徴
項目 |
内容 |
出題範囲 |
茶の製造・品種・歴史・化学成分・飲み方・器具・文化・販売など幅広い |
試験形式 |
筆記試験(選択+記述)+実技試験(淹れ方など)+面接(口頭試問) |
出題数 |
筆記:約100問/実技:複数項目の操作と評価/面接:15分程度 |
合格率(過去数年の目安)
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約30〜40%前後
※年度によって多少前後あり。しっかりと対策が必要です
試験内容
試験全体の構成
日本茶インストラクターの試験は以下の3部構成で実施されます:
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筆記試験(一次試験)
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実技試験(二次試験)
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面接試験(口頭試問)
※一次試験に合格した人のみ、二次試験(実技・面接)に進むことができます。
① 筆記試験(一次試験)
試験形式
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選択式(マークシート)+一部記述式
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試験時間:約90分
出題内容の例
分野 |
内容 |
茶の基礎知識 |
品種・分類・生産量・地域ごとの特性など |
製造工程 |
摘採・蒸熱・揉捻・乾燥など緑茶の加工過程 |
成分・化学 |
カフェイン・カテキン・テアニンなどの成分作用 |
器具と抽出法 |
急須・湯冷まし・茶碗の使い方、おいしい淹れ方の温度管理 |
日本茶文化 |
歴史、習慣、茶道との違い、年中行事との関係 |
接客・販売 |
商品説明、POPの作り方、試飲サービスのポイントなど |
② 実技試験(二次試験)
試験形式
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茶の淹れ方・接客方法の実演
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審査員の前で評価される形式(約15分程度)
主な実技項目
内容 |
評価ポイント |
玉露・煎茶などの抽出 |
湯の温度、抽出時間、注ぎ方、分量などの正確さ |
茶器の扱い |
急須・湯呑みの持ち方、配置、動作の丁寧さ |
接客マナー |
言葉づかい、所作、提供時の説明力 |
実技試験の目的
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「おいしく、正しく、伝わるように」日本茶を淹れられるか
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「動作の美しさ」と「伝える力」が重視されます
③ 面接試験(口頭試問)
試験形式
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口頭での質疑応答(10〜15分程度)
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面接官(複数名)との対話形式
質問の例
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「日本茶の魅力をどう伝えたいか?」
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「急須とティーバッグの違いを説明してください」
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「現代の消費者に合ったお茶の提案は?」 など
評価ポイント
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専門知識を自分の言葉で分かりやすく表現できるか
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実務・教育・接客の現場で的確に伝える力があるか
試験対策
全体の試験対策方針
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試験は筆記 → 実技 → 面接の3段階構成
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合格率は約30〜40%とされており、知識と実技のバランスが重要
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市販の教材だけでなく、協会主催の「養成講座」受講も非常に有効
対策①:筆記試験対策(一次試験)
学習のポイント
項目 |
内容 |
暗記量が多い |
茶の品種・製造工程・器具・成分・歴史・文化など |
試験範囲が広い |
文系・理系・実務的内容が混在するため分野ごとに整理が必要 |
記述式もあり |
単純な選択肢ではなく「理由」や「説明」が問われる問題も出題 |
対策方法
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教協会発行の公式テキスト・問題集で反復学習
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過去問題や模擬問題で傾向を把握&出題パターンに慣れる
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自作の語句カードやチャート表で視覚的に整理するのがおすすめ
特に重点的に学習したい分野
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製造工程の流れ(蒸熱 → 粉砕 → 揉捻など)
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茶の成分と健康効果(カテキン・テアニン・カフェインなど)
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茶種と地域性の違い(煎茶・玉露・かぶせ茶・番茶・釜炒り茶など)
対策②:実技試験対策(二次試験)
試験のねらい
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正確な抽出技術と美しい所作を通じて、「誰にでもおいしく淹れられる力」があるかを評価
練習のポイント
項目 |
ポイント |
玉露・煎茶の淹れ方 |
温度・湯量・抽出時間の管理を正確に/基本は3人分で統一 |
茶器の扱い方 |
急須・湯冷まし・湯呑みの正しい使い方、配置、手順の美しさ |
所作とマナー |
動作の静けさ・流れ・言葉づかいも採点対象になる |
おすすめの練習法
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動画教材や協会の実技講習を活用し、動作を真似するところからスタート
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自宅で反復練習+家族や友人に見てもらい、所作や表情もチェック
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茶器一式をそろえることも重要(試験用の急須・湯冷まし・茶碗など)
対策③:面接試験(口頭試問)対策
評価される力
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専門知識の応用力
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接客に必要な言葉づかいと態度
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日本茶の魅力をわかりやすく伝える力
よくある質問と対策例
質問例 |
回答のコツ |
「あなたが考える日本茶の魅力は?」 |
自分の体験+学んだ知識を組み合わせて具体的に |
「急須とティーバッグの違いは?」 |
成分の抽出の仕組み・味わいの差を分かりやすく |
「外国人に紹介するなら、どう伝えるか?」 |
文化・健康・味の3点からシンプルに紹介する方法を考える |
面接練習法
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自分の答えをノートに書き出す→音読してみる
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録音して声のトーンや話し方を確認するのもおすすめ
-
模擬面接(家族や友人に協力してもらう)も効果的
取得後に出来ること
飲食・接客業での「日本茶の専門家」として活躍
お店の価値を高める存在に
- 和食店・甘味処・茶カフェなどで、日本茶の正しい淹れ方と提供ができる
- お客様の好みに応じた茶種や器の提案、ペアリングも可能に
- 「日本茶インストラクター在籍店」として専門性のアピールに繋がる
教室・講座・地域活動での講師として活動
お茶の魅力を“伝える”仕事に
- 公民館、カルチャーセンター、自宅サロンなどでの日本茶講座・淹れ方教室の開催
- 高齢者施設や学校での食育・文化教育活動
- 地元イベントや観光案内所などで日本茶体験コーナーの企画・指導
販売・流通業での商品提案力アップ
小売業で「日本茶の魅力」を伝えられる人材に
- お茶屋さん・百貨店・通販などでのお客様への説明力の向上
- 商品の違い(煎茶・玉露・抹茶など)を味・香り・成分から説明できる
- POPや商品紹介文の専門的な監修・作成にも活用可能
メディア・SNS・執筆活動に活かせる
信頼ある情報発信ができる
- ブログやInstagram、YouTubeなどでの日本茶紹介・レビュー・淹れ方解説
- 茶葉の比較や入れ方のコツなど、専門家としての立場で発信
- 雑誌・フリーペーパーなどへの寄稿・監修・協力依頼の可能性も
海外での日本茶普及活動にもつながる
日本文化紹介の一環として
- 外国人観光客向けの日本茶体験講座・ワークショップの開催
- 海外イベント・展示会でのプレゼンテーションや接客
- 「おもてなし人材」やツーリズム事業者との連携による活動も可能
上位資格・関連資格へのステップアップ
資格 |
活用方法 |
上級インストラクター |
高度な講座・講師活動に対応(協会認定講師など) |
日本茶アドバイザー指導 |
入門者への指導・テキスト開発協力など |
他の日本文化系資格と組み合わせ |
茶道、和菓子、書道、発酵文化などとの連携企画が可能 |
活かせるシーンまとめ
分野 |
活かし方の具体例 |
飲食業 |
正しい抽出・接客/日本茶カフェの立ち上げ/飲料監修 |
教育・地域活動 |
日本茶教室・食育講座・観光イベント講師 |
販売・広報 |
店頭接客・商品説明・販促物制作/茶葉の選定・開発協力 |
情報発信 |
SNS・ブログ・YouTubeでの茶レビュー・レシピ発信 |
国際交流 |
外国人向け体験講座/海外出張・展示会での文化紹介 |
こんな方におすすめの活かし方
- 日本茶を文化として伝えたい方
- お茶を通じて教える・発信する活動をしたい方
- カフェや物販などの起業・副業を考えている方
- 外国人向け体験や観光イベントに関わりたい方
その他食品系資格一覧
食品衛生責任者
ふぐ調理師
すしエンターティナー
家庭料理技能検定
フードコーディネーター
カフェプランナー
雑貨カフェクリエイター
フードアナリスト
デザートクリエイター
惣菜管理士
ソムリエ
バーテンダー
ワインエキスパート
チーズプロフェッショナル
コーヒーコーディネーター
ティーインストラクター
ビアテイスター
紅茶コーディネーター
きき酒師
焼酎アドバイザー
日本茶インストラクター
中国茶認定初級インストラクター