コンピュータサービス技能評価試験

コンピュータサービス技能評価試験(CS試験)は、ワープロ、表計算、情報セキュリティといった、職場で必要になる実務的なコンピュータスキルを評価する公的資格試験です。中央職業能力開発協会(JAVADA)が制度を運営し、都道府県職業能力開発協会などを通じて実施されています。

2026年時点では「ワープロ部門」「表計算部門」「情報セキュリティ部門」の3部門があり、ワープロ・表計算は1級・2級・3級、情報セキュリティは単一等級で実施されています。MOSよりも「実務作業そのもの」を重視し、入力、文書編集、関数、データ処理、グラフ、マクロ、セキュリティ知識などを具体的な作業として評価する点が特徴です。

コンピュータサービス技能評価試験を30秒で確認

  • 中央職業能力開発協会が制度を運営する公的資格試験
  • 現在はワープロ・表計算・情報セキュリティの3部門
  • ワープロ・表計算は1級・2級・3級
  • 情報セキュリティは単一等級
  • 受験資格に制限なし
  • 試験は原則5月〜翌年3月に実施
  • 2026年4月から受験料が改定
  • 2025年度全部門合計の合格率は88.0%
  • 合格者には「ワープロ技士」「表計算技士」「情報セキュリティ技士」などの称号
  • 実務作業を重視するため、職業訓練・学校・企業研修との相性がよい
資格名 コンピュータサービス技能評価試験
通称 CS試験
資格区分 公的資格試験
制度運営 中央職業能力開発協会(JAVADA)
実施 都道府県職業能力開発協会・認定施設等
部門 ワープロ/表計算/情報セキュリティ
等級 1級・2級・3級/情報セキュリティは単一等級
受験資格 制限なし
実施期間 原則5月〜翌年3月
主な対象 学生、職業訓練受講者、事務職、営業事務、一般社員、PC実務力を証明したい人

コンピュータサービス技能評価試験とは

CS試験は1983年に「BASIC部門」として始まり、現在まで延べ280万人以上が受験してきた歴史のある試験です。2026年時点では、ワープロ・表計算・情報セキュリティの3部門で実施されています。

ワープロ部門では、入力の正確性やスピード、文書編集、校正、複数文書管理などを評価します。表計算部門では、Excelなどの表計算ソフトを使った数式、関数、データ処理、グラフ、フォーム、マクロなどを扱います。情報セキュリティ部門では、職場や日常生活で必要なセキュリティ知識を4肢択一で問います。

CS試験は「知っている」より「実際にできる」を重視

特にワープロ・表計算では、指定された成果物を時間内に完成させる実技試験です。Officeソフトを実務レベルで扱えるかを直接確認しやすい試験です。

3つの試験部門

部門 内容 等級
ワープロ 文字入力、ビジネス文書、編集・校正、文書管理 1級・2級・3級
表計算 表、数式、関数、抽出、集計、グラフ、マクロ等 1級・2級・3級
情報セキュリティ 職場・日常生活における情報セキュリティ対策 単一等級

級の違い

級 位置づけ 主な特徴
3級 入門レベル 基本操作を正確に行う
2級 実務レベル 業務で必要な処理を一通り行う

就職や実務でのPCスキル証明を意識するなら、まず3級または2級を目標にするのが現実的です。すでに日常的にWord・Excelを使っている人なら2級からでも対応できる場合があります。

ワープロ部門3級

3級は、文字入力と基本的なビジネス文書作成を評価する入門レベルです。

試験時間 50分
課題1 約350字の単純文字入力
課題2 約300字、表作成・編集を含むビジネス文書
課題3 既存文書の編集・校正
採点 実技100点・減点法
合格基準 70点以上

3級で重要なこと

ポイント 対策
入力速度 短時間で正確に入力する練習
誤字脱字 入力後の見直しを習慣化
表作成 行列、罫線、幅調整を反復
編集 文字・段落・配置を素早く設定

ワープロ部門2級

2級では、文字入力だけでなく、段組み、オブジェクト、表、校正など、実務的な文書編集能力を求められます。

試験時間 60分
課題1 約500字の単純文字入力
課題2 約550字、表作成・編集を含むビジネス文書
課題3 オブジェクト作成、段組みを含む編集・校正
合格基準 70点以上

2級は「入力+編集」をバランスよく仕上げる

入力だけ速くても、編集課題で時間を使いすぎると完成できません。ショートカットやWord機能の位置を覚えておくと有利です。

ワープロ部門1級

1級は、複数の文書をまとめて管理する高度な文書処理能力を評価します。実技に加えて筆記試験があります。

区分 内容 時間
実技 約1100字の文書作成、編集・校正、複数文書の編集・管理 60分
筆記 漢字、ビジネス文書、ハード・ソフト、ネットワーク、情報活用等 20分

実技では、表、図、テキストボックス、目次、ハイパーリンクなどを使い、複数文書を1つの文書として整理する課題が含まれます。

表計算部門3級

3級では、表の作成、数式・関数、装飾、編集、グラフ作成など、Excelを使ううえで基本となる操作を評価します。

試験時間 45分
課題1 数式・関数を含む表の作成
課題2 表の装飾・編集
課題3 1範囲を使ったグラフ作成
合格基準 70点以上

3級で苦戦しやすいポイント

分野 注意点
数式 セル参照の間違い
関数 範囲・引数の指定
装飾 細かい書式指定の見落とし
グラフ 範囲選択・種類の指定

表計算部門2級

2級では、3級の基本操作に加えて、条件付き書式、関数、データ抽出・集計、複数範囲からのグラフ作成など、実務で使う機能が増えます。

課題 内容
課題1 数式修正、装飾、書式貼付け、条件付き書式
課題2 名前定義、表示設定、関数設定
課題3 抽出・集計
課題4 複数範囲を使ったグラフ作成

試験時間は60分です。単純に操作できるだけでなく、指示を読みながら正確に複数機能を組み合わせる力が必要です。

表計算部門1級

1級は、検索フォーム、入力規則、条件付き書式、マクロ、集計、複数グラフなど、高度なExcel活用力を評価します。

区分 内容 時間
実技 検索フォーム、入力規則、条件付き書式、マクロ、集計、グラフ 90分
筆記 表計算ソフト、ハード・ソフト、ネットワーク、情報活用等 20分

表計算1級ではマクロも出題

VBAエキスパートほどプログラミングに特化した試験ではありませんが、Excelの高度活用としてマクロ設定を扱います。

情報セキュリティ部門

情報セキュリティ部門は、ワープロ・表計算とは異なり、単一等級の筆記試験です。働くすべての人が知っておくべき、日常的な情報セキュリティ対策を評価します。

等級 単一等級
問題数 50問
形式 4肢択一
時間 60分
配点 100点
合格基準 80点以上
受験料 6,450円(税込)

出題内容

領域 内容
ビジネスユース 出社、DB・Webサーバー利用、業務、退社時の対策
パーソナルユース 友人との情報交換、ネット通販、情報収集、SNS・ブログ
JIS関連用語 リスクアセスメントなどの定義
関係法令 著作権、個人情報等

2026年度から、2025年12月改正の新しい試験基準が適用されています。情報セキュリティ環境の変化に合わせて出題範囲が更新されています。

技術者向けのセキュリティ資格ではない

暗号方式や脆弱性診断の専門試験というより、社員一人ひとりが情報漏えい・不正利用・SNS・個人情報などにどう対応するかを学ぶ試験です。

2026年の受験料

2026年4月1日以降に実施される試験から受験料が改定されています。

等級 2026年4月以降
1級 9,070円(税込)
2級 7,810円(税込)
3級 6,450円(税込)
情報セキュリティ単一等級 6,450円(税込)

古い受験料情報に注意

2025年度までの案内では1級7,970円、2級6,710円、3級5,350円など旧料金が掲載されている場合があります。2026年4月以降は新料金です。

試験日・申込方法

CS試験は、原則として毎年5月から翌年3月までの11か月間に実施されます。全国一斉の固定日ではなく、都道府県職業能力開発協会や認定施設ごとに実施日が異なります。

項目 内容
実施期間 原則5月〜翌年3月
会場 指定会場・認定施設
日程 都道府県協会・施設ごとに異なる
インターネット申込 一部認定施設で対応
合否通知 原則、試験後約1か月

2025年度の合格率

2025年度(令和7年度)は、全部門合計で受験者26,602人、合格者23,416人、合格率88.0%でした。

部門・級 受験者 合格者 合格率
ワープロ1級 142人 84人 59.2%
ワープロ2級 4,222人 3,383人 80.1%
ワープロ3級 8,438人 7,697人 91.2%
表計算1級 119人 56人 47.1%
表計算2級 3,641人 2,992人 82.2%
表計算3級 8,968人 8,221人 91.7%
情報セキュリティ 1,072人 983人 91.7%

合格率から分かること

3級・情報セキュリティは9割前後、2級は8割前後ですが、1級になるとワープロ59.2%、表計算47.1%まで下がります。特に表計算1級は、マクロや高度なデータ処理を含むため難易度が大きく上がります。

難易度

試験 当サイト難易度 理由
ワープロ3級 入門〜標準 基本入力・文書編集中心
ワープロ2級 標準 スピードと編集機能の両方が必要
ワープロ1級 高め 高度な文書管理+筆記
表計算3級 標準 基本数式・関数・グラフ
表計算2級 やや高い 関数・抽出・集計の幅が広い
表計算1級 高い マクロ・フォーム・高度分析を含む
情報セキュリティ 標準 幅広いが専門技術より実務知識中心

勉強時間の目安

JAVADAは合格に必要な学習時間を定めていません。以下は当サイトの目安です。

級 Office経験者 初心者
3級 15〜30時間 30〜60時間
2級 30〜60時間 60〜100時間
1級 60〜120時間 100〜180時間以上
情報セキュリティ 15〜30時間 30〜50時間

勉強方法

1. 公式の試験問題概要を確認する

級ごとに課題の構成・文字数・作業内容が公開されています。最初に本番で何を作るのか把握します。

2. 実際のアプリで操作する

ワープロ・表計算は実技なので、教材を読むだけでは不十分です。

3. 時間を測る

入力や編集ができても、試験時間内に完成できなければ得点になりません。

4. 減点されにくい作業手順を作る

先に入力、次に書式、最後に見直しなど、自分の安定する手順を決めます。

5. 公式練習問題を使う

JAVADAは試験問題概要・提供データ・練習問題を公開しています。実際の試験イメージを確認するのに重要です。

1か月学習プラン:2級

期間 内容 目標
1週目 出題範囲・基本操作 知らない機能をなくす
2週目 課題別練習 各課題を単独で完成
3週目 公式練習問題 時間内に一通り処理
4週目 通し演習・弱点補強 安定して70点以上を狙う

不合格になりやすいパターン

失敗 原因 改善
ゆっくりならできる 試験時間を意識していない 通し演習を繰り返す
見た目だけ合わせる 正しい機能設定になっていない 指示どおりの機能を使う
入力ミスが多い スピード優先 正確性を上げてから速度を上げる
Excel関数だけ勉強 抽出・グラフ・書式が弱い 課題全体を練習
1級で筆記を軽視 実技だけ対策 IT・文書・ネット知識も学ぶ

合格者の称号

CS試験に合格すると、合格証書が交付され、「技士」の称号を使用できます。

合格区分 称号例
ワープロ2級 2級ワープロ技士
表計算2級 2級表計算技士
情報セキュリティ 情報セキュリティ技士

履歴書には「コンピュータサービス技能評価試験 ワープロ部門2級 合格」など、試験名・部門・級が分かる形で記載すると明確です。

MOSとの違い

項目 CS試験 MOS
中心 実務作業・成果物 Microsoft Office操作
実施 JAVADA・都道府県協会 Microsoft認定
ワープロ 入力速度・編集・校正を重視 Word機能操作を評価
表計算 課題形式で表・分析・グラフ Excel機能操作を評価
上級 マクロ・筆記も含む Expertで高度機能
セキュリティ 独立部門あり 専用科目なし

選び方

Microsoft Officeの製品スキルを世界共通資格で示したいならMOS、職業訓練・企業実務を想定した課題をこなす力を示したいならCS試験が向いています。

日商PC検定との違い

資格 重点 特徴
CS試験 操作・正確性・作業完成度 具体的な実技課題を重視
日商PC 企業実務での情報活用 文書・データ・プレゼンの判断力も重視

CS試験は「決められた作業を正確に完成できるか」、日商PCは「情報を整理・分析して業務成果物を作れるか」という違いがあります。

VBAエキスパートとの違い

表計算1級にはマクロが含まれますが、VBAプログラミングそのものを専門評価する試験ではありません。VBAコード、自動化、エラー処理などを深く学びたい場合はVBAエキスパートの方が専門的です。

取得するメリット

メリット 内容
実技力を証明 実際に成果物を完成させる試験
段階的に学べる 3級→2級→1級と進める
職業訓練と相性 実務的PC教育の成果確認に向く
就職準備 未経験者でもPC操作力を示せる
セキュリティ 全社員向けの安全知識も学べる

活かせる仕事

職種 活かせるスキル
一般事務 文書作成、入力、Excel集計
営業事務 資料作成、データ集計
経理補助 表計算、集計、グラフ
人事・総務 文書・一覧表作成
職業訓練 PCスキル習得成果の証明
一般社員 情報セキュリティ基礎

どんな人に向いている?

タイプ おすすめ度 理由
PC初心者 高い 3級から段階的に学べる
職業訓練受講者 非常に高い 実務技能評価と相性がよい
事務職希望 高い Word・Excel実技を示しやすい
Office経験者 中〜高 2級以上で実務力を確認できる
ITエンジニア志望 目的次第 基本情報等の方が専門性は高い

2026年の制度変更・注意点

変更 内容
受験料 2026年4月1日から改定
情報セキュリティ 2026年5月7日から新試験基準を適用
教材 ワープロ・表計算の改訂版教材が2026年に案内

古い資格情報では廃止済み部門が載っている場合がある

過去にはデータベース部門、オフィスドキュメント部門、PCドライビング部門などもありましたが、これらはすでに廃止されています。2026年時点の現行部門はワープロ・表計算・情報セキュリティの3部門です。

よくある質問

CS試験は国家資格ですか?

国家資格ではありません。職業能力開発促進法に基づき設立された職業能力開発協会が実施する公的資格試験です。

受験資格はありますか?

ありません。年齢、学歴、実務経験に関係なく受験できます。

3級に合格しないと2級を受けられませんか?

受験資格の制限はありません。自分の実力に合う級から受験できます。

どの部門がおすすめですか?

事務職ならワープロ・表計算、一般社員向けの安全知識なら情報セキュリティが候補です。就職で使うなら、ワープロと表計算をセットで取得する方法もあります。

合格率はどれくらいですか?

2025年度は全部門総計88.0%でした。ワープロ1級59.2%、表計算1級47.1%、2級は約8割、3級は約9割です。

独学できますか?

可能です。JAVADAは試験問題概要、練習問題、教材を公開・案内しています。実技科目は必ず実際のソフトを使って練習してください。

情報セキュリティ部門はパソコン実技がありますか?

ありません。4肢択一50問・60分の筆記試験です。

合格すると資格名はどう書けばいいですか?

「コンピュータサービス技能評価試験 表計算部門2級 合格」などと記載すると明確です。「2級表計算技士」などの称号も使用できます。

MOSとどちらが就職に有利ですか?

一概には言えません。MOSはOffice製品スキルとして知名度が高く、CS試験は実務作業能力を具体的に評価する点が強みです。応募先や職業訓練の内容に合わせて選びます。

2026年から受験料は変わりましたか?

はい。2026年4月1日以降、1級9,070円、2級7,810円、3級・情報セキュリティ6,450円に改定されています。

コンピュータサービス技能評価試験のまとめ

CS試験は、ワープロ、表計算、情報セキュリティという、企業で必要になりやすい実務スキルを具体的に評価する公的資格試験です。ワープロ・表計算は実技中心で、3級では基本操作、2級では実務レベル、1級では高度な編集・分析・マクロなどを扱います。2025年度は全部門合計の合格率が88.0%でしたが、表計算1級は47.1%と難易度が高くなります。2026年4月から受験料が改定され、情報セキュリティ部門も新しい試験基準へ更新されているため、受験前に最新の公式試験問題概要を確認してください。

情報確認:2026年10月
主な確認先:中央職業能力開発協会(JAVADA)「コンピュータサービス技能評価試験」「試験問題概要・練習問題(ワープロ・表計算部門)」「情報セキュリティ部門 試験問題概要」「令和7年度 試験の実施結果」「受験手数料改定について」「受験を希望する方へ」。

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